昔話を分析・解説
今回のテーマは「ありとはと」と「ねずみの恩がえし」。
ありとはと
引用:Wikipedia
著者:イソップ(アイソーポス)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%81%A8
切欠の時
水を飲みに池に来たアリが溺れてしまった。
試練の時
ハトが木の葉をちぎって池に投げてやると、アリは葉によじ登って助かった。
危機の時
その後、ハトが狩人に狙われる。
契機の時
アリはその狩人の足に噛みついた。
解決の時
狩人の矢は狙いを外れ、ハトは助かった。
ねずみの恩がえし
引用:Wikipedia
著者:イソップ(アイソーポス)
切欠の時、悩みの時、決意の時
ライオンに捕まった鼠が、命乞いをして見逃してもらう。
試練の時
鼠は恩返しを約束したが、ライオンは鼠を侮って恩返しのことを忘れてしまう。
危機の時、絶望の時、契機の時、解決の時
後日、ライオンが網にかかったときに鼠が現れ、網を噛み破いてライオンを助ける。
解説
上記内容は、Wikipediaのあらすじからの引用なので、絵本や小説だともう少しだけボリュームがある。
どちらの話も、助けた相手が後で恩返しに現れる、恩に報いるタイプの物語で、現在の物語の中にも多くみられる基本的な型がある事が分かる。
切欠の時に出会った困っている相手を予め自分に得が無くても助けておく事で、後に危機的状況に追い込まれ絶望した時に、助けた恩が返ってきて結果的に自分が救われると言う物だ。
因果応報は、感覚的に「そうあるべき」と人が感じる性質で、これは恩では無く、反対に罪に対する罰でも型が成立する。
つまり、先に悪い事をしておけば、忘れた頃に負債を取り立てる様に悪い事が起きて、然るべきなのだ。
敵を描写する際、身から出た錆によって最後の最後に自滅とか、それまでの幸運が嘘の様な不運に見舞われるのは、そう言う事だ。
現代の物語だと、恩返しに現れるポジションのキャラは、仲間になったり、忠実な部下になったりする事で物語が続く事になるのが王道だろう。