「大ヒット作品」の必須要素を考察してみた【第一回】

狙ってヒットを作りたい!

創作者なら誰もが思う事。

ヒット作を出して、みんなに知って貰いたい、大勢を楽しませたい。

または、売れて金持ちになりたい、創作者として有名になりたい、チヤホヤされたい、かもしれない。

でも、狙って上手く行く事もあれば、上手く行かない事もあるし、逆に全然狙ってないのに売れる事もある。

そこで、この記事では「既存のヒット作」を題材に、ヒットの条件を探す試みをしていこうと思う。

あくまでも考察なので、書いてある通りにやったからって確実にヒット作になる事は保証できないので、悪しからず。

何がヒットを生み出すのか?

ヒットの条件は、複合的で複雑極まりなく思える。

だが、そうは言ってもヒットの条件は、一つ一つ見れば誰にだって分かる物でもある筈だ。

「作品のメディア」「ジャンル」「カテゴリー」様々な構造の上に「何で描くか」「どう描くか」「作家の個性」等の表現が載っている基本は、変わる事が無い。

つまり、分解して考えれば、どのレベルのヒットに到達しうるポテンシャルになるのかは、世に出す前の段階で、ある程度だが読める部分があると言える。

世に出してみないと分からないポテンシャル部分は「伝え方」「広げ方」「売り方」と言ったマーケティング的な要素と、「運」も関わるが、ここら辺は創作よりも作品自体の「見せ方」や「受け取られ方」の話になる。

そこで、「構造」と「表現」を中心に、ヒット作に対する足し算・引き算や、同系統の作品との比較によって必須となりそうな条件を導いていこうと思う。

基準となる作品選定

ヒット作の基準は、何だろうか?

出来れば数字で分かる物が良いのは間違いない。

そこで、ありきたりだが、今回は映像ソフトの売上本数を基準として、作品のヒット度を見て行こうと思う。

発売開始年代が古い物ほど、家で見れる選択肢(VHS、LD、DVD、BD、VOD等)が当時は限られる事、再販を含めて長く売れる事、購買層の年代による変化、メディアの価格変化、等々の条件の違いがある。

