世界を繋ぐ存在
「世界を橋渡しするキャラ」が主人公や相棒と言う認識は、かなり重要だ。
もし仮に、世界のはざまにいる葛藤に苛まれる、中間の存在が不在なのであれば、そうなる要素を必死に探した方が良い。
探してもいないなら、作った方が賢明だろう。
それほどまでに、橋渡しを担う「中間の存在」は重要だ。
置かれた立場が中間の存在だからこそ、主人公や、その相棒は「行って帰ってくる」と言う、二つの世界を行き来する事が出来る。
中間の存在と言う事は、どちらの世界の視点から見ても、異物であり、特別と言う事に他ならない。
実例
早速、見て行こう。
例を見ればパターンが見えてくる。
有名な作品だけだが、何かしらの気付きがある筈だ。
先に断っておくけど、複数にまたがる作品もある。
一般人→超人
普通の人が特別な存在になって、使命を果たす物語。
主人公が敵と味方の中間パターン
スーパーマン(1938)
「地球育ち」の「クリプトン人」。
敵として度々クリプトン人が登場する。
鉄腕アトム(1952)
主人公が、天馬博士の息子「天馬飛雄」をモデルにした「ロボット」。
敵でロボットが登場する。
サイボーグ009(1964)
主人公達が「人」と「ブラック・ゴースト団のサイボーグ戦士」の中間の存在。
仮面ライダー(1971)
主人公が「人」と「ショッカー怪人」の中間の存在。
DEVILMAN(1972)
主人公が「人」と「悪魔」の中間の存在。
3×3EYES(1988)
主人公が「人」から、不死の存在「无」に変えられてしまう。
敵として、別の无が登場する。
ドラゴンボールZ(1989)
ベジータを始め、サイヤ人が度々敵で登場する。
青の祓魔師(2009)
主人公が「人」と「悪魔」の中間の存在。
東京喰種トーキョーグール(2012)
主人公が「人」と「喰種」の中間の存在。
呪術廻戦(2018)
主人公が「人」と「呪霊」の中間の存在。
チェンソーマン(2019)
主人公が「人」と「悪魔」の中間の存在。
主人公が敵の敵と中間パターン
ウルトラマン(1967)
主人公が「人」と「ウルトラマン」の中間の存在。
ウルトラマンは怪獣の敵。
ベルセルク(1989)
主人公が「邪神」の「生贄の呪い」をかけられた存在。
生贄と邪神は、当然敵対している。
主人公は呪いに反応して近づいてくる邪神の使徒達を倒していく。
主人公の戦闘力は、実戦で手に入れたもので、完全に本人の努力の賜物。
僕のヒーローアカデミア(2014)
主人公が「一般人」と「ヒーロー」の中間の存在。
ヒーローはヴィランの敵。
主人公の相棒が敵と味方の中間パターン
ヒックとドラゴン(2010)
主人公の相棒となる「ドラゴン」が、主人公を乗せないと飛べないと言う人とドラゴンの中間の存在となる。
鬼滅の刃(2016)
主人公の妹が「人」と「鬼」の中間の存在。
主人公の戦闘力は、実戦と修行で手に入れたもので、完全に本人の努力の賜物。
主人公の相棒が敵の敵と中間パターン
Fate/stay night(2004)
主人公の相棒が「人」と「サーヴァント」の中間の存在。
一般人の主人公が超人と中間のパターン
ヒーローモノの何割かがこれ。
フラッシュ(1956)
主人公は「普通の人間」だったが、雷に打たれ無数の薬品を浴びたことをきっかけに超高速で走る能力を持った「超人」になる。
スパイダーマン(1962)
主人公は「普通の人間」だったが、特殊な蜘蛛に噛まれて「超人」になる。
アイアンマン(1963)
主人公は「普通の人間」だが「パワードスーツ」を着て戦う。
パワードスーツをゼロから開発しているので、素の本人の実力と言っても良いキャラ。
武装錬金(2004)
主人公が「普通の人間」だったが、事件に巻き込まれて死んだ所を生き返らせられ「武装錬金」と言う力を手に入れる。
それが原因で、別の中間の存在となり、後に追われる身となってしまう。
凄い主人公が一般人と中間のパターン
とある魔術の禁書目録(2004)
主人公が対象の能力を無効化出来るので能力者には強いが、基本は一般人と変わらない設定。
一般人→専門
普通の人が、新しい事を始めて門外漢として成長していく物語。
新しい事を始めるパターン
部活やお仕事モノの定番。
スラムダンク(1991)
「不良」が女の子に良い所を見せたくて「バスケットボール」を始める。
宇宙兄弟(2008)
主人公が「サラリーマン」から「宇宙飛行士」を目指す。
ハイキュー!!(2012)
「素人」だった主人公がテレビを見て憧れて「バレーボール」を始める。
ボールルームへようこそ(2012)
「素人」だった主人公が、出会ってしまった「ダンス」に目覚めていく。
普通の場所←超人
普通の人が住む所に、ずば抜けた才能を持つ人がやってきて活躍する物語。
凄い主人公がやってくるパターン
キャプテン翼(1981)
ボールは友達な主人公が転校生。
るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―
主人公が旅をする元暗殺者。
テニスの王子様(2000)
超絶スキルを持つテニスプレイヤーの主人公が転校生。
D.Gray-man(2004)
主人公が旅をするエクソシスト。
凄い相棒がやってくるパターン
ああっ女神さまっ(1988)
「大学生」の主人公の所にやって来たヒロインが「女神」。
To LOVEる -とらぶる-(2006)
「高校生」の主人公の所にやって来たヒロインが「異星人でお姫様」。
乙嫁語り(2009)
「遊牧民」が「定住民」の家に嫁ぐ。
ヒロインが弓の名手で族長の娘。
本来交わらない世界
本来は交わらない世界に行く切欠を得て、門外漢として活躍していくタイプの物語。
本来交わらない世界に誘われるパターン
指輪物語(1954)
「村」で平和に暮らしていた主人公が、呪いの指輪を破壊する旅に選ばれてしまう。
ドラゴンボール(1985)
平和に「山」で暮らしていた主人公が「世界」を巡る宝を探しの旅に誘われる。
本来交わらない世界に忍び込むパターン
ロミオとジュリエット(1595)
仲の悪い「モンタギュー家」と「キャピュレット家」の二人による恋。
花ざかりの君たちへ(1996)
「少女」が「男子校」に男装して通う。
エマ(2002)
「貴族」と「メイド」の身分違いの恋。
桜蘭高校ホスト部(2003)
「貧乏」だが「金持ち学校」に奨学金で通い、「少女」なのに男装して「ホスト部」に在籍する。
本来交わらない世界に迷い込むパターン
ナルニア国物語(1950)
「イギリス」にある衣装ダンスが、異世界の「ナルニア」に繋がっていた。
本来交わらない世界に閉じ込められるパターン
ソードアート・オンライン(2002)
「ゲームで遊ぶ」の筈が「ゲームの一部」にされ、クリアを強いられる。
主人公が数少ない「β版プレイヤー」と言うのも、最初からゲーム側に身を置いている設定で強さの根拠にもなっている。
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(2014)
主人公が「現代日本」から「ゲームの世界」に転生してしまう。
※この記事は、追記・編集していく予定です。