効果的な画作りの基本
動画、写真、絵画、イラスト、漫画、視覚的にモチーフを表現するメディアにおいて「画作り」は非常に重要になる。
今回は「効果的な画作り」をする上で、少し役立つ基本を紹介していく。
創作の参考にして欲しい。
基本構図
画面の構図が人に与える普遍的な視覚効果は、実に多岐に渡る。
美しく整った配置になる「黄金比」「フィボナッチ数列」等の、自然な配置が中でも有名だろう。
美しさは、プラス効果を付与する構図だが、構図だけで印象は大きく変化し、時にはマイナス効果を狙って構図する必要がある時もある。
重要な物は、中心近くに配置すると視線を誘導しやすく、中心から遠い所に意味がある物を配置すると緊張感が発生するのも、当たり前だが重要な基本だ。

また、画面の中の情報量が多いほど体感時間が短くなり、情報量が少ないほど体感時間が長くなる。
これは、脳が情報を処理する為に、多いほど余裕が無く忙しくなる事で短く感じ、少ないほど余裕があって暇になるので長く感じると言われている。
よく分からないと感じたのなら、例えば、町を事細かに描いた絵(情報量多)と、一人の人物の絵(情報量小)を、実際に見てみて欲しい。
なんとなく、体感出来る筈だ。
キャラとライトの構図
物の配置や形状だけでなく、ライティングが与える印象も画作りでは重要になる。

光源は、
- 上からだと登場人物が若く見え、下からだとホラーに見える。
- 正面からだと細部がぼやけ、後ろからだと輪郭が強調・後光になる。
- 左右半分影になると不安定に感じる。
- バックライトとフィルライトで立体的にハッキリし、
- ハイキー照明で均等に、
- キーライトオンリーでコントラスト強化効果があり、
- フィルライトオンリーで仄暗い雰囲気に、
- キーライトとフィルライトに落差で、ローキー照明になる。



ショットサイズ
モチーフを画面に捉える際のサイズが与える効果が分かっていると、上記の構図と掛け合わせる事で、実に多彩な画作りと共に、ショット毎に明確な身を持たせることが出来る。

アングル
画作りをする際、アングルを意識する事で被写体や中心モチーフの印書はガラリと変わる。
見上げる煽りアングルは、対象を強大に見せ、見下ろす俯瞰アングルは、対象を大勢の中の一部に見せる等の効果がある。
上ほど不安定になり、下ほど安定する。

モチーフ
動いている方が目立ち、止まっていると目立たない。
場違いな方が目立ち、溶け込んでいる方が目立たない。
近い方が目立ち、遠い方が目立たない。
大きい方が目立ち、小さい方が目立たない。
対比色の方が目立ち、同系色の方が目立たない。
自然界に少ない色(金・紫、等)の方が高級感・レア感が出て、自然にありふれた色(緑・茶・青、等)の方が身近・普通に感じる。
登場人物を配置する距離は心の距離も表し、近いほど親密に、遠いほど警戒が見える。
文字
印象の強さは、文字を読む終わり位置が強い。
日本の漫画なら「左」位置、海外のコミックうあ字幕映画なら「右」位置。
終わりに
紹介したものは基本だけど、作りたい画に欲しい効果に合わせ、適切に組み合わせて使えば大きな効果を発揮する。
意識した事が無いと言う人は、参考にしてくれればレベルアップの助けになると思う。
もっと詳しく知りたいと言う人は、各種専門書もお勧めだ。