スクリプトドクターが選ぶ2020年アニメランキング

あなたにとって2020年最高のアニメは?

今年も、もう終わりが近づいていますね。

に続き、今年もアニメのランキングを決めていきたいと思います。

以下

からエントリーした、およそ120作品の中から、独断と偏見で選ばせてもらいます。

それでは、どうぞ。

一要素特化型作品ランキング

まずは「世界観」「ストーリー」「キャラクター」のどれかが特に秀でた作品です。

  世界観・リアリティが 突き抜けて感じた作品部門  
特に無し

今年は、世界観だけが飛びぬけて面白いと感じた作品はありませんでした。

裏を返せば、世界観が飛びぬけて面白い作品はストーリーやキャラクターも魅力的だったバランスの良い年と言えると思います。

  ストーリー・予測不能が 突き抜けて感じた作品部門  
pet

催眠術で人を操るヤクザな世界で、精神世界の描写さえどうにか出来れば実写でやった方が良いぐらい硬派な世界がアニメでは新鮮でした。

誰が誰にどんな催眠術を時限爆弾の様に欠けているのかと言うどんでん返しが面白く、暗く重い雰囲気ながら先が読めない展開が楽しめる良作です。

ただ、キャラとして飛びぬけて魅力的な人物が少なく、繰り返し見たいと思わせるほどの中毒性は感じませんでした。

人を選ぶ作品です。

無能なナナ

1話目の掴みが良く、中途半端感が残る中で1シーズンを終えた作品です。

超能力者を無能力者が工夫を凝らして暗殺していく頭脳戦は面白く、キャラデザ等が淡白で面白みが少ない事を除けば、かなり面白い作品でした。

禍つヴァールハイト -ZUERST-

ゲーム原作の前日譚で、ゲームのストーリーには無いハードさが常に漂う空気感と、ツボを押さえた王道の展開で、底力を感じさせる作品です。

レジスタンスと軍のいざこざから、王国や世界の秘密にまで繋がっていく展開は、ある程度先が読めて尚面白く、ダークホースと言って良いクオリティでした。

ですが、一部作画が不安定だったり、キャラデザが地味で、全体的に華が少ない、真面目な作品でもあり、個人的には好きですが覇権は難しいのも同時に感じる所がありました。

ですが、最終回まで先が気になりながら完走できた上に、原作との兼ね合いのバランスもとって一区切りしているので、おススメです。

 

  キャラクター・感情移入が突き抜けて感じた作品部門  
BanG Dream! 3rd Season

ストーリーは割と微妙なパートが多くても、キャラの魅力で押し切るいつものバンドリです。

新バンドを主軸に置いた事で物語の軸がシッカリしたのは良いですが、2期のはっちゃけ方が好きな人には大人しく感じる出来でした。

でも好きです。

戦翼のシグルドリーヴァ

北欧神話が無い世界で北欧の神がラグナロクを起こす等、設定は面白いのですが、アニメだけだとマッチポンプな上に何をしたいのか分からない部分が残る敵の動機、戦闘機の設定、等々の穴が目立つと言えば目立ちます。

美少女達も勿論魅力的なのですが、戦闘機パイロットや基地を支える面々も全員が、とても魅力的で、キャラの魅力だけで、気になる設定とか諸々を押し切った作品と言うイメージです。

キャラの魅力と言う作品ポテンシャルだけ見れば、2020年の作品ではトップクラスと言えます。

魔王城でおやすみ

独特な緩い世界観に紛れ込んだ、主人公と言う純粋で邪な存在の暴れる様がとても面白い作品でした。

でびあくまと言う熊のヌイグルミの様な魔族が可愛く、ミニオンの様にいい味を出しています。

ここからは、テーマごとのランキングになります。

 

 

