ファンタジー設定を、主人公と密接にするコツ
昨日の記事の続き。
具体的に、新規性をどうやって付与すれば魅力的になるか。
その世界観にある新規性を決める
新規性が無い事には、世界観は焼き直しになってしまう。
ファンタジー作品なら、必ずファンタジーの設定に新規性を持たせる必要がある。
まずは、境界型かキャラクター型、どちらかを決め、もう片方の設定も決めよう。
例:キャラクター型から始める世界観設定
例えば、「Re:ゼロから始める異世界生活」の特徴にキャラクターの設定に「主人公の死の戻り能力」がある。
タイムリープ物のお約束設定だが、この作品では、死に戻り能力の根拠、つまり、設定の橋渡しに「魔女の呪い」がある。
「魔女の呪い」の設定は、作品世界観全体に対しての境界型設定である「魔女×宗教」が存在する世界に繋がっていて、それは普遍的モチーフに新規性を掛け合わせた物だ。
魔女と言うありがちなファンタジー設定に対して、宗教と言う新規性を掛け合わしているのだ。
キリスト教的に魔女は、基本的に宗教とは対極の存在なので、この掛け合わせは新しい物を生み出しているのが分かると思う。
巫女、シャーマン、ドルイドではなく、7つの大罪を冠した魔女を崇める宗教がある世界と言う所が、圧倒的な新規性と言うわけだ。
これから分かるのは、普遍的なファンタジー設定に対して、新規性を掛け合わせる事で、新しいファンタジー設定としていると言う事だ。
なぜ、これが境界型の設定かと言うと、主人公が活動する環境の全てに影響を与える、環境を構築する為の基本設定だからだ。
たったこれだけで、境界型とキャラクター型の設定は、リンク出来る。
これは、作品を面白くする入り口に過ぎないが、ここを足掛かりに設定を広げ、深める事で、独自の世界観が出来上がっていく。
設定を全体と個で橋渡しして、密接にリンクしよう。
終わりに
境界型から、外堀を埋めて設定を考え始めた方が楽な場合と、キャラクター型から、主人公が触れる世界観の新規性の末端から考え始めた方が楽な場合、どちらが作ろうとしている作品にマッチしているかはケースバイケースだ。
だが、どちらかから試して、必ず世界観の新規性とキャラクターが関わる事柄をリンクさせる事を意識すれば、それ以前が出来ていなかったのであれば、作品の面白さがアップするだろう。
世界観の新規性の、間接的な事柄、あるいは副産物に関わる事を意識しよう。
「魔女教の副産物が、魔女の呪いの死に戻り」だったり「鬼の副産物が、鬼殺しを生業とする戦闘集団」だったり、色々あるだろう。
念押しで一応、前回から箇条書きでまとめると、
- 普遍性の空間軸(地図)
- 普遍性の時間軸(時計)
- 新規性の境界型世界観設定要素:普遍的特殊性要素(魔法とかオーバーテクノロジーとか)×新規性要素(掛け合わせる新しい要素)
- 新規性のキャラクター型世界観設定要素:上記要素の間接的事柄や副産物(特殊能力とか)
が、魅力的な世界観を考えるのを助ける今回のセット内容だ。
一見、複雑に見えるかもしれないが、その時はかっこの中を好きな作品でイメージすれば、なんとなく分かると思う。
自分の好きな作品でイメージを掴む訓練を積んで、自分の作品に活かせるようにするのも良い勉強になるだろう。
あくまでも一手法だが、有用なのでおススメしたい。