物語の中の場所の意味について【物語創作教室】動画77

日常と非日常は、当たり前だけど、大事って話。

セリフ全文

物語の中での場所の意味

場所とは、
時間と空間の座標、と言う物語全体を俯瞰して見た視点と、
主人公視点

この二つで大別出来ます

座標が表す場所は、環境の条件を自然と決めます

座標と言うと難しく思えるかもしれませんが、例えば、

イタリア、ポルヴェーゼ島、と言うのと、

東経12.07.57度、北緯43.07.04度、

と言うのは、同じ場所を指します。

時間を指定しても、同じ場所です。

時間と空間を座標で設定すると、自然とロケーションが決まり、明るさ、温度、湿度、(高度、臭い)等の環境情報が定まります。

もちろん、フィクションでは、時間と空間の座標以外に、現実では自動で決まってくる設定・数値を自分で決める必要が出てきます。

ここでポイントとなるのが、想定される数値に近かったり、異常値である根拠が示されていると、その場所を示す座標に、リアリティが生まれる事です。

例えば、サハラ砂漠や、北極・南極を空間座標として決め、時間も指定したのに、登場人物が半袖でのんびりと外を出歩いていたら違和感がある訳です。

 

次に、主人公視点です。

これは、
物語の主人公にとって、活躍していく舞台としての場所の話で、
時間と空間の座標で決める環境とは、違った意味合いを持ちます。

主人公視点での場所は、非日常の世界か、日常の世界か、と言う、
主人公が持つ世界観が重要なポイントになります。

これが大前提です。

日常と非日常

物語を描く場合、場所がいくつ登場しても、そこが主人公視点で日常か、非日常の世界に分けられ、
それによって意味も役割も変わってきます。


例えば、学校と言う場所を舞台にする場合、主人公にとって学校が日常か、非日常かを見定めて設定する必要があります。

転校生なら、まだ日常になっていない為、学校は非日常の世界です。
在校生なら、既に日常になっている事が多いでしょう。
ですが、例え在校生でも、同じ学校と言う場所であっても、転校生や新しい先生の出現や、事件の発生などによって日常だった世界が非日常に変化する場合があります。

主人公にとって、そこが日常の世界か、非日常の世界か、この視点があると、物語世界の場所の意味が分かりやすくなるでしょう。

日常の世界は、主人公にとって、最後は戻るべき、帰るべき、守るべき場所として描かれ、
物理的、以外に、精神的な戻るべき場所と言う描かれ方です。

非日常の世界は、主人公にとって、解決すべき問題と向き合うべき、掴みとるチャンスの為に踏み込むべき、場所として描かれます。

 

非日常の世界とは、葛藤を生み出す状況に他なりません。

事件が起きても、チャンスが舞い込んでも、そこに葛藤が無いとだめです。
主人公に葛藤を生み出す、非日常の世界である必要があります。

この葛藤は、精神的、物理的、どちらか、あるいは両方です。
物理的な葛藤とは、通りたいのに通れない壁とか、危険とか、そういうものです。
精神的な葛藤とは、トラウマの象徴が配置されていたり、怖いといったものです。

 

これら、座標と主人公の視点と言う大前提があって、次にようやく、具体的な場所の設定となります。
ですが、大抵の場合、場所は主人公視点か、座標のどちらかを決める事で、残りの要素は、ほぼ自動的に決まるので、難しく考える必要はありません。

また主人公視点での、日常と非日常と言う視点は、どういう物語かが決まらない事には、決めにくい要素です。
例えば、探偵ものであれば、事務所は日常で、事件現場や聞き込みは非日常の世界となります。

学園の恋愛ものなら、もしかしたら恋愛対象とする誰かが、場所を主人公にとって非日常の世界に変えてしまう事もあります。

お約束では、授業中の体育倉庫は、日常的な場所かもしれませんが、夜の体育倉庫になると、物語ジャンルによって意味が変わり、恋愛ものなら、一緒に朝まで閉じ込められるなんて状況のシチュエーションはお約束ですよね。
これは、教室でも、トイレでも、どこでもそうなり、いかに日常と非日常を上手に作り出すかが、ポイントです。


そして、座標と主人公の視点が定まったら、それが何らかの意味で、作品を見る人にとって印象に残る様な、特徴的であったり、ユニークな設定である事が多かれ少なかれ求められます。
その場所が、作品世界の中に本当にあり、そこにいるキャラクターが、ちゃんとそこにいて、そこの影響を受ける事が、必須条件です。

