【ご都合主義にあらず】物語を魅力的にする「都合の良い設定」を解説

健全な都合が良い状態とは?

物語を描く際、主人公を始めとした登場人物や読者にとって都合が良い設定は必要不可欠だ。

一方で、作者にだけ都合が良い存在は、歓迎されない。

この前提のもと、物語を魅力的に輝かせ、面白くする「都合が良い設定」とは、どの様な条件で成立するのかを解説しようと思う。

最も「都合が良い設定」が描きやすいのは「切欠」の時

物語のパラダイム「切欠」が訪れるタイミングは、主人公を非日常の世界に誘う出来事が起きる。

その、主人公を非日常に誘う出来事の要素は、トラブルとチャンスの二種類がある。

トラブルの場合は、主人公にとって都合が悪いが、作者と読者にとって都合が良い「これは面白くなりそうだな」と言う事件が起きる。

チャンスの場合は、主人公にとっても、作者と読者にとっても都合が良い「なんてラッキーなんだ」と言う幸運に恵まれる事になる。

これら「切欠」を得る事で、主人公の物語は大きく動き始める事になる。

その際、作品のテイストにもよるが、基本的にリアリティは二の次で許される程の都合の良さを描いて良い事は、非常に重要だ。

良い都合の良さ、悪い都合の良さ

パラダイム「切欠」のタイミングで起きる都合の良さは、圧倒的と言える。

例えば、

  • 宝くじが当たる
  • 曲がり角でイケメンや美女とぶつかり、後で再会する
  • 主人公が特殊能力に目覚める

こう言う都合が良い事が起きても、このタイミングで「うわ、リアリティ少なっ」とは、あまりならない。

一方で、同じテイストの出来事がパラダイム「試練」や「解決」の周辺で起きると、途端に物語は冷え切ってしまう。

それは、「試練」や「解決」のタイミングが、トラブルを解決しようとしたり、チャンスをものにしようと必死に努力し、その成果を主人公が自身の力で手繰り寄せる事が必要とされるパートだからだ。

事件に対する解決策として「都合が良い出来事」が目立ちすぎると、そこで一気につまらなくなる。

  • 大金が必要で工面に奔走していたのに、最終的に宝くじが当たる
  • 恋人が欲しいと思ってたら、イケメンや美少女と出会い付き合う事になる
  • 敵との戦いで絶体絶命の時に、主人公が唐突に特殊な力に目覚めて勝ってしまう

なんて展開、どれも興ざめだろう。

物語を通して解決する出来事の重要な部分を、運で解決してしまうと、それはギャグとなる。

都合が良い設定の種類

都合が良い設定には、先に少し触れたが

  • 作者にとって
  • 読者にとって
  • 主人公にとって
  • 敵にとって

「誰にとって都合が良いのか」は一つの指標となる。

作者のみに都合が良い設定は、いかなる設定でも、誰にも受け入れられない。

作者と主人公以外の誰かにとって”も”都合が良い設定である事が求められる。

読者は、劇中の意味でも、物語を見るメタな視点でも、都合が良いと感じる設定が無いと、見る気が起きない。

それは、モチーフや表現方法の選定から始まっていて、モチーフが好きか、絵柄が好きか、と言うレベルでの都合が良い情報を求めて作品を選んでいる。

面白いと話題でも、興味の無いジャンルや、苦手な文体、絵柄、俳優の起用、あらゆる「都合が悪い」事が、作品に触れる機会を読者から遠ざける。

これらは別の表現をすると

  • 作者にとって:動かしやすい、描きやすい、テーマが好き、モチーフが好き、表現が好き、運用や管理が楽
  • 読者にとって:モチーフが好き、表現が好き、共感出来る、応援出来る、推せる、面白くなりそう
  • 主人公にとって:問題解決の取っ掛かりになる、トラブルに対抗出来る、成功を掴むチャンスを得る
  • 敵にとって:優位からスタート、状況が有利になる

等となり、都合の良い設定に何が必要なのか、どうして作者にとってのみ都合が良いと作品の魅力が下がるのかも分かりやすいだろう。

また、これらの都合の良い設定は、

  • 作者と読者
  • 読者と主人公
  • 作者と主人公

それぞれのチャンネルが合っている程、スムーズに読者に受け入れられる。

都合が良い設定例

都合が良い設定は、パターンが決まっている。

基本は、

  • ラッキー
  • ハイスペック

で考えて行けば、いくらでも思い付く。

ソシャゲやカプセルトイが好きならガチャをイメージすると良い。

運良くハイスペックを手に入れるチャンスに恵まれる事が、人は大昔から大好きなのだ。

例えば、ガンダム等のロボットモノのお約束で、一般人だった主人公が事件に巻き込まれる中、運良く、最新鋭のロボットを見つけ、自分の物にする展開が存在する。

他に、なろう系の異世界作品では、平凡だった主人公が異世界に飛ばされ、運良く適応し、チートと言うハイスペックを手に入れる。

探偵モノでは、名を売りたい時に大事件に遭遇とか、高額な依頼が舞い込むなんて事がある。

ラブコメでは、イケメンや美女と出会い、関わらざるを得ない状況がお膳立てされていく。

相手の社会的地位が高いと、よりハイスペック感が出る。

どれも、主人公がラッキーでハイスペックを手に入れるチャンスなのが分かるだろう。

最後に

まとめると

  • パラダイム「切欠」の時に
  • 読者と、作者や主人公のチャンネルが合った状態で
  • ラッキーでハイスペックを、主人公が手に入れたり、手に入れるチャンスを描く

と、魅力的な都合の良い設定になると言う話だった。

ちなみに、ハイスペックの定義は、読者と作者のチャンネル次第で変わって来る。

例えば、「王族」と言う肩書はハイスペックなのは分かるだろうが、人によっては「八重歯」とか「眼鏡」とか「メイド服」と言うパーツの積み重ねで見た目にハイスペック感を感じたりもある。

要は、作者であるあなたが価値があると感じていて、同じ様に読者も価値があると感じ、主人公も価値に気付く要素であれば、見た目、性格、機能、性能、肩書、何でも良い。

この記事が、面白く無いご都合主義を減らし、魅力的な都合の良い設定を作る一助になれば嬉しい限りである。

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