簡単バディ・恋愛モノ構築術
今回は、ミステリーに続いて、バディや恋愛モノの構造ジャンルによる物語の描き方を語っていきたい!
作品の構造ジャンルが決まっていると、物語は一気に描きやすくなる。
バディや恋愛の要素がある作品のすべてに当てはまる事だ。
当たり前を先に埋める
バディや恋愛モノとは、絆をテーマとした物語と言える。
絆が関わる物なら、何でも当てはまる。
バディと恋愛は、完全に別物だと考える人もいるが、実際は同じ構造カテゴリの中にあって、更に細かく分けた物に過ぎない。
絆を描く物語を考える場合、絶対に必要な要素がある。
それは、絆を描く為に必要なのは、当然「相棒」だ。
バディも恋人も、絆で結ばれた相棒
また、すごく当たり前に思えるかもしれないけど、やはり、ここを押えない訳にはいかない。
相棒不在では、相棒との絆を描く事が出来ない。
だけど、相棒がいても、それで絆を描けるわけでは必ずしもない。
そこで、少し掘り下げて考えてみよう。
この、相棒だけど、ただ一緒にいても相棒として機能するとは限らない。
相棒には、条件がある。
相棒の条件
例えば、主人公の立場上、相棒がいるとする。
主人公が刑事で、相棒がいるとか、主人公に恋人がいるとか、そういう場合だ。
当然、それでも描けるが、それだけで描けるとは限らない。
ポイントとなるのは、相棒が、物語を通して解決を目指す主人公の抱える問題を解決する術を持っていると言う事だ。
つまり、主人公に問題を解決する術を与えられない相棒は、一見相棒だとしても、それは、劇中の立場上の相棒であって、物語上の相棒とは言えない。
物語上の相棒は、立場上は相棒で無いとしても、主人公の問題を解決する術を与える事が出来て、それが主人公には絶対に必要となる。
それは、絆を描く物語では、必ず主人公は目的を達成する為には、相棒の力に頼らなければならないからだ。
これは逆に、主人公には、相棒がいないと解決できない問題を抱える必要があるとも言える。
これが大前提だ。
例えば、バディを描く場合は、主人公と相棒は共通の目標や目的を持って、互いに支え合いながら問題解決に挑む事になる。
主人公は、相棒がいて、ようやく問題を解決する為のスタートラインに立つ事が出来る。
共通の目標や目的に向かって協力する事で、主人公と相棒は、共に得をする事になる。
同時に、共通の目標や目的には、二人の前に立ち塞がる苦難があって、その大きな壁を乗り越えるには、お互いが欠けずに乗り越える必要が出てくる。
この壁が、一人では絶対に超える事が出来ない。
なので、二人は、どんなに最初いがみ合っていても、結局は自分の為に仕方がなく協力する事になる。
その方が、自分が得をするからだ。
同時に、一人だけが得をする状態には出来ない事も忘れてはならないし、相棒が一人で壁を乗り越える力を持っていてもダメだ。
二人が協力して初めて得をする状態だからこそ、二人は協力関係を維持できる。
協力する事で、二人の間には、やがて絆が生まれていく事になる。
相棒は、自分が出来ない事を代わりにやってくれて、それで自分が得をする状態なのだ。
それだけでも、十分に情や愛着がわく切欠となる。
恋愛の条件
これが恋愛を描く場合は、主人公に欠けている物が、恋人と言う相棒の存在その物となる。
つまり、相棒を手に入れなければ、主人公は幸せになれない状態と言う事だ。
外に目的があるのではなく、相棒その物が目的となると言える。
同時に、相棒も、主人公を手に入れなければ幸せになれない状態でないと、恋愛を描くのが難しくなる。
主人公と相棒が、二人とも最終的にお互いを求めあわなければ、恋愛は成立しない。
仮に、主人公が一方的に彼氏や彼女を求めても、それが相手の幸せに繋がらない場合は、それは絆を描く恋愛ものではなく、恋愛に見せかけた別の何かとなる。
相棒とは、一緒にいる事で、互いに得をする状態でなければ、いけないと言うわけだ。
ここまでで、バディでも恋愛でも、それ以外の相棒との絆を描く物語でも、主人公の問題を解決する術を持った相棒が必要と言う事は分かった。
同時に、相棒がいないと問題を解決するには力不足の主人公で無ければいけない事も分かった筈だ。
次に必要なのは、そんな主人公と相棒の二人が共に行動する為の、共通の目的だ。
主人公と相棒が、共通した何を求めて行動するか?
事件の解決を目指すのが、スタンダードなバディものだ。
相思相愛を目指すのが、スタンダードな恋愛ものである。
つまり、相棒が必要な、目標や目的、それに伴う行動のデザインで、ここのジャンルはバディや恋愛へと変化する。
この、一緒に行動する共通の目標や目的が無いと、二人の絆を育むのは難しくなる。
共通の目標や目的とは、共通の抱えた問題や課題であり、それを解決する事こそが物語の目指すゴールであると共に、主人公と相棒の絆を育てる為の、二人を離れられない様にする鎖や、運命の赤い糸でもある。
物語の最初、二人は問題を抱えている。
それを解決しようと、二人は協力して行動する。
支え合って行動する中で、二人はお互い、一緒にいると得をする相手の事が、徐々に好きになっていく。
この得とは、問題を解決する術を与えてくれるからだけでは、足りない。
最初は自分の為に始まった協力関係でも、途中から相手を理解して、相手の為に行動する事が重要となる。
この相手の為に行動する所まで、主人公と相棒の二人が変化する事で、真の相棒関係となる。
相手の為に、自発的に行動する事が出来ない内は、共通の目標や目的を目指している利用し合う関係に過ぎない。
必ず、利用し合う関係ではなく、支え合う関係にシフトする必要がある。
ここまで来ると、ようやく絆を描く事が出来る。
そして、主人公と相棒が、お互い支え合う相棒関係になり、それを行動で示す事で、物語は大きな感動やカタルシスを生み出す。
まとめ
これらの要素を、イメージを膨らませながら考え、並べると、バディの必須要素が予め見えてくる筈だ。
反対に、必須要素が欠けていると、バディものとして単純にパワーが弱まる事になるので、抜け漏れが無いかのチェックにも使える項目でもある。
と言う感じで、今回はバディの必須要素を軽く語ってみた。
今回はこんな感じで。
じゃあ、また!
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