更に、作品を見る人にとって、およそ、トラブルの物語なら、そこに行きたくないと、チャンスの物語なら、そこに行ける物ならいってみたいと、思わせる魅力が必要になります。

ここらへんは、作品のジャンルによっても変わってくる要素ではあります。

ちなみに、主人公視点の場所の、環境とは、主人公を除く登場人物も含まれます
この視点を忘れると、場所の本当の魅力は描けません。


日常の世界が主人公にとって尊いとしたら、日常の世界にいる住人が主人公にとって掛け替えのない存在である必要があるし、
その逆もまた、然りです。
非日常の世界は、チャンスなら好意的な人物が現れますし、トラブルの場合はトラブルメーカーが現れたりします。


その上で、場所を具体的にするには、座標にマッチした文化的に根差した場所や、作品を見る人が、設定だけでユニークさやギャップの魅力を感じ、知りたくなる場所を創造する必要があります。

その際、ポイントとなるのは、普遍性と新規性です。

例えば、ハリーポッターのホグワーツ魔法学校は、魔法を習う学校と言う設定で、学校は普遍性、魔法は新規性の組み合わせで構成されています。
ハリーポッター以前にも、魔法学校と言うアイディアがあったのに、なぜハリーポッターだけが、ここまで飛びぬけて魅力的なのかと言うと、魔法学校と言うフィクションの普遍性がある設定に、イギリスの全寮制の学校と言うフィクションの掛け算では新規性があるモチーフを掛け合わせることに成功した事が大きな要因でしょう。


場所自体に平凡で普遍性しかなくても、そこにいる人や事件に新規性があると、その場所は途端に興味深い場所に変わります。

他に例えば、学園ものの平凡な教室が魅力的なのは、魅力的な友達や恋愛対象と言う新規性が、作品ごとに更新され続けているからに他なりません。


更に、場所が持つ、モチーフとしての意味、と言う物が、その先にあります。
これは、場所が持つ、イメージであったり、テーマとの相似性になります。
イメージとは、連想させるパワーです。


イメージが作品に加わると、連想によって雰囲気が作品に広がります。
例えば、場所が暗いから怖いのではなく、暗い事で何かをイメージするから怖く、結果的に不穏になる為、それを助ける為に連想を強化する物を配置する事もあります。
暗い夜道に、白い服の人が場違いに立っていたり、ただ、壁際にお供え物がされているだけで、幽霊などを連想させる事だってできます。

更に、雰囲気を強化する為に、時間、天気、明るさ、暗さ、季節、等を設定すると、どんどんイメージから連想を引き出せます。

何を表現したくて、その為に、イメージとして、何を連想させたいかが場所の表現では、最適か否かに関わります。


その上で、テーマとの相似性の話になります。
相似性とは、共通点(似た構造)になります。

例えば、学校と言う場所をモチーフに、恋愛を描くのなら、そのイメージと、テーマを一致させて、フルに使う事が重要になります。

ただ学校から何をイメージするか、と言うのは、人それぞれですが、それを操作するのが、創作者の腕の見せ所です。
良い学校のイメージを連想させる表現をするでも、悪い学校のイメージを連想させる表現をするでも、作品のテイスト次第です。

テーマの相似性は、場所の何が特定のイメージを思い起こし、それがテーマとどうマッチするかと言う話になります。

学校を舞台にするでも、家、会社、町、都市、国、星、どこを舞台にするでも、そこでストーリーのテーマを持って同じ構造の物語を描く事が出来ます。
それは、どこを切り取っても、場所とは、社会を区切った物で、社会の縮図だからです。

どこを切り取っても社会の縮図である以上、物語のテーマとの間に、相似性を見出す事が出来ます。
もちろん、場所によって描きやすさに大きな差が生まれますが、基本は、入れ子構造です。

マトリョーシカをイメージすると分かりやすいですが、社会を構成する小さな社会が各場所に存在し、そのワンセットで場所は主に一区切りとなり、小さな社会を構成します。

国、都道府県、市町村、会社、学校、施設、家、部屋、その場所のどこにでも、入れ子構造で、場所を作った文明や自然をベースとした社会があります。

それを認識したうえで、作品で表現したい世界の土台として、場所を設定すると、良いでしょう。


今回は、このぐらいで。

聞きたい事があれば、コメントしてくれれば答えるからね。

じゃ、そういう事で。
またね。

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