ちょっとエッチなのが 売りの作品部門

 
異種族レビュアーズ

ファンタジーな世界で、冒険者たちが性風俗をレビューしていくと言う異色漫画をアニメ化した作品。

地上波で放送した事も勇気があるが、放映中止になった放送局が多かった事も話題になった。

話としては、コンセプトに忠実かつ、かなり真面目に作られているが、内容が内容だけに人は選ぶし、地上波は難しかった。

ピーター・グリルと賢者の時間

基本的に、フィアンセがいるのに他の美女に言い寄られて浮気する駄目主人公が賢者タイムに後悔するを繰り返すコメディ作品。

フィアンセ以外の浮気相手でハーレムが勝手に形成されていく事を本人が望んでいない悲哀が可笑しい。

完全に男性向け作品。

グレイプニル

当たり前の様に下着や裸が登場する、作品のテイストの持つ普遍的なエロティシズムで、まず人を選ぶと思いますが、刺さる人にはぶっ刺さる作品です。

更に、主人公が着ぐるみに変身する事でヒロインを自分の中に乗せて戦うと言う設定を、しっかりとエロ要素に絡ませ、魅せたい世界が一貫しているのもグッドです。

  人を選ぶ作品部門  
日本沈没2020  監督節が良い横行にも悪い方向にも炸裂した作品。
いつものラップとか、ポリコレやグローバルな表現は、それだけでかなり人を選ぶ。
更に、イライラを誘発させるキャラが多く、見ていられない人も多いと感じた。
魔女の旅々  ネットでは「最高」と「最悪」の両意見で真っ二つな印象もある、旅モノ。
才能に溢れ自惚れている主人公が、すれ違う不幸な人々の人生を旅の肴に、日記に記す旅行記と考えたら、楽しめない。
とにかく、主人公との相性次第な作品。
  途中で失速した作品部門  
憂国のモリアーティ 最初の方は、かなり面白かったけど、ホームズ登場で大幅に失速を感じた。
チャラ男なホームズと言う、ホームズの味付け自体は面白くはあるが、モリアーティ側からした時の敵としての魅力が弱く、ぶっちゃけ好きじゃないキャラ。
バキ 大擂台賽編 見ていて可哀そうになる噛ませ犬キャラが多く、クライマックスに近づくほど切なくなる。
以前は誰が勝つか読めない戦いが多く、それが対戦カードも含めて面白かったのだが、初見なのに勝敗に予想がつくぐらい、キャラクターのパワーバランスが決めっているキャラがいて、「こいつ負けそう」と言うキャラが、割と素直に負けてしまう。
作品としては好きだし、面白いのだが、驚きが無く、惰性で次の面白い部分まで継続する事があり、残念。
神様になった日 いつもの「あり得ない奇跡」で無理やりハッピーエンドにしてくれる事をどこかで期待しながら最後まで見ていたが、大人しい落としどころのビターエンドで終わり、微妙に不完全燃焼。
特に、TPOを考えないでバカな行動を取ったり、自分勝手な行動や発言ばかりする主人公の悪い所が目立ったクライマックスの失速具合は見ていて辛かった。
  他に取り上げたい作品部門  
薄明の翼

ポケモンの短編アニメです。

アニメのクオリティの高さだけでなく、テーマやコンセプトがハッキリしている点、魅せ方、とてもよく出来たPVやMVを見ている様な、短時間の映像から世界が広がったり、記憶を呼び覚ますトリガーが配置されている、超レベルの高いアニメでした。

ポケモン好きで見てない人は、YouTubeの公式動画で本編が全て見れるので、是非。

ここからが、いよいよトップ・ワースト5。

  アニメオリジナルトップ5  
デカダンス

既視感を感じる作品が多々ありながら、独自の世界観に落とし込み、まとめ上げた手腕は見事。

魅力的なキャラは勿論、世界観のデザイン、物語の構造選択の適切さ、クリエイターが描きたかった部分が視聴者に伝わる熱量と、オリジナル作の中では、かなりの完成度の高さを誇る作品だった。

小さくまとまった出来を、利点と取るか欠点と取るか。

ID:INVADED イド:インヴェイデッド

「ザ・セル」と「マイノリティ・リポート」と「羊たちの沈黙」を足した様な設定が面白い作品。

精神世界の表現は新しく、初見でのフックの強さはかなりの物に感じた。

王道だが、家族との再会エピソードでは涙腺が緩んだし、「穴空き」等の、思わぬキャラが活躍する展開も面白かった。

正直、デカダンスと最後まで相当悩んだので、ジャンル違いの同位ぐらいに見て欲しい。

天晴爛漫!

最近のアニメでは珍しい、レースもの。

どこか「大江戸ロケット」を思い出しそうな時代設定で、江戸の発明家がアメリカに渡って自作の自動車で大陸横断レースに挑むと言うのが、一応は基本の話。

記号化されたビジュアルのキャラ達は慣れると愛着がわくし、何よりも主人公コンビの絆が育っていく描写が、素直に良かった。

一昔前なら夕方に放映してそうな、良いアニメと言う感じ。

GREAT PRETENDER

ドラマ、コンフィデンスマンJPの古沢良太さんが脚本を手掛け、メインのキャラクターデザインをエヴァンゲリオンで有名な貞本義行さんが担当と、そこら辺が、まず目を引いた作品でした。