また、劇場、テレビ、OVA、配信と言った媒体や、一回で完結か、連続性があるか、シリーズが続くか、ソフトに特典が付くか、等も出来るだけ考慮に入れたい。

それでは、単純なランキングをまずは見てみよう。

※2020年11月現在ネットで拾える情報です。

※完璧なリストでは無いので、目安程度に。

※基本、日本国内流通、国産アニメ。

順位 タイトル およそ売上枚数(初動・累計混在) 年代
1 千と千尋の神隠し(ジブリ) 550万枚 2001年
2 もののけ姫(ジブリ) 450万枚 1997年
3 となりのトトロ(ジブリ) 334万枚 1988年
4 ハウルの動く城(ジブリ) 270万枚 2004年
5 風の谷のナウシカ(ジブリ) 177万枚 1984年
6 天空の城ラピュタ(ジブリ) 161万枚 1986年
7 魔女の宅急便(ジブリ) 120万枚 1989年
8 君の名は(映画) 86万枚 2016年
9 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(映画)  84万枚 2009年
10 崖の上のポニョ(ジブリ) 83万枚 2008年
11 紅の豚(ジブリ) 80万枚 1992年
12 猫の恩返し/ギブリーズ episode2(ジブリ) 72万枚 2002年
13 火垂るの墓(ジブリ) 40万枚 1988年
14 平成狸合戦ぽんぽこ(ジブリ) 40万枚 1994年
15 耳をすませば/On Your Mark(ジブリ) 40万枚 1995年
16 ゲド戦記(ジブリ) 27万枚 2006年
17 おもひでぽろぽろ(ジブリ) 20万枚 1991年
18 ガールズ&パンツァー 劇場版(映画) 16.2万枚(初動) 2016年
19 映画妖怪ウォッチ誕生の秘密だニャン!(映画) 13万枚 2014年
20 新世紀エヴァンゲリオン 13万枚 1995年(覇権)
21 ラブライブ!サンシャイン!! 11.7万枚 2014年(覇権)
22 おそ松さん 11.4万枚 2015年(覇権)
23 劇場版 ソードアート・オンライン-オーディナル・スケール(映画) 11万枚(初動) 2017年
24 コクリコ坂から(ジブリ) 10万枚 2011年
25 進撃の巨人 8.4万枚 2013年(覇権)
26 化物語 8.2万枚 2009年(覇権)
27 魔法少女まどか☆マギカ 8万枚 2011年(覇権)
28 ユーリ!!! on ICE 7.6万枚 2016年(覇権)
29 機動戦士ガンダム SEED DESTINY 6.9万枚 2004年(覇権)
30 うたの☆プリンスさまっ♪  マジLOVE2000% 6.5万枚 2013年
31 偽物語 6.5万枚 2012年(覇権)
32 マクロスF 6.5万枚 2008年(覇権)
33 NANA 6.3万枚 2006年(W覇権)
34 コードギアス 反逆のルルーシュ 6.3万枚 2006年(W覇権)
35 うたの☆プリンスさまっ♪  マジLOVEレボリューションズ 6.1万枚 2015年
36 コードギアス 反逆のルルーシュ R2 5.9万枚 2008年
37 機動戦士ガンダム SEED 5.9万枚 2002年(覇権)
38 機動戦士ガンダムUC 5.6万枚(初動) 2010年
39 サマーウォーズ(映画) 5.4万枚(初動) 2009年
40 けいおん! 5.3万枚 2009年
41 うたの☆プリンスさまっ♪  マジLOVEレジェンドスター 5.3万枚 2016年
42 Fate/Zero 5.2万枚 2011年
43 GRANBLUE FANTASY The Animation 5.2万枚 2017年(覇権)
44 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(映画) 4.9万枚(初動) 2009年
45 ラブライブ!サンシャイン!! 2nd Season 4.6万枚 2017年
46 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 4.6万枚 2011年
47 <物語>シリーズ セカンドシーズン 4.6万枚 2013年
48 Fate/Zero 2ndシーズン 4.6万枚 2012年
49 ソードアート・オンライン 4.5万枚 2012年
50 頭文字D Fourth Stage 4.4万枚 2004年
51 けいおん!!(第2期) 4.2万枚 2010年(W覇権)
52 Angel Beats! 4.2万枚 2010年(W覇権)
53 Persona 4 the ANIMATION 4.1万枚 2011年
54 涼宮ハルヒの憂鬱(第2期) 4万枚 2009年
55 宇宙戦艦ヤマト2199 3.9万枚 2013年
56 IS〈インフィニット・ストラトス〉 3.9万枚 2011年
57 らき☆すた 3.9万枚 2007年(覇権)
58 Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 3.8万枚 2014年
