シナリオの書き方「王座で椅子取りゲーム物語」の脚本構造を紹介!王になるのは誰だ?

「王座で椅子取りゲーム物語」とは?

ここでは「王座で椅子取りゲーム」をテーマにした物語を解説します。

王座というのは、そのまま王座や玉座の時もありますが、重要なアイテムの場合もあります。

この形式の物語は、構造カテゴリーで別の言い方をするならば成長の旅をする中で、組織を変える物語」となります。 

解説 

王座で椅子取りゲームって?

まず、そもそも「王座で椅子取りゲーム」とは、ここではどんな状態を指すのでしょうか?

この記事では「大勢が狙う王座(あるいは、王になれる様なアイテム)を巡って、複数の登場人物の思惑が複雑に交錯する物語」として解説していきます。

椅子取りゲーム参加には、理由がある

このタイプの物語の主人公、あるいは、その相棒になる人物は、例外なく椅子に座る資格を持った者です。

王座を狙うのであれば、王族や、王座を狙える立場にあり、複数勢力が入り乱れる戦記であれば、そのリーダーと相場が決まっています。

別に王族の血筋でなくても、参加資格を手に入れ、自分の勢力を持っていれば参加できます。

この主人公は、ただゲームの参加資格を持った登場人物ではありません。

参加者の中では、イレギュラー中のイレギュラーであり、最初はだれが勝つか読めないが、物語が進むにつれて本命中の大本命へと成長する必要があります。

ただの王族の第一王子とか、騎士団長では、全然足りない訳です。

『訳アリ』だけど、参加資格を保有している事が、とても重要なわけです。

再アニメ化もした小説「銀河英雄伝説」では、主人公は訳アリです。

小説「デュラララ」や小説「アルスラーン戦記」でも、メインの主人公は参加資格があるが、訳アリでした。

そして、どの主人公も物語の当初は、弱そうであったり、敵に勝てるかわからない状態です。

ゲームへの誘い

主人公はある日、ゲームに参加する事になります。

ゲームと言っても、大抵は戦争や、内戦の勃発であったり、玉座や王冠クラスの重要なアイテムの奪い合いと言った物です。

ゲームが始まると、物語世界は一気に動き出し、混乱し始めます。

自分の持っているルールに従ってゲームを戦う

主人公は、強制とはいえ参加するからには、このゲームのルールに従います。

ですが、持っている考え方や感性が違うので、全てが自分流です。

自分流でゲームを行う主人公は、対抗勢力に押され、最初は苦境に立たされます。

ですが、主人公が困ったり戸惑ったりしていると、手を貸し、助言をくれる仲間が現れます。

この仲間は、主人公の持つ善良さに気付いていたり、直前で主人公の善良さに助けられた人物だったりします。

主人公は、その性質故に周囲の人間を助け、それによって自分も助けられ、このゲームでの居場所を手に入れていきます。

海外ドラマ「ゲームオブスローンズ」では、椅子取りゲーム参加によってバラバラになったスターク家の面々は、それぞれの思惑でゲームを続け、敵が打算や金で仲間を作るのに対して、主人公勢力は絆の力で仲間を増やして行く事になります。

主人公のポテンシャルに気付く者

物語が進んでも主人公は、相変わらず自分流でルールに従います。

この段階では、主人公なりにゲームに勝とうと必死ですが、自分のやり方は捨てられません。

多くの人々は主人公の行動をバカにしたり、不可解に思います。

しかし、主人公の仲間は、そんな主人公の事を信頼し、慕っていきます。

ですが、やがて主人公の仲間以外に、主人公の事を、そういう目で見ない者が現れます。

それは、真の敵です。

主人公を目障りに思い、率先して攻撃してきます。

大抵の場合、敵は、ゲームにおいて優秀な人物や、その黒幕なのですが、この人物は主人公が自分を脅かす存在だと気づき、放っておけなくなります。

段々と、主人公や、その相棒が王座に相応しい人物だと、敵も含めて気付き始める訳です。

思いもよらぬ大打撃を受ける

ここまで自分なりにゲームのルールに従ってきた主人公は、それによって仲間からの大きな信頼を得てきましたが、敵勢力からの本気の攻撃によって大打撃を受けます。

これにより、大事な仲間を失ったり、致命的な損害を受けます。

ここまで、どちらかと言えばマイペースだった主人公は、失うと思ってなかった大事な物を失い、悪くするとスランプに陥ります。

仲間による救い

多くを失った主人公ですが、絆で結ばれた仲間の助けによって、なんとか復活を果たします。

絶望から復活した主人公は、自分や、相棒が王座の椅子取りゲームに勝つ意味を受け止め、参加しないといけなかったから参加したと言うスタンスは鳴りを潜め、最も資格がある存在として戦いを挑むことになります。

フィナーレ

主人公の勢力は、敵勢力を倒し、ゲームに完全勝利し、皆が最も望む形の王になります。

本当の自分を解き放った主人公は、周囲に不思議に思われてきた自分流こそが最大の武器である事に気付き、それを貫く決断をします。

その最大の武器とは、無垢さ、善良さ、正直さ等の、主人公が資格があると見られる性質そのものです。

最後に勝つのは、ゲームで強いコマを沢山持っている人ではありません。

主人公達の様に、無垢で善良で正直な、道徳的なルールに従った上でゲームをしてきた、真に王に相応しい事をゲームの中で証明した者なのです。

主人公の大勝利によって、ゲームには終止符を打たれ、全てが収まるべきところに収まり、物語は感動のフィナーレを迎えます。

まとめ

以上、王座で椅子取りゲーム物語とは、王座でする椅子取りゲームの参加資格を有する異質ながら善良な主人公が、その行動によってゲームを通して大切な道徳観を周囲に思い出させる物語と言う事でした。

この形式の物語のポイントは、敵味方入り乱れる各勢力の登場人物達の、それぞれの思惑と暗躍。

それと、それらを吹き飛ばす主人公の圧倒的な王の資質が目覚めるまでの積み重ねでしょう。

最初は、ゲームに勝てるのかさえ分からなかったのに、最後まで見ると勝つべくして勝つ展開は、分かっていても熱いものです。

また、作品によっては敵だった登場人物が状況によって味方になったりして、関係性が変わり、勢力図が書き換わる戦記物ならではの熱い展開も外せません。

この記事が好きな作品探しや、この形式の物語を作る時の参考になればと思います。

必須要素

成長の旅

  • 旅の目的、夢や目標
  • 目的を同じくする仲間の存在
  • 大事なのは成長の過程で、本来の真の報酬は仲間

組織を変える

  • 変えるべき慣習やルールのある環境
  • 慣習やルールの異常性に気付ける主人公
  • 慣習やルールに抵抗する主人公

 

「王座で椅子取りゲーム物語」該当作品

地道に追加、修正予定。

※他の形式の物語も知りたい場合は、物語カテゴリーをご覧ください。

※アイキャッチはヒューマンピクトグラム2.0様より使わせて頂いています。

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