「かわいそうはかわいい」の作り方

可哀想なのは、可愛い?

「かわいそうはかわいい」と言う属性、あるいは性癖がある。

可哀想な目に遭っているキャラクターを見て、可愛いと言う魅力を感じる物だ。

酷い話に聞こえるかもしれないが、今回この事について作り方を解説していく。

可哀想になる対象の条件

「かわいそうはかわいい」を描くには、可哀想な目に遭う人物の設定が必要具可決である。

どんな人物でも可哀想にすれば可愛くなるのかと言うと、そんな事は無いのは想像するだけで分かる筈だ。

可愛いに繋がる可哀想な人物には、条件がある。

その条件とは、第一に「被害者」である事だ。

ちょっと例を見てみよう。

好きな人やキャラクターで想像して見て欲しい。

  • 大事にとっておいたプリンを勝手に食べられてしまった。

と言う可哀想な状態で、表情を歪めていたとする。

その時、

  • 不運:偶然、その人の物と知らない人が、悪意無く食べてしまった
  • 失敗:共用の冷蔵庫で、名前を書くルールを知らずに食べられてしまった
  • 悪意:単に意地悪をされた

等の、本人に大きな落ち度が無い状態で、被害に遭う場合は、素直に同情出来るだろう。

しかし、

  • 因果応報:以前、他の人のプリンを食べた仕返しに食べられた

と言う場合、「おいおい」となり、面白くなるかもしれないが、そこに可愛いに繋がる感情の動線は薄くなる。

つまり「加害者」は、可哀想でも可愛くないのだ。

これは、登場の見た目や性格よりも重要な要素となる。

超美少女でも加害者だと可哀想では無いし、小汚いオジサンでも被害者なら可哀想と言う事だ。

もちろん、モチーフとしては可愛い見た目の方が有利である。

外見も内面も可愛い方が、より可愛くなるのは間違いない。

なので、本人にはどうしようもない事によって、可哀想な状況、環境、境遇に置かれる人やキャラクターは、この条件と初めからマッチしている孤児や人に管理される動物は、モチーフとしてもマッチしている上に、人気も高い。

ドラマでは「家なき子」「おしん」、アニメでは「母を訪ねて三千里」、映画や小説では「忠犬ハチ公」「名犬ラッシー」「可哀想な象」、漫画では「シャーリー」や「ガンスリンガーガール」等々、可哀想なキャラクターが主人公の名作は沢山あり、どれも主人公に共通のパターンがあるのも、何となく分かる筈だ。

可哀想になる対象の、反応の条件

可哀想な状態に陥った。

次に必要なのは、反応だ。

不幸と言う入力があり、不幸に対する反応と言う出力が不可欠となる。

可哀想な状態での反応の正解は、「明確な処理が不能な状態」に陥る事だ。

この辺の過去記事が、詳しく掘り下げているので参考になるかもしれない。

また例を見てみよう。

楽しみにしていたプリンを食べられてしまった反応だ。

例えば、

  • 食べた犯人を探そうとする
  • 食べた人を許す
  • 食べた人に請求する

こう言った反応をして、行動に移すのは「処理可能状態」と言える。

その行動によって、問題が綺麗に片付いてしまうと、可哀想では無くなってしまう。

つまり、可愛いに繋げるには、不適切な反応だ。

では、「 処理不能状態」とは、どんな物か。

例えば、

  • 食べた人を探す発想に至らず、困惑し立ち尽くす
  • 食べた人を許すと言っているが、明らかにガッカリしている
  • 食べた人に替えの物を要求する物の、満足していない