59 ガールズ&パンツァー 3.8万枚 2012年
60 鋼の錬金術師 3.7万枚 2003年(覇権)
61 涼宮ハルヒの憂鬱 3.6万枚 2006年
62 Fate/stay night [Unlimited Blade Works]2期 3.5万枚 2015年
63 ハイキュー!! 3.5万枚 2014年
64 ラブライブ! 3.5万枚 2013年
65 機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン 3.4万枚 2008年
66 機動戦士ガンダム00 3.3万枚 2007年
67 Free! 3.3万枚 2013年
68 WORKING!! 3.2万枚 2010年
69 DEATH NOTE 3.2万枚 2006年
70 デュラララ!! 3万枚 2010年
71 機動戦艦ナデシコ 2.9万枚 1996年(覇権)
72 けものフレンズ 2.8万枚 2017年
73 ラブひな 2.9万枚 2000年(覇権)
74 俺の妹がこんなに
可愛いわけがない
2.8万枚 2010年
75 終物語 2.8万枚 2015年
76 機動戦士ガンダム 2.8万枚 1979年(覇権)
77 CLANNAD 2.8万枚 2007年
78 TIGER & BUNNY 2.8万枚 2011年
79 IS〈インフィニット・ストラトス〉2 2.7万枚 2013年
80 とある科学の超電磁砲 2.7万枚 2009年
81 Fate/stay night 2.7万枚 2006年
82 セイバーマリオネットJ 2.6万枚 1997年(覇権)
83 ジョジョの奇妙な冒険 2.6万枚 2012年
84 あずまんが大王 2.6万枚 2001年(覇権)
85 おおきく振りかぶって 2.6万枚 2007年
86 AIR 2.5万枚 2005年(覇権)
87 境界線上のホライゾン 2.5万枚 2011年
88 艦隊これくしょん-艦これ- 2.5万枚 2015年
89 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000% 2.5万枚 2011年
90 黒子のバスケ 2.4万枚 2012年
91 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 2.4万枚 2010年
92 魔法少女リリカルなのはStrikerS 2.4万枚 2007年
93 魔法先生ネギま! 2.3万枚 2005年
94 黒執事 2.3万枚 2008年
95 黒子のバスケ 第3期 2.3万枚 2015年
96 アイドリッシュセブン 2.2万枚 2018年(覇権)
97 アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 2.2万枚 2017年
98 境界線上のホライゾンII 2.2万枚 2012年
99 刀剣乱舞-花丸- 2.2万枚 2016年
100 ソードアート・オンラインII 2.2万枚 2008年
101 血界戦線 2.2万枚 2015年
102 Free!-Eternal Summer- 2.2万枚 2014年
103 天元突破グレンラガン 2.2万枚 2007年
104 ゾンビランドサガ 2.1万枚 2018年
105 ハチミツとクローバー 2.2万枚 2005年
106 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。(第2期) 2.1万枚 2013年
107 CLANNAD AFTER STORY 2万枚 2008年
108 戦姫絶唱シンフォギアGX 2万枚 2015年
109 攻殻機動隊Stand Alone Complex 2nd GIG 2万枚 2004年
110 WORKING’!!(第2期) 2万枚 2011年
111 Kanon(京アニ版) 2万枚 2006年
112 ハイキュー‼ セカンドシーズン 2万枚 2015年
113 攻殻機動隊 Stand Alone Complex 2万枚 2002年
114 真月譚 月姫 2万枚 2003年
115 鬼滅の刃 2万枚 2019年(覇権)
116 黒子のバスケ 2nd SEASON 1.9万枚 2013年
117 カードキャプターさくら 1.9万枚 1998年(覇権)
118 Steins;Gate 1.9万枚 2011年
119 とある科学の超電磁砲S 1.9万枚 2013年
120 とある魔術の禁書目録II 1.9万枚 2011年
121 ウマ娘 プリティーダービー 1.8万枚 2018年
122 鬼灯の冷徹 1.8万枚 2014年
123 中二病でも恋がしたい! 1.8万枚 2012年
124 薄桜鬼 1.7万枚 2010年
125 アイドルマスター SideM 1.6万枚 2017年
126 アイドルマスターシンデレラガールズ 1.6万枚 2015年
