「狂う」と言う概念を説明しよう

「狂う」を分解する試み

時に、人は狂う。

誰しも、狂う可能性がある。

自分だけは正気でいられると考える人もいるが、それは間違いだ。

全員が”狂う可能性”を持っている。

あなたが正気だと自分の事を思っているなら、それは運良く狂わないでいるか、狂っている事に気付いていないだけだ。

今回は「狂う」と言う事について解説する。

網羅的な記事では無いが、主要な物には、おおよそで触れているので十分役立つと思う。

狂ったキャラクターを作る時にでも、役立てて欲しい。

「狂う」とは、どういう状態?

狂うとは簡単に言えば「正常な考え方ができなくなる事」である。

なので人は、狂うと言動がおかしくなる。

1:間違った事を信じる

間違いを信じ、判断基準として行動する行為は、間違いに気付いている人から見ると狂って見える。

これは、間違いが含まれた情報を信じ、それに沿った行動をするだけで適応される。

例えば「自分は、冗談ではなく本物の神だ」と言う人が目の前に現れたら、大抵の人は詐欺師か狂人だと思うだろう。

「自分は女だから無条件に大事にされるべき」とか「自分は男だから女より偉い」と本気で考えている人がいれば、ヤバイのは分かると思う。

また、狂信的と言った状態は、このパターンになるだろう。

当人は信じているが、周囲の人からすると異常な物に傾倒して見える。

周囲に異常性を指摘されて、なお信じ続ければ狂気に拍車をかける。

2:無意識に間違った判断をする

正気を失っていると言う状態は、判断が狂う事で起きる。

伝説や、様々な作品に登場する「狂戦士、ベルセルク、バーサーカー」は、敵味方の判断能力が無い代わりに、驚異的な戦闘力を発揮するのが常だ。

催眠術、精神操作、洗脳等で操られる事で味方を攻撃したり、とんでもない行動をしてしまうのもお約束だ。

3:意識があるのに行動を制御できない

万引き、痴漢、盗撮、等の犯罪が「癖」の様になって、やめたくてもやめられない人が世の中には存在する。

スリル、快感、何が報酬となっているかは人それぞれだが、一種の依存状態だろう。

ギャンブル浮気等も、依存症になると当人だけでは制御不能となる事が多い。

そうなると、他人から見れば狂っている様にしか見えない事も多い。

4:嘘で装い振る舞う

SNSやブログで、現実と乖離した理想の自分を本気で演じるのは、他人には理解されないだろう。

いわゆる、中二病も、この狂い方に入る。

本当はもっと自分は凄いと信じたり、願って、見た目や振る舞いだけでもそうあろうとするのも、度を越せば狂気を孕む。

5:好きな物に極端に執着する

特定の物や人に対して、異常な執着をするのは、狂っていると言える。

好きな人、物、概念の熱心なファンは、この狂い方をしている。

特定の物の収集をする「コレクター」の中では、自身のコレクションの為に狂った行動を取る人も少なくない。

ちなみに「ストーカー」の狂い方は、これが多い。

愛と狂気は紙一重なのだ。

6:安易に楽を求めての自死を選択する

で情緒が不安定になったり、人生の中で重要なウェイトを占めていた物を失って自殺を考えたり。

正常な判断力があれば選ばない選択肢として、自死を選ぶ人が世の中には溢れているが、その中には思考が狂った状態で、普段なら選ばない選択肢を選んでしまう人もいるだろう。

