【レビュー】デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則 改訂版 -色、光、構図、解剖学、遠近法、奥行き-【書評】

超優秀なアートの原則と適用方法の解説集

旧版の書籍は2013年9月3日に出て、日本語版が2014年3月27日に出ていた。

その後、改訂版の原書が2020年5月12日に出て、これは2021年1月31日に出た日本語版である。

「デジタルアーティストが知っておくべき」とタイトルで書いているが、別にデジタルアーティストに限った物では無い。

紹介されているアートの原則は、非デジタルアーティストであっても知っていれば役立つ物ばかりだからだ。

そんなアートの原則を「色、光、構図、解剖学、遠近法、奥行き」に絞って、ほぼ網羅的に徹底解説しているのが、本書の特徴だ。

原則の把握とは、コツを掴む具体的な”取っ掛かり”を見つける見当が付くのに役立つと言う事である。

この本は、あなたのアーティストとしての上達を阻む”壁”を超えたり、破るのに、きっと役立つ筈だ。

デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則 改訂版 -色、光、構図、解剖学、遠近法、奥行き-

3DTotal.com (著), 高木 了 (編集), 株式会社スタジオリズ (翻訳)

<内容>

より厚く、より濃くなって、あの「アートの原則」が帰ってきた!

『デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則 改訂版』は、駆け出しのアーティストが素晴らしい作品を生み出すために必要な基本的な概念、慣例、理論 を満載した書籍です。業界の専門家によって執筆された本書は、色と光、構図、遠近法や奥行き、解剖学など、重要かつ基本的なことを取り上げます。

初心者に最適な入門書であるだけでなく、経験豊富なアーティストには、理論をブラッシュアップし、新たなトリック、ヒント、テクニックを発見して、作品をさらに発展させるチャンスを提供します。

本書は、クリエイティブな経歴を持つ専門家によって執筆され、図解されています。アートの重要な要素をわかりやすく紹介するだけでなく、特別に選ばれたアートワークを題材に、アートの原則の適用方法を詳しく説明します。

著者について

Gilles Beloeil
シニア コンセプトアーティスト | ユービーアイソフト
(『アサシン クリード』 シリーズの7作ほか)

Roberto F. Castro
映画のコンセプトアーティスト
(『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ほか)

Sean Layh
ビジュアルアーティスト

Andrei Riabovitchev
映画やVFXのコンセプトアーティスト
(『X-メン』シリーズ、『ハリーポッター』シリーズほか)

Dave Santillanes
受賞歴のある風景画家

Matt Smith
Watts Atelier of the Arts の講師

3dtotal.com は、別名「CGアーティストのホームページ」とも呼ばれ、インターネット最大のオンラインデジタルアートコミュニティの1つです。1999年の開設以来、CG業界の発展に寄与してきました。CG関連のニュース、チュートリアル、ギャラリー、レポート、リソースは日々更新され、月間150万以上の訪問者を集めています。

  • 出版社 : ボーンデジタル; 改訂版
  • 発売日 : 2021/1/31
  • 言語 : 日本語
  • 大型本 : 280ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4862464920
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4862464927
  • 商品寸法 ‏ : ‎ 27.9 x 21.5 x 1.5 cm

改訂版は何がパワーアップしたのか?

ページ数的には、旧版より8ページしか増えていない。

では、旧版を持っているなら大した価値が無いのかと言うと、その判断はちょっと待って欲しい。

旧版では、

  • Chapter 1 色と光(6~)
  • Chapter 2 構図(34~)
  • Chapter 3 遠近法と奥行き(64~)
  • Chapter 4 解剖学(90~)
  • Chapter 5 リファレンスギャラリー(166~)
  • Chapter 6 アートギャラリー(214~)
  • 索引(268~)

と言う章構成だったのに対して改訂版では、

  • 光と影(6~)
  • 色(50~)
  • 構図(88~)
  • 遠近法と奥行き(130~)
  • 解剖学(172~)
  • 用語集(274~)
  • アーティスト(276~)