127 のだめカンタービレ 1.6万枚 2007年
128 B-PROJECT〜鼓動*アンビシャス〜 1.6万枚 2016年
129 まほろまてぃっく 1.6万枚 2001年
130 ストライクウィッチーズ2 1.6万枚 2010年
131 ご注文はうさぎですか?? 1.6万枚 2015年
132 とある魔術の禁書目録 1.6万枚 2008年
133 STAR DRIVER 輝きのタクト 1.6万枚 2010年
134 SHIROBAKO 1.6万枚 2014年
135 銀魂 1.5万枚 2006年
136 月刊少女野崎くん 1.5万枚 2014年
137 藍より青し 1.5万枚 2002年
138 妖狐×僕SS 1.5万枚 2012年
139 モノノ怪 1.5万枚 2007年
140 はたらく魔王さま! 1.5万枚 2013年
141 ケムリクサ 1.4万枚 2019年
142 ゆるキャン△ 1.4万枚 2018年
143 戦姫絶唱シンフォギアXV 1.4万枚 2019年
144 戦姫絶唱シンフォギアAXZ 1.4万枚 2017年
145 蒼き鋼のアルペジオ -ARS NOVA- 1.4万枚 2013年
146 おねがい☆ティーチャー 1.4万枚 2002年
147 ストライクウィッチーズ 1.4万枚 2008年
148 おねがい☆ツインズ 1.4万枚 2003年
149 ARIA The ORIGINATION 1.3万枚 2008年
150 BLEACH 1.3万枚 2004年
151 D.C. ~ダ・カーポ~ 1.3万枚 2003年
152 HAND MAID メイ 1.3万枚 2000年
153 戦国BASARA弐 1.3万枚 2010年
154 ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 1.2万枚 2014年
155 ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld 1.2万枚 2019年
156 ソードアート・オンライン アリシゼーション 1.2万枚 2018年
157 活撃 刀剣乱舞 1.2万枚 2017年
158 青の祓魔師 1.2万枚 2011年
159 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 1.2万枚 2009年
160 DARKER THAN BLACK -流星の双子- 1.2万枚 2009年
161 薄桜鬼 碧血録 1.2万枚 2012年
162 フルーツバスケット 1.2万枚 2001年
163 かんなぎ 1.1万枚 2008年
164 無限のリヴァイアス 1.1万枚 1999年(覇権)
165 五等分の花嫁 1.1万枚 2019年
166 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 1.1万枚 2018年
167 まほろまてぃっく~もっと美しいもの~ 1.1万枚 2002年
168 魔法少女リリカルなのはA’s 1.1万枚 2005年
169 みなみけ 1.1万枚 2007年
170 僕は友達が少ない 1.1万枚 2011年
171 ちょびっツ 1.1万枚 2002年
172 To LOVEる -とらぶる- ダークネス 1.1万枚 2012年
173 とらドラ! 1.1万枚 2008年
174 灼眼のシャナ 1.1万枚 2005年
175 宇宙よりも遠い場所 1万枚 2018年
176 SSSS.GRIDMAN 1万枚 2018年
177 クイーンズブレイド 流浪の戦士 1万枚 2009年
178 続 夏目友人帳 1万枚 2009年
179 夏目友人帳 1万枚 2008年
180 夏目友人帳 参 1万枚 2011年
181 蟲師 1万枚 2005年
182 この素晴らしい世界に祝福を!2 1万枚 2017年
183 図書館戦争 1万枚 2008年
184 ハイスクールD×D 1万枚 2012年
185 フレームアームズ・ガール 1万枚 2017年
186 おそ松さん第2期 1万枚 2017年
187 マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 1万枚 2020年
188 星界の戦旗 1万枚 2000年
189 ああっ女神さまっ 1万枚 2005年
190 ARIA The ANIMATION 1万枚 2005年
191 乙女はお姉さまに恋してる 1万枚 2006年
192 ハヤテのごとく! 1万枚 2007年
193 純情ロマンチカ 1万枚 2008年
194 氷菓 1万枚 2012年
195 リトルバスターズ! 1万枚 2012年
196 頭文字D Fifth Stage 1万枚 2012年
197 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 1万枚 2013年
198 キルラキル 1万枚 2013年