病気や怪我、老衰の結果に安楽死を選ぶ等の事情と比べても、人によっては「こんな理由で死んじゃうの?」と言う理由で、判断力を失った人は簡単に死を選ぶ事がある。

アイドルの死で、後追い自殺をするファンが昔はいたらしいが、宗教観と喪失感のどちらで後追いを選んだのかは当人しか知る由もない。

7:客観性のない理由で他人を攻撃する

攻撃とは、本来は客観的にも主観的にも理解出来る動機があって、正しい相手に対して行われるべき物だ。

嫌いだから、倒したいから、大事な物を守る為、いくらでも正しい理由で攻撃できる。

一方で、正常でない思考の結果、何かを攻撃をする場合、動機や攻撃対象がおかしな事になる。

例えば、ロジックが破綻した状態の活動家、テロリスト、無差別の通り魔、等は正常でない思考の結果に攻撃する事がある。

大きなことをして自身が影響力を持つ為や、誰でも良かった様な理由で、無関係の誰かを攻撃を行う等は、まさに狂気だろう。

8:誤った判断から移動を試みる

移動には目的地や目的そのものが必要となるが、正常でない思考の結果移動するととんでもない事になる。

例えば、思考や記憶が正常な状態でない病気にかかったり、その様な状態となった痴呆などの老人は徘徊してしまう事がある。

すると、迷子になったり、時間や空間、体力等を考慮せずに、最悪の場合存在しない場所を目指して移動してしまう。

9:現実世界に存在しない物が見えたり、聞こえたりする

意図を持って嘘で言っている分には、狂気的には問題無い。

怖いのは、嘘ではなく本当にそう感じている場合だ。

脳や肉体のセンサー類に何らかの異常があり、その様な状態となる事が分かっている。

例えば、人為的に感覚を狂わせる事が出来る薬物を使う事で、トランス、トリップ、幻覚、幻聴、実に様々な効果が実際に起きる。

バッドトリップしたり、虫が身体中を這い回る幻覚を見たり、サイケデリックな世界に迷い込んだり。

統合失調症も、このパターンが多い。

10:異常な集中力を発揮する

一つの事に周囲の環境の影響を受けないレベルでの集中は、狂っていると表現される事がある。

例えば、仕事に集中していると話しかけても気付かないとか、周囲の音が聞こえなくなった様な挙動を取る人の事だ。

これは、他の狂気と違い「物凄い集中力」と持てはやされ、一種の才能と見る事も出来る。

超長時間一つの作業を黙々とこなしたりも、出来ない人から見れば狂っていると十分見えるだろう。

11:思考に連続性が無くなるが自覚出来ない

記憶障害、ボケ、理由は様々だが思考から連続性が極端に無くなると、他人からは狂って見える。

老人が孫を息子と勘違いしたり、幼児退行したり、状態的には脳が狂っていると言って良い。

連続性が無くなっても、連続性が無いと理解出来れば、そこに狂気は無い。

記憶喪失、物忘れ、自覚のある状態での痴呆やアルツハイマー等の症状であれば、狂ってはいない。

連続性が失われた事にさえ気付けないからこそ、そこに狂いが見える。

多重人格も、このパターン。

12:他人が納得出来ない事にこだわってしまう

整理整頓は気持ちいいが、行き過ぎると他人からは狂気が見え隠れする。

自分ルールにこだわるのも、理解できない人からすると狂って見える。

また、潔癖症も、そこまで衛生面を気にする必要が無い状況での、自分の肌を痛めても洗ったり消毒する事を止められない異常性は、狂気的と言えるだろう。

実利や明快な理由が無い、本人の独特な精神を満たす為だけの脅迫的な行動は、他人には納得し辛い。

13:異常な方法で感情を処理する

物に当たる、人に当たる、自傷行為をする、等々。

人は、処理不能の感情が発生すると、どうにか処理したくなる。

その際、他の人から見ると異常に見える処理方法を実行すると、狂気を感じる事になる。

例えば、リストカットを死にたいとかでなく気持ちがスッキリするからやる人がいたり、髪や皮膚をむしる事でストレス発散になる人もいる。

だが、それを理解出来ていない人が説明なく状況を見ると、血まみれでスッキリしている人がいるだけなので恐ろしい事この上ない。

ストレス発散の為に、ネット上で正義や相手の間違いを振りかざして他人を攻撃する人もいるが、迷惑もかかるし逮捕される危険もあるので別の発散方法を探した方が良いのは言うまでもない。