ネットフリックス配信先行で放映されていた作品で、主人公が所属する詐欺師チームが犯罪者から大金を騙し取るまでを描くのが基本の物語の流れ。

詐欺師モノとしては、アニメーションならではの大仕掛けが面白く、「スティング」等の往年の名作が好きな人にも楽しめるお約束が満載です。

アニメーションとしての出来の良さ、耳に残る音楽、魅力的なキャラクター、まとまりを持ちつつ二転三転するどんでん返しを備えた脚本と、全てが高水準でまとまった作品でした。

アクダマドライブ どこか「梅津康臣節」を感じる良い意味でアニメーション向けの作画が目を引き、OP・ED共にスタッフに名前が無い事を意外に思いながら視聴を始めた。

画作り、世界観、映像、その他様々な試み、どれもが面白く、ちょっとした癖もあるが総じてレベルが高い。

この作品、登場人物には名前が無く、各キャラの社会的立場が、そのまま役名となっている試みは最近だと「ゴブリンスレイヤー」等で見られる手法で、特殊な感じがした。
見始めると、各キャラが立っている上に、記号化されたネーミングなのでキャラを覚える事が容易であり、これが作品視聴をする上では大きなプラスに働いている。

物語としては、大きく分けて2部構成になっていて、
アクダマと呼ばれるハイスペックな技能を有する犯罪者の即席チームが、報酬か死の二択しかない大仕事を請け負う前半戦と、
毛色がガラリと変わり、世界の秘密を知ったキャラクター達が、各々の立ち位置を大きく変える後半戦と言う形と言える。

前半は、犯罪ドリームチームによる特殊なシチュエーションでの「オーシャンズ11」とでも言うノリで、特殊なIFの関西を舞台にした世界観も手伝って、グイグイと引き込んでくれる。
後半は、手に入れた宝の争奪戦に見せかけて、ゾンビものや、ゲームの「サイレン」とかに近いノリの、敵だらけの環境でサバイバルをして、どうにか安全地帯を目指す物語にシフトしていく。

この、物語構造のシフトが面白く、登場人物達の立ち位置の変化には、目を見張る物があった。

状況が変わる事で、正義と悪が揺らぎ、各登場人物が与えられていた社会的立場と言う役割通りの行動を本格的に取り始めるとも言え、各キャラクターの選んだ結末には一種の美学とカタルシス、あるいは報いが存在する。

最初に受けた印象では、期待したいがどうなるか分からないし、あまり主人公が好きじゃないと思ったが、見終わるころには主人公を含めた何人かのキャラを応援して、満足感を感じながら見終わる事が出来た。

万人受けでも、王道でも無いが、しっかりとした見所がある面白い作品だった。
  原作付きアニメトップ5  
映像研には手を出すな!

圧倒的、原作力の高さを、アニメで更にレベルアップさせると言う、ある意味で「鬼滅の刃」的な、理想的アニメ化に恵まれた作品だった。

それぞれの思惑を抱えたアニメを作りたい3人の女子高生を中心に、近未来で繰り広げられる部活ライフは、見ていて本当に気持ちよく、面白く、万人にすすめられる。

ドロヘドロ

独自の世界観で、映像化が難しいと思われていた漫画作品の、まさかのハイクオリティでのアニメ化。

これも、理想的アニメ化と言って良い出来で、画面の情報量がとにかく多く、漫画だと目が疲れる様な場面もアニメ化に伴って整理され、非常に見やすい作品となった。

呪術廻戦

ジャンプ作品枠で、現在も放映中の作品。

「呪い」をモチーフとしたダークな世界観、容赦なく死ぬ登場人物と、昨今のジャンプヒット作の傾向通りにダーク要素が強い。

金言や名台詞も多く、メンターがシッカリとメンターをしている点でも、好感度が高い。

アクション描写のレベルの高さに目が行きがちだが、下支えするキャラクターの所作や、漫画から微妙に再構築する事で整理された表現等によって、全体のレベルが上がっているのも◎。

推しが武道館いってくれたら死ぬ

完全にノーマークだった作品。

地下アイドルオタクと地下アイドルの理想的な関係を提示する様な、コメディ作品。

アイドルに興味は無いが、だからこそ先入観なく見られ、そんな人でも楽しめる、非常にレベルが高いギャグ作品だと感じた。

すれ違いやポンコツも面白いが、くまささんのツッコミや、健気さ、報われる流れなんかは、不覚にもウルっと来るときがあった。

くまささんは、あのビジュアルながら、かなり好きなキャラ。

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

なろう枠の傑作。

原作は、何となく知っていた。

だが、ここまで面白いとは思っていなかった。

悪役令嬢もの。

主人公の勘違いで周囲を幸せにしていくテンプレの流れが心地良く、主人公のキャラ付けが好感度が高いのでイヤミが無く、この世界として自然な流れと行け入れられる展開に、安心して感情移入して見ていられる。

なろうとか関係なく、面白い作品は面白い。

二期も楽しみ。

  アニメオリジナルワースト5  
22/7

バーチャルアイドルのアニメ化、なのかな?