上記ランキングを見ていくと、まず圧倒的に強いのは「ジブリアニメ」だろう。

辛うじて戦えているのは「ヱヴァ新劇場版」「君の名は」ぐらいだ。

ランキングには入っていないが「鬼滅の刃 無限列車編」も現在の快進撃を考えれば十分考慮対象だろう。

なので、劇場アニメと言う括りで見るなら、この辺をトップとして見るのが良いと考える。

それら劇場アニメを除外して見ると、

  • 新世紀エヴァンゲリオン
  • ラブライブ!サンシャイン!!
  • おそ松さん
  • 進撃の巨人
  • 化物語
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • ユーリ!!! on ICE
  • 機動戦士ガンダム SEED DESTINY
  • うたの☆プリンスさまっ♪  マジLOVE2000%
  • 偽物語
  • マクロスF
  • NANA
  • コードギアス 反逆のルルーシュ
  • うたの☆プリンスさまっ♪  マジLOVEレボリューションズ
  • コードギアス 反逆のルルーシュ R2
  • 機動戦士ガンダム SEED
  • 機動戦士ガンダムUC
  • けいおん!
  • うたの☆プリンスさまっ♪  マジLOVEレジェンドスター
  • Fate/Zero
  • GRANBLUE FANTASY The Animation

あたりまでが、売り上げ枚数で見れば13万~5万の層で、トップクラスだ。

申し訳ないが「NANA」と「うた☆プリ シリーズ」は予備知識が大して私に無いので除外させて貰う。

また「GRANBLUE FANTASY The Animation」はソーシャルゲームのオマケで売り上げを伸ばした経緯が明らかな為、これも除外する。

その上で、残った作品を基本となるトップ作品として、以降は扱っていく。

考察:設定による魅力について

まず手始めに「新世紀エヴァンゲリオン」を起点に考えてみる。

新劇場版でも上位に食い込んでいる点で、トップ群の中でも間違いなくトップのアニメーションだ。

エヴァは、一般的イメージだと

  • ジャンルとしては「ロボットモノ」で、
  • 「世界系(主人公が世界の命運を決めるスイッチを持っている状況に置かれる)」の作品でもあり、
  • 「近未来」の「日本」を舞台に、「少年少女」が「謎の敵」を「迎撃」する「任務」に就く。

そんな基本設定だ。

エヴァの設定を、どこまで変えると「日本でヒットが難しく」なるだろうか?

ロボットと言うジャンルで見てみる

「ロボットモノ」なので、まずはイメージとして真っ先に思いつき、印象にも残る「エヴァンゲリオン」と言うロボット(汎用人型決戦兵器)を少しずつ変えて見たらどうなるだろうか?

そこで参考になるのが、似た要素を持つ別の作品だ。

「ロボットモノ」と言う括りで言えば、

  • 進撃の巨人
  • 機動戦士ガンダム SEED DESTINY
  • マクロスF
  • コードギアス 反逆のルルーシュ
  • コードギアス 反逆のルルーシュ R2
  • 機動戦士ガンダム SEED
  • 機動戦士ガンダムUC

等がランキング上位には、他に存在する。

(進撃の巨人は、巨人を人が操縦する点でロボットと言う風に見る事も出来るので残した。そもそもエヴァが純粋なロボットでは無い点で、むしろ巨人が一番近いと言う見方も出来る)

まず、これらに共通する所から攻めていこう。

  • 主人公が専用のロボットに搭乗する。

と言う点では全てが当てはまる。

だが、

  • 主人公がメインの機体に乗っているか?

と言う点では、コードギアスが当てはまらない。

メインビジュアルは仲間の一人カレンが乗る紅蓮弐式や、ライバル機としてスザクが搭乗するランスロットの方がイメージが強い。

そういう点では、コードギアスが異質と言う事が分かるだろう。

つまり、ロボットモノを描く際は、主人公は専用機に乗っていた方がヒットしやすく、搭乗機体が作品のメイン機体である方が好ましい事が分かる。

仮に、

  • 量産機に搭乗している
  • そもそも搭乗しない

と言う場合は、どうなるだろうか?

これは、また別の作品で比較を行う事で、効果の違いが分かってくる。

まず、量産機に搭乗するロボットモノは、結構ある。

上記リストの中だと

  • 攻殻機動隊 Stand Alone Complex シリーズ

ぐらいだが、例えば「ガサラキ」「アルジェントソーマ」等の硬派なリアルロボットになると、機体毎の差が殆ど無い。

また手法として「天元突破グレンラガン」「機動警察パトレイバー」「ドラえもん」等の様に、量産機だとしても一機しか基本的に登場しなかったり、登場したとしても明らかな個性を出す事で差別化を図る事が出来る。

だが、いずれにしてもロボットモノと言う括りで物語を作ってヒットを目論むのであれば、何らかの形で「専用機」を用意した方がヒットは見込めそうである。

次に、そもそもロボットに搭乗しない主人公のロボットモノ等あるのかと言う話だが、

  • 無限のリヴァイアス

が上記リストの中だと当てはまる。

多くのキャラクターによる群像劇作品で、ロボットモノなのに主人公がロボットを操縦する事は最後まで無い珍しい作品だ。

その代わり、主人公の友人や弟がパイロットに選ばれて戦う事になる。

しかし、ロボットモノで主人公がロボットに乗らない作品は、他には「ギルティクラウン」ぐらいしか、咄嗟に思いつかない。

つまり、ロボットモノである以上は、主人公がロボットと直接絡む事は、ほぼ必須条件と言いきって良いだろう。

では、専用機は、どんな機体であるのが好ましいだろうか?