14:本当に危険な事に挑む

スタント危険なチャレンジ、見ている分には面白く刺激的だが、よくよく考えてみれば命がけの行動は狂気的でもある。

人は刺激を求めるが、命を本当に賭けてまで刺激を求めるなら、刺激中毒で狂っている可能性もある。

職業とか一攫千金を狙っての方が理解しやすいが、ちょっと狂っているぐらいの方が見ている方も刺激的だ。

バンジージャンプ嫌いの人からすると、バンジージャンプが好きな人は狂って見える事だろう。

15:普通は理解出来そうな事が分からない

前提となる思考をするには、前提の情報や経験が必要となる。

それが常識的な物の場合、ある事が正常と判断される時がある。

すると、その情報が抜け落ちた人生を歩んできた人は、それを理解している事を前提の会話をする場合、正常な思考状態だとしても、理解に至れない。

AがBにプレゼントを貰ったとしよう。

Aが「どうしてBは誕生日でも無いのにプレゼントくれたんだろ?」とあなたに聞いたとする。

あなたは「きっと、BはAの事が好きなんだよ」と言ったとしよう。

Aが「なるほどね。ところで、Bが私を好きってどういう事?」と聞いてきたら「BがAと仲良くしたいって事でしょ」と伝えたとする。

その答えが「なんで?」だったら「え?」と思うだろう。

普通は好意を向けられて「嬉しい」か「迷惑」等の判断に至るだけの情報が場にありそうなのに、Aには、まだ何かが疑問のままなのだ。

16:理解した上で禁忌に触れる

文化的に考えると、タブーを侵す人は狂っていると判断される。

思考回路が正常で、行為自体が論理的に考えて正しくても、文化が持つタブー観、つまり歴史的背景や道徳・倫理観を超越した行為をするのは狂人と見られてしまうと言う事だ。

魅力的な悪役は、このパターンが多い。

あと、禁忌は時代や文化によって変わって来る事も、重要な要素だ。

例えば、同性愛は一昔前まで一定の文化では禁忌であり、逮捕やロボトミー手術による治療が実際に行われていたが、現在では広く認められている。

禁忌は時代や文化によって変わって来る。

17:極端に思慮が浅く、問題解決行動が雑で乱暴

欲しいから盗った。

嫌いだから殺した。

行動の影響を受ける事になる、行動後の事、関わった周囲の事、等を考えないで行動する人は狂人と言える。

18:極端に自分勝手

思慮深くても、行動が雑でも乱暴でも無くても、極端に自己中心的な行動は狂気を感じさせる。

サイコパスやソシオパス等で、極端な状態をイメージすると分かりやすい。

生物は基本的に群を作ったり、単体では生きられない習性を持っている。

その為、群や仲間に対して貢献したり、愛情を持つ事が大多数の状態だと言える。

一方で、極端に自分勝手な性質を持っていると、群や仲間を自分の為に利用する事になる。

その行動が群や仲間の為になる場合は、優秀なリーダーになる事も十分ある。

だが、その行動結果が当人の為にしかならない場合、それは「悪」と判断される事になる。

19:環境のルールを無視する

郷に入っては郷に従え。

環境が課したルールに沿う事が、あらゆる物の自然な状態である。

文明が滅亡して社会が無くなった世界に生き延びた時、変わらず学校や会社に通い続けている人がいたら、狂気を感じられるだろう。

「狂人の世界で正気であるということは、それ自体が狂気なのだ」とは、ジャン=ジャック・ルソーの言葉だが、環境のルールが変わったらルールに従わないと狂人扱いされるのは世界の真理だ。

20:極端な世界に自ら踏み込む

チェス、将棋、囲碁、あるいはスポーツ、プロゲーマー、何でも良い。

四六時中、その事ばかりを考える人生を一定期間、あるいは一生過ごし、ひたすら高みを目指す事を選択すると言う事は、それを自分でやろうと思わない人からすると狂気的である。

21:特殊過ぎる性癖、趣味がバレる

それが良い事か悪い事かでは、もはや無い。

危険か安全かも関係無い。

あまりにも一般層が理解に苦しむ様な、性癖や趣味は、時に狂気を感じる事がある。

人体改造、対物性愛、動物性愛、等は他人に迷惑をかけなくても、本質的な部分で理解されない事の方が多い。

死姦、近親相姦、ペドフィリア、ロリコン、ショタコン等を性癖とする場合、実際に行為を行わずとも欲求を持っているだけで危険人物と周囲に認識される事は想像に難くない。

タブーに行動で直接触れなくとも、脳内の妄想や、創作物としてのフィクションの中なら実害が無くとも、それが「ある」と表出するだけで、十分危険と言えるだろう。

人によっては、そういう性質を他人が持っていると分かるだけで、犯罪者予備軍に見える事がある。

終わりに

「狂う」事を分解し、説明して見た。

この記事を読んで、既に気付き、感じた人もいるかもしれないが、狂う事は、危うさもあるが、それ以上に魅力的な要素でもある。

恋も愛も、その中には要素として狂気が含まれている。

少し狂った部分があるぐらいの方が、キャラクターは魅力的となる。

狂う事のイメージが悪い人もいるかもしれないが、それは悪い狂い方がイメージで先行しているだけであり、狂う事自体は悪い事ではない。

狂うとは、普通ではない事であり、言ってしまえば個性の別の切り口でもあるからだ。

この記事が創作の役に立ったり、何らかの気付きや切欠になれば嬉しい限りである。

※この記事は、追記・編集していくかもしれません。

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