と本全体の構成を大きく変えつつ、解説文から解説図に至るまで「こんなに手をかけてるの⁉」と言うぐらい、細部にわたるまでブラッシュアップしている。

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つまり、ページ数的には8ページの増量だが、全体としてみると『ほぼ全てが更に磨きがかかり、パワーアップと言うには十分な大改訂が行われている』のだ。

実際に比較すると分かるが、共通している説明の絵こそ存在するものの、読んだ印象はかなりの別物に仕上がっている。

もちろん、章構成が大きく変わっても、肝心の説明するテーマに大きな差が無いので、共通する部分こそある。

だが、それでも旧版に比べると、改訂版の情報濃度や、ちょっとした説明の分かりやすさのアップは、本書への異様なこだわりと熱量を感じさせるには十分だ。

人によっては旧版を既に持っているなら、”無理に買う”必要は無いかもしれない。

だが、改訂版に”買い替えるだけの価値”は、十分にあると言えるだろう。

より良い物を持っていて、損は無い。

【good】豊富な絵、図を用いた原則の詳細な解説と、原則の適応例を使用ツールと共に解説

本書の本懐だが、この本を読む時に期待する情報が、本当に丁寧に掲載されている事に尽きる。

人によっては難しく感じるかもしれないが、そもそも本書は、あまり初心者向けの本では無い。

好きで、あるいは仕事で絵を描いたりしている人が、理論・言語化された原則を学んでレベルアップする為の本だ。

そういう人が、例えば「光と影の表現」で悩んでいたら、本書には専門的な原則やルールが間違いなく載っているので、それらを適応して描けば同じように光と影を表現して、今までよりも上手く描く切欠を得やすいだろう。

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【good】全体的なデザインの見直し

旧版との比較になるが、旧版は所々簡素な教科書的な印象を受けたが、改訂版では全体の視覚的デザインから見直されて、ちょっとだけリッチになった。

本の機能的なプラスにも繋がっているので、そこも良い。

ページの背景がホワイトだと原則説明、カラーだと原則適用例と言う感じで、ページを開いた瞬間にどちらのページかが分かる作りになっている。

【Hmm】消えた索引

構成を大幅に見直す事で、テーマ毎に以前よりもまとまりを持った。

だからと言って、索引が消失しても良いとは限らない。

目次が簡素なので、詳細な索引は本書でもあってくれた方が個人的には助かったのが正直な感想だ。

本としての評価は?

本書は定価4000円、税込み4400円である。

一冊の本の価格として見ると、高いと感じる人もいるかもしれないが、この系列のハウツー本の価格としては一般的と言える範囲だし、何よりも圧倒的なクオリティを鑑みれば、適正価格と十分言えるだろう。

私は、こう言った本が、結構好きなので複数持っている。

だが、この本で初めて知った原則やコツ、ポイントがいくつもあり、とても勉強になった。

他の本で学んで物に出来なかった人でも、もしかしたら理解に至ったり、腑に落ちる為のヒントが本書には載っているかもしれない。

あと、旧版が記事執筆時はプレミア価格で割高になっているので、そういう意味でも旧版を買えなかった人には、定価で買える改訂版は大きな価値がある。

パワーアップした内容なのに中古の旧版よりも安く買えるのだから、以前より本書を欲しいと思っていたのなら間違いなく買い時だ。

事前の内容確認は必須だが、少なくともアーティストがこの本を買って大損をする事は無いと断言出来る。

本書の購入を検討する参考になれば、嬉しい限りだ。

本書発行元リンク:株式会社ボーンデジタル

旧版

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続 デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則 -感情、ムード、ストーリーテリング-

解説する原則のテーマが違う続編。

おススメだけど、こっちもその内、改訂版が出るのかな?

その他の『3DTotal.com』書籍

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