エヴァでは

  • 主人公が一番うまく動かせる

と言う理由から、搭乗を強要される。

これは「進撃の巨人」「機動戦士ガンダム SEED」「機動戦士ガンダムUC」が当てはまる。

それぞれ「シンクロ率」「搭乗権の継承」「才能」「遺産」と、何かしらの理由があって、主人公が最も専用機を上手に動かす素質に恵まれている。

一方で「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」「マクロスF」「コードギアス 反逆のルルーシュ」では、主人公は別に一番うまく動かせる訳ではないが「隊員として軍に所属している事で与えられる」とか「司令官用の指揮機」と言う理由から搭乗する理由付けがある。

この差は、作品内で「主人公に才能があったから嫌々でも乗せられる」か「実力で搭乗機を勝ち取る」かの差が生まれる要因となる。

つまり、

  • ダメな奴だとしても実は素質タイプの主人公が、トラブルに巻き込まれ、状況に流されてロボットに仕方がなく乗せられるか、
  • 天才に見えても実は努力タイプの主人公が、チャンスを手に入れ、計画を形にする為にロボットに自ら乗るか、

の2種類が大まかに見ると存在する事が分かる。

世界系と言う、もう一つのジャンルで見てみる

新世紀エヴァンゲリオンは「世界系」と呼ばれる事がある作品だが、世界系である事はヒットにどれぐらい寄与しているのだろうか?

エヴァ以外のランキング上位作品を見ると、他に世界系と呼べそうな物は

  • 進撃の巨人

ぐらいだろう。

  • 機動戦士ガンダム SEED DESTINY

に関しては、主人公交代に失敗している問題作と言う側面があり、主人公には問題を解決する裁量権が驚くほど与えられていない。

  • マクロスF
  • コードギアス 反逆のルルーシュ
  • 機動戦士ガンダム SEED
  • 機動戦士ガンダムUC

等の作品では、主人公の行動が世界を平和に導く事になるが、やはり勝手に世界の行く末を決める事が出来るような裁量権は与えられていない。

ロボットモノ以外に目を向けて見ると

  • ラブライブ!サンシャイン!!
  • おそ松さん
  • 化物語
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • ユーリ!!! on ICE
  • けいおん!
  • Fate/Zero

の中では「魔法少女まどか☆マギカ」だけが、主人公の決定によって世界の明暗を分ける事が出来る。

つまり、世界系と言う要素は、ヒットする上では、必須と言う訳では無い事が分かる。

だが「新世紀エヴァンゲリオン」「進撃の巨人」「魔法少女まどか☆マギカ」に使われ、愛されている点で、この設定はヒットの妨げにならず、助けになる事も同時に分かる。

一応書いておくが、世界系は内容を把握するまで世界系だと確定する事が出来ない設定だ。

つまり、表から見えないが、中にあると「おっ! 面白い!」となる設定だと言える。

では「新世紀エヴァンゲリオン」を世界系でなく、結果的に世界を平和に導く側の作品にしたら、どうなるだろうか?

恐らくだが、もう少し「機動戦艦ナデシコ」等のロボット作品に近い形になっていた可能性がある。(※放映時期的にエヴァの方が早いけどね)

具体的な設定で見てみる

「近未来」の「日本」を舞台に、「少年少女」が「謎の敵」を「迎撃」する「任務」に就く。

と言うのが、大まかなエヴァの基本設定だ。

これも、順に見て行こう。

まず「近未来」と言う設定は、どうだろうか?

  • ラブライブ!サンシャイン!!
  • おそ松さん
  • 化物語
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • ユーリ!!! on ICE
  • けいおん!
  • Fate/Zero

あたりの作品は、恐らく現代が舞台だろう。

  • 進撃の巨人

に関しては、遠い未来か、あるいはファンタジーな異世界を舞台にしている。

  • マクロスF
  • 機動戦士ガンダム SEED
  • 機動戦士ガンダムUC

に関しては、遠い未来と言って差し支えない筈だ。

  • コードギアス 反逆のルルーシュ

だけが、架空の近未来を舞台にしている。

こうして考えてみると、上位でヒットしているロボットモノの大半が、未来を舞台にしている事が分かる。

現実には存在しないロボットが登場する根拠が必要故の未来設定だからだ。

では、過去や現代を舞台にしたロボットモノは、ヒットしないのだろうか?