等の、不幸によって可哀想な状態になって受けた過度のストレスを、適切な場所に逃せないで抱え込む状態が良い。

そうやって抱え込んだストレスは、どうにかして処理していかなければならない。

感情によるストレス発散は可愛くない

ストレスを、可哀想な状態から脱する為に解消出来ないと言う事は、一度受けたストレスの逃げ場は無いと言う事だ。

すると、ストレス値は高まり、その人の持つストレス耐性のキャパシティをオーバーすると、感情が爆発する事になる。

感情が表出する事によって、人は自然とストレスを下げようと発散しつつ、周囲に助けを求めるのだ。

その際、発散する感情は様々だが、その中でも代表的なのは「悲観」や「絶望」等によって涙を流す様な形のものになる。

可哀想な目に遭って、どうしようもない状態になった人が、泣いていたら万人が可哀想だと感じるだろう。

だが、それだけでは可愛いには届かない。

感情の爆発を伴う発露は、助けを求めてアピールをしている状態だ。

だが、言動による可愛さとは「求める姿勢」では、描けない。

いつかは感情が爆発しても良いが、それは最後の最後に限界が来てからである。

「かわいそうはかわいい」を体現するには、限界までは耐える必要がある。

可哀想になる対象の、姿勢の条件

ストレスを抱え込んだまま「自力でどうにかしようと考え、行動する」事で、条件は更に整っていく。

つまり、その状態になった非は無いし、どうしようもないなりに、自分の手でどうにかしようと必死に足掻くのだ。

この、自分で出来る事をやろうとすると言う姿勢は、かなり重要となる。

ここで、誰かに甘えて願望を叶えたり問題を解決しても、可愛くなるかもしれないが、可哀想では無くなってしまう。

可哀想になる対象の、立ち向かう問題の難易度

可哀想な状態に陥ったが、その抱える問題の大きさで、得られる効果は大きく違ってくる。

「自分でどうにかしよう」と言う意識でも、時間をかければクリア出来る問題に対して、必死に立ち向かう場合は、健気で可愛らしく映る筈だ。

ようやく「かわいそうはかわいい」に辿り着く。

この、立ち向かう問題が小さく、それに立ち向かうだけの力が足りない様な場合、ドンドン可愛くなる

例えば、もう一度プリンを手に入れ、今度こそ食べる為に、家の手伝いでも始めたら?

きっと、可愛いと感じる筈だ。

求める物が、共感出来る、ささやかな小さな幸せであるほど、その可愛さは増していく。

だが、「自分でどうにかしよう」なんて、到底解決が無理な問題に立ち向かう場合は、可愛いではなく一転して悲惨となる。

抱える問題が大きすぎると、可愛いは一定のラインで過ぎ去って、どうしようもない状況だけが残るからだ。

なので「かわいそうはかわいい」の要素を持つ作品で、「どうしようもない」と言う事が徐々に濃厚になってくる物は、やがて可愛いとは言っていられなくなる事もある。

ただ、重度の「かわいそうはかわいい」愛好者の中には、この問題難易度が高くても、悲惨であっても「かわいそうはかわいい」と言う人も一定数存在する。

自己犠牲や献身の精神が加わると?

更に、他者への貢献や愛が加われば、鬼に金棒だ。

もし、頑張ってもう一度手に入れようとしているプリンに込めた想いが、あなたと一緒に食べたくてだったら?

そんな人やキャラは、もはや愛さざるを得ないだろう。

「かわいそう」で「かわいい」上に「愛」を周囲に向ける精神性を持ったキャラクターは、ある意味で最強と言える。

共感出来る視点キャラによる救済の快感

「かわいそうはかわいい」キャラクターが登場する場合、そのキャラクターが主人公でも面白いが、そのキャラクターを救う立場のキャラクターを主人公にした方が、カタルシスを得られる場合もある。

要するに、「かわいそうはかわいい」と言う状態の、自分で不運な状況をどうにかしようと足掻くキャラクターを救う、救い手として主人公を描いた方が、その可愛いキャラクターとの間に絆を感じる事が出来るのだ。

「かわいそうはかわいい」キャラクターを完全救済するカタルシスは、中毒になるには十分の刺激がある。

余談:これも、ある意味

ナインティナインの岡村隆史さんが2020年4月ぐらいにラジオ番組で

  • 「コロナが収束したら絶対おもしろいことある」
  • 「美人さんがお嬢(風俗嬢)やります」
  • 「3カ月の間、集中的にかわいい子がそういうところでパッと働きます」
  • 「その3カ月をぼくは信じて今頑張っています」

と言う旨の発言をして、問題となり、大炎上し、謝罪をするまでの事態となった事があった。

この発言自体、決して褒められた物では無い。

だが、恐らく、この発言の内容、言いたい事に一定の理解を示した人自体は、結構いただろう。

そう。

この状況で生まれる風俗嬢は、「かわいそうはかわいい」の条件に当てはまるのだ。

  • 不運:新型コロナの影響で仕事が無くなる
  • 外見:美人
  • 処理不能状態:誰も責められないし、どうしようもない
  • 姿勢:どうにか自分の力で乗り越えようと行動する
  • 難度:不本意かも知れないが死ぬわけでは無い
  • 愛:家族の為に犠牲となる
  • 救済:客として指名する事で収入に繋がる

と、この様に、被災者をキャラクターとして見れば、見えない事も無いわけである。

キャラクター属性としてフィクションで好む分には問題無いが、現在進行形の災害で実際に生まれる可能性がある実在の人を待望した事に問題があった事例である。

フィクションでは、テンプレなキャラクター属性だ。

終わりに

「かわいそうはかわいい」の解説でした。

等で紹介したキャラクター属性と重複する部分もあり、実は、かなり人気な属性と言えます。

現実には増えて欲しく無いですが、フィクションで登場すれば大抵は非常に好感が持てるキャラクターなので、この記事が良い「かわいそうはかわいい」キャラを作るのに役立てば嬉しい限りです。

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