何でもシンプルにしちゃおう
まず最初に、あらゆる物は何かの集合体と言える。
極端な話が何でも分解していけば、分子、原子、素粒子、ヒモと言った所まで分解できると言う事だ。
そこまで分解すると、構成物が多すぎたり、把握しきれない要素が出てくるのでおススメ出来ないが、程よい分解は、難しく見えていた要素をシンプルにしてくれる。
次に、分解以外にも要素をシンプルにする方法があって、それはデフォルメと呼ばれる。
今回は、そんな要素をシンプルにする「分解」と「デフォルメ」について解説する。
難しいと感じたら、とりあえずシンプルにするのは、とても役に立つ考え方だ。
分解すると、簡単になる
難しいと感じる物や要素は、一旦、分解を試みるのが良い。
例えば、あなたが絵を描けないとする。
出来ない、難しいと感じる事なら、何でも良い。
分解すると、どうなるだろうか?
絵なら、画材を用意する、描く物を観察する、手に画材を持って線を引く、描く物の形を線で取る、色を塗る、影を塗る、等々を行う事で、イラストが描けるかもしれない。
- 絵を描く→難しい
と言う感想も、
- 画材を用意する→用意した
- 描く物を観察する→観察した
- 手に画材を持って線を引く→線が上手に引けない
- 描く物の形を線で取る→形が上手に取れない
- 色を塗る→綺麗に濡れない
- 影を塗る →影のつけ方が分からない
と言う風に、要素を分解する事で、分解前には見えていなかった具体的な「出来ない」が少し見えた筈だ。
分解した物を、更に分解する
今度は、問題がありそうな要素を、更に分解して考えてみよう。
すると、
- 手に画材を持って線を引く→線が上手に引けない
と言う分析が、
- 画材を使いこなしている→慣れていない
- ストロークが出来る→曲がってしまう
- 丁寧に描けている→手癖で描いている
- 入り抜きが出来ている→良く分からない
- 線の使い分けが出来ている→良く分からない
と言う風に、より具体的な課題が見えてくる。
人によっては、課題が山積みで嫌になってしまうかもしれない。
だが、これは、無暗に練習して改善する事を期待するよりも、一個ずつ、何なら、更に要素を分解する事で各個解決していった方が、遥かに簡単となる。
これが分解の効能だ。
難しいと感じる要素を分解して、一個ずつ攻略すれば、大抵の事は時間をかければ問題解決出来る。
スポーツや料理、色々な物の上達にも使えるし、ストーリーを作る事にも、ストーリー中の人物が問題解決行動を取る時にも使う事が出来る。
困ったら、とりあえず構成物でもプロセスでも、何らかの分解を試みてみよう。
デフォルメすると、簡単になる
分解とは別で、特徴の誇張や省略を行う事で、要素をシンプルにして単純化する手法をデフォルメと言う。
必要な要素が分かっていれば、それ以外は何でもデフォルメする事が出来るし、デフォルメを挟む事で重要な要素を中心にして考える事も出来る。
例えば、絵はデフォルメした大まかな形を最初に取る事で、あたりをつけ、下書きやガイドラインを利用して描く事が出来る。
写実的な表現じゃ無いなら、必要の無い要素はデフォルメで簡略化する事で、描く必要さえなくなる事もある。
例えば、漫画では「鼻」の表現で、鼻の穴を省略するのは、馴染みがある筈だ。
他にも、アニメ映画監督の細田守監督作品では、キャラクターの影を描かない手法が取られる事がある。
また、デフォルメと言えばSDガンダムがある。
スーパーデフォルメを施したガンダムのシリーズは、頭身が低くなり、様々な要素が簡略化されたガンダムが活躍する人気シリーズだ。
ただ、デフォルメが使えるのは、要素を削って良い物にだけだ。
例えば、写実的な絵を描きたいと考えているのに、写実表現を削る事は出来ない。
料理で簡単レシピで満足出来る場面では歓迎されるが、伝統料理や手の込んだ工程が売りのコース料理では、当然だが使う事が出来ない。
終わりに
今回は「分解」と「デフォルメ」を使えば、大抵のものが簡単になると言う話でした。
使い分けが肝心ですが、これまでの人生で意識した事が無い人は、色々な物が急に簡単に出来る様になる、かもしれません。
何かしらのお役に立てば幸いです。