少なくとも、ランキング上位には入っていない。

つまり、ロボットモノでヒットを狙うなら、近未来か未来の方が有利な可能性が高い。

比較的、現代に近い時代のロボットモノでは「クロムクロ」が、ファンタジーロボットでは「天空のエスカフローネ」や「ナイツ&マジック」があり、どれも非常に面白い作品なのだが、ランキングと言う視点では残念ながら大ヒットには至っていない。

これが、現代やファンタジーを舞台にした事によって、未来を舞台にしたロボットモノにはある何かが足りないからなのか、それとも他の複合的要因からなのか、興味深い。

日本が舞台の方が、日本では有利?

ハッキリ、答えが出ている。

日本が舞台の方が日本では有利に働く。

日本以外を舞台にする場合は、完全に架空の世界にした方が、外国にするより受け入れられる。

  • 新世紀エヴァンゲリオン
  • ラブライブ!サンシャイン!!
  • おそ松さん
  • 化物語
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • ユーリ!!! on ICE
  • うたの☆プリンスさまっ♪
  • NANA
  • コードギアス 反逆のルルーシュ
  • けいおん!
  • Fate/Zero

と、上位の作品では、これらがメインの舞台を日本にしている。

  • 進撃の巨人
  • 機動戦士ガンダム SEED
  • マクロスF
  • 機動戦士ガンダムUC
  • GRANBLUE FANTASY The Animation

これらの作品は、どれも架空の世界をメインの舞台にしていて、実在の外国はメインに置かれない。

以下のランキングでも、モチーフに外国を使う事はあっても、実際の外国を舞台にする作品は非常に珍しく、

  • ジョジョの奇妙な冒険

と、辛うじて

  • 血界戦線

ぐらいの物だ。

つまり、日本を市場として見て、大ヒットを狙うなら、日本か、存在しない架空の世界を舞台にする方が受けいられやすいと言える。

ジブリ作品でも、実在の外国を舞台にしているのは「紅の豚」ぐらいだ。

ランキング外に目を向ければ「リストランテ・パラディーゾ」「ヴィンランド・サガ」「ブラック・ラグーン」「ガンスリンガー・ガール」等々、良質で面白い作品は沢山存在する。

それでも、日本人に受け入れられやすいのが、日本か異世界と言う事だろう。

少年少女が主人公な方が良い?

海外、アメコミ等では、大人の主人公の方がスタンダードである。

一方で日本では、どうだろうか?

文学小説や青年誌等では様々な年代の主人公が存在するが、

  • おそ松さん
  • ユーリ!!! on ICE
  • うたの☆プリンスさまっ♪
  • NANA
  • Fate/Zero
  • 頭文字D Fourth Stage
  • 宇宙戦艦ヤマト2199
  • 機動戦艦ナデシコ
  • TIGER & BUNNY
  • 攻殻機動隊Stand Alone Complex
  • 鬼灯の冷徹
  • 薄桜鬼
  • アイドルマスター SideM
  • のだめカンタービレ
  • SHIROBAKO
  • 銀魂
  • 藍より青し
  • モノノ怪
  • はたらく魔王さま!
  • おねがい☆ティーチャー
  • 戦国BASARA弐
  • ちょびっツ
  • 蟲師
  • 図書館戦争
  • ああっ女神さまっ

ランキング内では、あたりが、恐らく年齢的に18歳以上の主人公だと思うのだが、圧倒的に少数である事が分かると思う。

ジブリを入れても、

  • ハウルの動く城
  • 紅の豚
  • 平成狸合戦ぽんぽこ

ぐらいしか増えず、日本人は特にだが、未成年の少年少女を主人公に置く事を好む傾向にあると言えると思う。

ヒットを素直に狙うなら、もしかしたら若いイケメンか美少女を主役格に置くのは、特に現代では必須クラスの条件なのかもしれない。

海外の作品では、ポリコレ等を意識して人種、性別、年齢、美形か否かを、わざとふり幅を大きく設定する事も多いが、日本人の創作者で気にしている人は外国に比べれば少ない。

仮に、外国市場を狙うなら気にした方が良い部分もあるだろう。

個人的にはランキング外だが「Z.O.E Dolores,i」の49歳の主人公は、結構好きである。

謎の敵を迎撃するのが、ウケるの?