主人公のキャラ、動機付け、ストーリーライン、微妙なレベルの声優、等々、とにかく悪い所が目立つ作品だった。

ストーリー自体は、オチさえしっかり料理出来れば、もう少し評価できたのだが、肝心のオチが酷かった。

部分部分を見れば悪くない筈なのに、マイナス要素の多さで突き抜けた感じ。

アルゴナビス from BanG Dream!

男性版バンドリ、と言う事で怖い物見たさと、バンドリもストーリーはヤバい時があるし、どうなるかと見たが、案の定。

悪い方向で予想が当たった作品。

単純に面白く無い。

number24

中身女子の美少年達が仲良くしている作品。

スポーツものなのだが、主人公がマネージャー的なポジションで、最初は面白いのかもと思ったが、作品としての見どころが合わなかった。

なつなぐ!

短編アニメで、中途半端な地域コラボアニメと言った印象。

割と最初は期待して見ていたのだが、小さくっまとまってしまった。

LISTENERS リスナーズ

どこかで見た作品の焼き直し、から抜け出せなかった印象。

キャラ、ロボット、世界観、どれもそこまで魅力的に描けていなかった。

  原作付きアニメワースト5  
社長、バトルの時間です!

アプリゲームを原作としたアニメ、だと思うがアプリは未プレイ。

開始前から香ばしかったが、全体的に酷い出来だった。

はてな☆イリュージョン

小説原作で、キャラデザが矢吹先生と言う事を売りにしていたアニメなのに作画崩壊で、かなりキツイ出来だった。

まえせつ!

作品の見方を誤って見たらしく、終始、面白く無いコントに白ける苦行が始まった。

芸人をゲスト声優に迎えているらしいが、声が浮いていて、違和感で傷口にハバネロを塗りたくる様な状態に感じてしまった。

下手にコラボとかしないで、堅実に人間ドラマにフォーカスするか、芸としてシッカリネタを作り込んで笑わせるか、どうにかして欲しかった。

インフィニット・デンドログラム

原作は知らないが、前評判の高さから期待していたら、散々な出来と酷評されていた作品。

同時期にやっていた「防振り」に似ている設定なのも、余計に足を引っ張っていた印象。

池袋ウエストゲートパーク

作りは悪くない。

なのに、小さくまとまり過ぎていたり、格好つけすぎていたり、絶望的に面白く無かった。

昔やったドラマを、まんまアニメ化で良かったのでは?

 

終わりに……と、総合1位

それでは、栄えある1位の発表です。

個人的総合トップ1位は

……

…………

………………

「映像研には手を出すな!」です。

2020年の顔と言っても良いぐらい、非常に面白い作品でした。

続いて、ワースト1位は、はい、「社長、バトルの時間です!」です。

ソシャゲ原作アニメの犠牲者、それ以上の感想が、中々出て来ない残念作品でした。

「神撃のバハムート」とか、2020年では「プリコネ」とか「ヴァールハイト」とか、面白い作品もある事はあるのですが、どうもソシャゲはアニメ化の失敗率が高い印象がありますね。

補足として、全く見ていない作品や、評価できる所まで視聴していないと判断した作品は除外しています。

また、長いシリーズの途中シーズンの作品は、ランキングをファーストシーズン作に譲らせた形です。

オリジナルトップ候補では

  • ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN
  • ガンダムビルドダイバーズRe:RISE 2nd Season

原作付きトップ候補では

  • 攻殻機動隊 SAC_2045
  • Re:ゼロから始める異世界生活
  • ゴールデンカムイ
  • ハイキュー!! TO THE TOP
  • ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかlll

等が、途中シリーズの括りで、ありました。

これらを含めると、ランキングが面白く無くなると判断しての忖度で外しましたが、それは同時に、これらの作品はどれも高いレベルで面白い作品と言う事です。

ちなみに、他に上位の候補に入っていて、惜しくもランキングに入らなかった(トップ10なら入ってた)作品では

  • 虚構推理
  • アルテ
  • かくしごと
  • 球詠
  • プリンセスコネクト!Re:Dive
  • 波よ聞いてくれ
  • ランウェイで笑って

あたりが、かなりの接戦でした。

と言う事で、今回も個人の主観と偏見でランク付けをしました。

一意見として、ゆるく眺めて、参考にして頂ければ幸いです。

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