ミステリーの必須要素から考えるストーリーテリング

簡単ミステリー構築術

今回は、構造ジャンルによる物語の描き方を語っていきたい!

作品の構造ジャンルが決まっていると、物語は一気に描きやすくなる。

例えば、ミステリーや恋愛ものと決まっているなら、物語の中で何を描くべきかは決まったも同然だ。

それは、同時に物語を考える上で、必須要素がある程度決まると言う事でもある。

そこで、今回はミステリーを描く場合のコツを少し話そうと思う。

ミステリー要素がある作品のすべてに当てはまる事だ。

当たり前を先に埋める

ミステリーを考える場合、絶対に必要な要素がある。

それは、探偵だ。

当たり前に思えるかもしれないけど、ここを押えない訳にはいかない。

まず、謎だけど、探偵が解き明かす謎が無いと、そもそもミステリーにならない。
謎があっても探偵がいないと、物語がミステリーにならない。

謎と探偵が、最も基本的な必須要素だ。

これを少し掘り下げて考えてみよう。

まず謎だけど、謎と言っても、ただ何かの正解や真相が分からない事があれば良いと言う訳じゃない。
この謎には、作法がある。

例えば「1+1=」は、なに?

簡単すぎる計算だけど、答えが分からない人にとっては、正解は謎だ。

正解は、普通に考えれば当然「2」だ。

でも、これではミステリーの謎としては不十分だ。

ミステリーの謎とは、必ず、正解を知る前と知った後で、見ている世界が別の見え方をする必要がある。

見ていた物の意味が変わる必要がある。

同じ「1+1=」と言う問題でも、状況がクイズで正解が田んぼの「田」なら、これは謎としての要件を、最初の問題よりも満たす。

つまり、見ていた問題が正解を知ると、別の意味に見えるからだ。

次に、探偵だ。

探偵は、別に職業で探偵である必要は無い。

探偵とは、物語の中で提示される謎に対して、解き明かさなければならない立場の人であれば、一般人で構わない。

ただし、謎が解けるだけの理論的な思考や、知識がある事が基本的に求められることになる。

だから、探偵は、頭が良かったり、世界を見る視点が一般人とは少し違ったり、そういうキャラクターが多い。

これで、謎と探偵の条件が分かった。

次は、面白くする為の必須要素だ。

物語は面白くした方が、絶対的に良い。
面白く無いのは、エンターテインメント作品では罪だ。

じゃあ、どうすればミステリーは面白くなるか?

これには、葛藤や対立を謎に絡めるのが定石となる。

これは、言ってしまえば謎を用意する登場人物を設定して、その人からすると謎を解いてほしくない状況を設定するのが良い方法だ。

つまり、謎を作り出す犯人を設定するのが近道となる。

その犯人には、謎を作り出す事件を起こす動機があって、自分が犯人だとバレたくないとか、真実を隠したい、理由があれば、それで物語には葛藤が生まれる。

つまり、絶対に秘密を暴きたい主人公と、絶対に秘密を隠したい犯人との、対決と言うのが分かりやすい。

「犯人」と「動機」と「起こす事件」。

ここまで整って初めてトリックが輝きだす。

もちろん、トリックから考え始めても良いけど、犯人と動機と起こす事件にマッチしていないと、よく分からない事にもなるので、そこはバランスが必要な所だ。

「世界の見え方が変わる謎」と「探偵」。

「犯人」と「動機」と「起こす事件」。

そして「謎で真実を隠すトリック」まで考えついた。

そしたら、次は必須の流れをいくつか考えてみよう。

必須の流れ

まずは、探偵と謎の出会う切欠の出来事だ。
依頼されるのか、偶然事件に出くわしてしまうのか、色々なパターンがあるけど、謎に探偵が出会わないと話が始まらない。

次は、事件の捜査を考えよう。

いつまでに謎を解かないといけないと言うタイムリミットも欲しい。

そうすれば焦りながら謎解きを出来る。

例えば、連続殺人事件なら、次の被害者は出したくないし、どこかに時限爆弾を隠されているなら、急いで見つけなければ大変な事になる。

捜査は、時間を気にしながら、探偵や仲間が、事実と仮説(推測)を混ぜながら手がかかりを探して行く事になる。

遺留品、証拠、指紋、タイヤ痕、防犯カメラ、聞き込み、目撃証言、様々な情報の中から事実だけを抜きだして、謎を穴埋めをするようにして真実を手繰り寄せる

犯人がいる事件なら、どうして犯人が犯行に及んだかの仮説を立てたり、犯人の候補から話を聞いて質問し、嘘をつかせて追い詰める

犯人は、良い探偵からの質問には、必ず嘘をついてしまう。

殺したかを聞かれれば殺してないと言うし、どこにいたかを聞かれれば、怪しくない場所を言うしかなくなり、嘘の裏付けを取る事でアリバイを崩す事になる

それで、明かされるのが犯人の動機だ。
ミステリーでは、これがかなり大事な要素になる。

犯人の動機には、納得感が必要で、ここを疎かにするとミステリーとしての魅力は半減する。

犯人に同情の余地を残すなら、犯人を本当の被害者にして復讐とするか、大事な人の為に手を汚した事にするのが基本だ。
反対に、犯人を気持ちよく倒したいなら、逆恨みだったり、欲望の為に犯行に至ったと言う事にすると、逮捕したり倒した時にスッキリする。

まとめ


これらの要素を、イメージを膨らませながら考え、並べると、ミステリーの骨組みが見えてくる筈だ。

反対に、必須要素が欠けていると、ミステリーとして単純にパワーが弱まる事になるので、抜け漏れが無いかのチェックにも使える項目でもある。

と言う感じで、今回はミステリーの必須要素を軽く語ってみた。

犯人の動機とか思惑の設計が適当だと、トリックが良くてもオチで拍子抜けする事になるので、主人公のキャラクターと同じぐらい気合を入れて作ると良い感じになる。

今回はこんな感じで。

じゃあ、また!

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