【レビュー】ヒーローズ・フィースト – D&D公式レシピガイド -【書評】

ファンタジー料理の真面目なレシピ本

今回紹介するのは、海外だと2020年10月27日に発売され、ベストセラーとなった書籍の日本語翻訳版となる。

「DUNGEONS&DRAGONS」の人気や知名度の差から、日本では海外程の大ベストセラーは、恐らく望めないだろう。

だが、本書は「DUNGEONS&DRAGONS」好きのみならず、全ての西洋ファンタジーと言うジャンルが好きな人に刺さる、最高に作り込まれた料理のレシピ本となっている。

ヒーローズ・フィースト – D&D公式レシピガイド –

カイル・ニューマン (著), ジョン・ピーターソン (著), マイケル・ウィットワー (著), 加藤 諒 (編集), 山田 優花 (編集), D&D翻訳チーム (翻訳), 柳田 真坂樹 (翻訳), 桂 令夫 (翻訳), 塚田 与志也 (翻訳), 楯野 恒雪 (翻訳), 滝野原 南生 (翻訳)

<内容>

『DUNGEONS&DRAGONS ART & ARCANA』を作ったD&Dの専門家たちが、ファンタジー愛好家へ贈る、D&D世界ならではのユニークな料理や伝統をまとめたレシピガイド。

80皿におよぶ料理はすべてプロの料理人が監修し、我々の住む世界で手に入る食材で作れる、簡単で美味しいレシピが満載だ。君もエルフやドラウが作る繊細な料理や、ドワーフやオークたちも満足するボリューム満点の料理を食べることができる。食欲がそそられる美しい写真と共に、料理に役立つ豆知識なども多数紹介している。

この『ヒーローズ・フィースト』は、エルフのパンや保存食、ハンドパイ、オークのベーコンなどの軽食メニューをはじめ、アンファイル風牛の煮込みや、ホムレット村の七面鳥の黄金色ロースト、ドラウ風きのこステーキ、ゲンコツマスのソテーなどバラエティに富んだ主菜まで幅広く記されている。これらのメインに、名高きオティックのピリ辛ポテトを添えれば完璧だ。さらには、ハートランズ風ローズアップルとブラックベリーのパイや、トロル祭のりんご飴、エヴァーミード、ポーション・オブ・レストレーション、グッドベリー・スムージーといった、デザートやカクテルも取り揃えており、どんな冒険にも応えられるレシピガイドとなっている。

  • 出版社 : ボーンデジタル
  • 発売日 : 2021/6/28
  • 言語 : 日本語
  • 大型本 : 240ページ
  • ISBN-10 : 4862465064
  • ISBN-13 : 978-4862465061
  • 商品寸法 : 22.33 x 2.62 x 24.87 cm

ファンタジー(D&D)ガチ勢へ贈る本

この本は、

  • ヒューマン料理(19種)
  • エルフ料理(13種)
  • ドワーフ料理(12種)
  • ハーフリング(小人)料理(11種+1)
  • 一般的でない種族(ドラゴンボーン、ノーム、ティーフリング、ハーフオーク)の料理(11種)
  • エリクサー&エール(13種)

という内訳で80レシピ。

かなり独特な料理カテゴリーで掲載を試みている。

https://www.borndigital.co.jp/wp-content/uploads/2021/05/01HerosFEAST_Low-31.png

更に、料理それぞれがD&D世界の店で出てくる事をイメージしていて、その店も酒場、居酒屋、宿屋、食堂、レストラン、と多彩だ。

  • 大口亭:宿屋兼酒場兼食堂
  • 憩いの我が家亭:宿屋兼酒場
  • セレスチャル・ヴィスタ・レストラン:高級レストラン
  • 緑竜館:酒場

と店自体の設定も、その店が存在している多元宇宙世界やキャンペーンの設定

  • フォーゴトン・レルム
  • グレイホーク
  • エベロン
  • クリン

と言う区分も存在する為、どこまでも奥深く、まるで実在する様なリアリティを備えている。

https://www.borndigital.co.jp/wp-content/uploads/2021/05/06HerosFEAST_Low-9.png

使用する材料も、一部に「コッカトリス」や「オーク、ハーフリング」等と言った手に入らない食材(食材?)を使う前提の物の場合は、全て代用品の用意の仕方が記載されている徹底ぶりだ。

なので、本自体の完成度は、とんでもなく高い事になっているので、それを見ているだけでも楽しめるだろう。

【good】ちゃんと、索引がある

索引では食材による

  • 牛肉
  • 鶏肉
  • 豚肉
  • 羊肉
  • 合い挽き肉
  • 野菜
  • 卵・乳製品
  • 主食
  • シチュー・スープ
  • スイーツ
  • ドリンク

と言う分類一覧と、店、世界での分類までされている。

痒い所に手が届くとは、この事だろう。

本のコンセプトを崩す事無く、利便性を補っている心遣いは、本当に良い仕事をしている。

【good】実用的

下手にD&Dだからと言って、重さの単位がコイン(45グラム)とか、調理時間がラウンド(10秒)やターン(10分)の表記にしなかったのは、常識的であり大正解。

インチやポンド表記じゃないのも、日本人に優しい。

大さじ、小さじ、カップ、ミリリットル、グラム、枚、個と分かる表記なので、材料と道具さえ揃えれば、ちゃんと料理を作る事が出来る。

恐らく、ここをコンセプトに寄せてD&Dに染めていたら、レシピとしては非常に使いにくい物になっていた筈だ。

【Hmm】すべてに写真があるわけでは無い

写真が無い料理が幾つかある。

独特な料理のネーミングも手伝って、料理の外観が分からない事で戸惑うレシピが人によって、あるかも知れない。

【good】ネーミングは世界観準拠で良い

写真が無いのはマイナスだが、独特なネーミングは本書的にはプラス。

https://www.borndigital.co.jp/wp-content/uploads/2021/05/01HerosFEAST_Low-7.png

料理の写真が無い物はあるが、本全体で見ると美麗なアートや写真がギッチリと詰め込まれているので、字ばかりと言う印象は受けないのも良い。

見ているだけで楽しい本と言える。

本としての評価は?

ファンタジー世界の料理レシピ本と言う、珍しくも特殊な書籍だ。

更に、モチーフとした作品に、ここまで入り込んだ書籍は、もっと珍しい。

故に、独自性は非常に高く、評価も高い。

使用画像の多さや情報密度、それ等のクオリティの全てが高水準で、間違いなく良書と言える。

なので定価4400円、本体4000円は、モチーフ作品が好きであれば十分適正価格と言える。

仮に、料理を作る気が無くとも、ファンタジーが好きなら一度中身に目を通して欲しいだけの、圧倒的なD&D愛が詰まった本である。

ただ、やはりレシピ本なので、良い感じに料理をいくつか作ってテーブルをファンタジー飯で染めたりした方が楽しいのは間違いない。

ファンタジーな写真を撮りたいとか、コスプレの小道具、あるいは本書の推奨しているD&D仲間で料理を囲む様な使い方をすると良いだろう。

本書発行元リンク:株式会社ボーンデジタル

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