【基本テクニック】もっと『モチーフの歴史』を利用しろって話

モチーフの歴史が生み出す効果

作品を作る際、モチーフとする「表現のテーマ選び」は、非常に重要になる。

何を「何で表現したいか」と言うのは、創作者には大事な事だ。

同じ構造の物語でも、例えば相棒が「ドラゴン」か「暗殺者」かで、イメージは大きく変わる。

ヨーロッパ風か、オリエンタル風かでも、ファンタジーの見た目はガラリと変わる。

だが、変わる「見た目」以外に、ベースとしたモチーフによって、そこに内包する歴史を利用するか無視するかで、作品の深みは大きく変わる。

全てのモチーフには、歴史がある。

モチーフの歴史は、利用しないと勿体ない事を、今回は説明する。

モチーフの歴史で作品の魅力をアップ

共通認識は、大勢での共有が既に出来ている物で、それだけで大きなコンテンツパワーがある。

百聞は一見に如かず。

例を見てみよう。

  • フェイトステイナイト、ドリフターズ:世界の伝説、神話、偉人の歴史
  • 艦これ、アズレン:戦艦等の艦船の歴史
  • 刀剣乱舞:刀剣の歴史
  • ウマ娘:競走馬の歴史
  • ストライクウィッチーズ:戦闘機パイロットの歴史
  • ガールズ&パンツァー:戦車の歴史
  • ヘタリア:国の歴史

等々、例は幾らでも出せる。

これらは、モチーフ由来の歴史や経歴を、世界観やキャラクターに適応する事で設定に力を持たせる事に成功している。

歴史とは「過去への共通認識」だ。

モチーフへの過去への共通認識とは「一定の事実」を含んでいる事で、作品に寓話(例え話)と言う側面を与える。

この「一定の事実」を含んでいる事で、作品への理解は、ベースモチーフの理解に繋がる。

その効果は、実は、計り知れない。

ベースモチーフ業界との関係の期待

これは、ご当地モノ(聖地巡礼)や、スポーツ等をモチーフにする時にもある事だ。

ベースとしたモチーフの業界は、モチーフ作品が友好的な場合、それを歓迎する傾向にある。

モチーフに興味を持ってもらう入り口として作品が機能すれば、WinWinの関係を築けることも多い。

モチーフイメージを損なったり、汚染する場合は、上手く行かない事もある。

反対に、モチーフに気を使いすぎると、作品の表現が制限されて上手く行かない事もある。

モチーフ業界とモチーフ使用作品がピッタリマッチした時に、この効果は最大となる。

業界の歓迎は、作品からすると「布教」「バックアップ」「協力」「コラボ」等と、非常に多い。

一粒で二度美味しい

作品単体で楽しめる場合、モチーフの史実を調べる事で、作品は2度楽しめるようになる。

何が変わっていて、何を残しているかを見る事で、自然とモチーフへの理解は深まるし、歴史にも詳しくなる。

歴史の理解を促す事で、ちょっとした「うんちく」や「小ネタ」を作品内に入れ込めるし、それはベースとなるモチーフの事が好きな人達からすると、ニヤリとできる要素となる。

難点としては、モチーフへの理解が浅かったらモチーフファンに叩かれ、解釈違いだと思う人が現れる危険性も孕んでいる。

これは「フィクションだから」で逃げる道が、100%フィクションの作品ほど、綺麗に使えない事を意味している。

モチーフを愛するファンからすると、モチーフの歴史に触れた以上は100%のフィクションには、成り得ないと感じるからだ。

だが、そこに気を付けて扱えれば作品として受ける恩恵は、かなり大きい。

設定追加が容易

この手法の良い所は、ベースとなるモチーフを横に広げていけば設定の追加が、かなり容易と言う事だ。

ゼロから設定を作るより、触れられていないモチーフに触れる事が歓迎される。

これは、裏を返せばベースモチーフの種類が限られていると言う事でもある。

膨大な種類がある物を選ばないと、途中でコンテンツの追加が難しくなる。

モチーフの歴史を使わない場合

歴史に触れず、ただモチーフとして使う場合は、歴史の持つ深みを作品内で利用する事が出来ない。

つまり、設定をその分だけオリジナルで作り込まないと、作品世界が薄っぺらくなってしまう。

じゃあ、設定を作り込めばいいと思うだろうが、歴史のように「共通認識」でない新規情報は、これから憶えて貰う必要がある。

それが、大半の作品で当たり前なのだが、それはそれでストレスがある事だけは意識しないといけない。

それは、読者・視聴者にとって、全ての情報を一から勉強する必要が、作品を楽しむ為にあると言う事だ。

これは、実は、結構大変な事だったりする。

読者・視聴者は、作品を楽しみたいが、勉強は、別にしたくないと言う人が多い。

だから、作品のモチーフは、ある程度知っている物を好んで楽しむ。

モチーフを理解しているだけ、勉強する必要が無いからだ。

例えば、「なろう系」と呼ばれる作品が、いくつかのパターンで作られ、ほぼ焼き直しの様な作品が好まれる傾向があるのは、この「モチーフを理解している事で、勉強せずに楽しめる」と言う側面がある。

これは、なろう系に限った事ではなく「特定のジャンルを好む」と言う、全ての人が持つ「人間の性質」の話だ。

モチーフの歴史を使うと、少なくとも全てを勉強する必要が無くなり、読者・視聴者のストレスは減る。

モチーフの持つイメージも、歴史と同じ様に使えるが、それはまた別の機会に。

人は、まず好きになってから、自ら歴史を学ぶ

モチーフの歴史を利用すると、モチーフの歴史を知っている人からすれば勉強せずに楽しめる部分が増えて、ハードル低く楽しめる作品に出来る。

だが、閉ざされたモチーフ業界内でのみ消費されていては、作品にもモチーフ業界にも明るい未来は見えない。

あくまでも大事なのは、作品を好きになって貰うのが先と言う事だ。

作品を好きになって貰って、もっと知りたいから歴史を学ぶと言う導線がある事で、この系統の作品は本領を発揮する。

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