このタイプの物語は、今でも多くつくられている。

  • 進撃の巨人
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • マクロスF
  • 機動戦艦ナデシコ
  • けものフレンズ
  • 戦姫絶唱シンフォギア
  • ストライクウィッチーズ
  • ケムリクサ
  • SSSS.GRIDMAN

あたりの作品が、意思疎通が不可能な敵を迎撃する任務につく構造を持った作品で、ランキングにある物だ。

ランキング外になら「刀使ノ巫女」や「Z/X Code reunion」、今期のアニメでは「アサルトリリィ」が該当する。

意思疎通は出来るが価値観が違い過ぎる同系統作品では、

  • 艦隊これくしょん-艦これ-
  • 蒼き鋼のアルペジオ -ARS NOVA-

あたりが該当する。

謎の敵と言う設定は、非常に便利な設定だ。

まず、敵の正体が分からないが、人以外の形をしている事で、倒しても罪悪感が少なく、容赦なく倒す事が出来る。

その上で、倒してきた敵が「実は人だった」みたいな、登場人物に対して意地の悪い設定を使って、後から葛藤を起こす事も出来る。

一方で、人同士の争いを描く場合は、登場人物を殺す事で、様々なストレスが発生する事になる。

  • 機動戦士ガンダム SEED
  • コードギアス 反逆のルルーシュ
  • 機動戦士ガンダムUC
  • Fate/Zero

等では、誰かが人を殺したり、人に殺されるかもしれない状況だからこそ描ける、重みのある物語を描く事に有利な物語構造を持っていると言える。

なので、謎の敵を迎撃する事は、ヒットの必須条件ではなく、好みの問題と言えるだろう。

モンスターを倒すのと、人同士で傷つけあうのと、どちらを描きたいか、どちらがテーマを描きやすいかで選べば良いと言う事だ。

一度ヒットの要素を削る事で、ヒットの組み合わせの作り方見つける!

ロボットモノは、兵器をロボットに置き換えた物が殆どと言って良い。

つまり、ロボットモノからロボットを削ると、戦車や戦闘機、戦艦で表現する事に多くの場合なる。

そう言った硬派な表現でランキングに入っている作品は、ジブリを入れても

  • 紅の豚
  • ガールズ&パンツァー

ぐらいで、実在の兵器を使ってエヴァやガンダムに置き換えても、ただの対怪獣や、戦争を描いた作品になってしまう。

そうなると、一気に、ここまでの大ヒットの画が見えづらくなるだろう。

なので、例に出した様な一般的な兵器が登場する作品の場合、別の所に捻りが加えられている。

「紅の豚」は、賞金稼ぎと空賊の世界を描く事でただの空戦では無くした事で面白く、「ガールズ&パンツァー」は、戦車を乙女の武道でありスポーツである世界観設定によって、部活モノとして全く新しい物にした事で面白くなっている。

つまり、ただの怪獣モノ、戦争モノを面白くする為に、ロボットモノに変えたのがエヴァやガンダムであり、そこには掛け合わせた事が無いジャンルを組み合わせる事で生まれた新しさが常にある。

この掛け合わせによって獲得する『新規性』こそが、ヒットの肝となる概念だ。

終わりに

ヒット作を参考に、要素を入れ替えたり加える組み合わせを探す事で、大ヒットの種を見つけられるかもしれない。

ヒット作を一度平凡にして、組み替える要素やベースに別の物を入れるだけで、ジャンル内のブルーオーシャンに辿り着く事も十分可能だろう。

長くなってきたので、今回はこのぐらいで終わろうと思う。

ヒットの法則を探すなら、ディズニーやジブリにももっと触れていく必要があるし、反対に作品や作者のブランド力がそこまで高くないのにヒットした非シリーズ(シリーズ1作目を含む)作品にも触れなければならない。

それは、その内、気が向いたら。

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