【レビュー】アーティストのための人体解剖学ビジュアルリファレンス【書評】

モデル+イラストを参照して理解出来る人体の構造

裸や下着姿のモデルを使ったポーズ集は、見た事がある。

イラストによる美術用の人体解剖学の本も、見た事がある。

だが、今回のパターンは、ありそうで無かった風に思う。

表紙を見て貰えれば分かる。

全篇に渡ってモデルの写真を贅沢に使い、モデルの写真の上に人体解剖のイラストを重ねる事で、様々なポーズの時に筋肉や骨は、どう動いているのかを視覚・構造的に理解出来るのが、この本の特徴だろう。

それも、1枚の写真に対して、

  • 写真
  • 筋肉のイラスト重ね
  • イラスト化
  • ポリゴン化

の4パターンを用意している、念の入れようだ。

それでは、詳しく見て行こう。

アーティストのための人体解剖学ビジュアルリファレンス

3dtotal.com (著), 高木 了 (編集), 株式会社スタジオリズ (翻訳)

<内容>

ハイクオリティな写真&図で解説。”人” をつくるための1冊

『アーティストのための人体解剖学ビジュアルリファレンス』は、人体に関する広範なビジュアルリファレンスガイドです。240枚以上の写真が、筋肉の定義や骨のランドマーク、姿勢やポーズまで、細部まで捉えています。

すべての写真には、美術家/イラストレーター Charlie Pickard の描いた筋肉図、平面図、輪郭図が重ねられており、人体に関する理解を深めることができます。専門家/講師 Jahirul Amin による魅力的な解説は、人体の仕組みへの理解をたすけ、それがあなたの作品にどのように関連するかを教えてくれます。

あなたが、伝統的な彫刻家、油絵画家、3DCG、デジタルアーティストのいずれであっても、本書に掲載されている資料は有益であり、アートの質と精度を向上させるのに役立つことでしょう。

【本書の特徴】
・人体解剖学の専門家が執筆
・240枚以上の特別なカラー写真
・筋肉組織や輪郭を示すイラスト
・役立つ解剖学の基礎知識と用語紹介
・体型やフォームに影響する要素の探求
・古典的なものから創造的なものまで、応用できるポーズライブラリ

※本書は『Anatomy for Artists』の日本語版です(※ソフトカバー仕様)
※本書にはヌード表現が含まれています

著者について

3dtotal com は、別名「CGアーティストのホームページ」とも呼ばれ、インターネット最大のオンラインデジタルアートコミュニティの1つです。1999年の開設以来、CG業界の発展に寄与してきました。CG関連のニュース、チュートリアル、ギャラリー、レポート、リソースは日々更新され、月間150万以上の訪問者を集めています。

  • 出版社 ‏ : ‎ ボーンデジタル
  • 発売日 ‏ : ‎ 2021/11/2
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 大型本 ‏ : ‎ 304ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4862465161
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4862465160
  • 寸法 ‏ : ‎ 27.9 x 21.5 x 1.5 cm

良質で豊富な資料集

書籍目次

  • まえがき……6

人体の仕組み

  • 人体解剖学の歴史……8
  • 解剖学的正位……10
  • 関節の仕組み……20
  • 骨格と骨のランドマーク……28
  • 筋肉と腱……44
  • 体形……74
  • プロポーションとシンメトリー……76
  • 肌:脂肪としわ……80
  • 性別と年齢……86

ビジュアルリファレンスライブラリ

  • 胴体……94
  • 腕……122
  • 手……142
  • 大腿……154
  • 下腿……164
  • 足……176
  • 首……184
  • 頭部……190
  • 顔と造作……204
  • 体型と姿勢……220

クリエイティブポーズ

  • 古典的立ちポーズ……240
  • ダイナミックアクションポーズ……258
  • ナラティブポーズ……278
  • 座っているポーズ……288
  • 用語集……296
  • アーティスト……298
  • 索引……299

目次の内容は、以上となる。

まず、なんと言っても304ページのボリュームの中に、240枚の豊富な写真、イラストが用いられている事が凄い。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/615mqXbPzPL.jpg

本のジャンル上、飛びぬけて突飛なコンテンツにし辛い代わりに、オールカラーページに良質な資料を徹底的に詰め込むと言う方法で、本書は、その価値を高めている。

上にも書いたが、モデルのポーズ集や、美術用の人体解剖学本の中身を見た事があるなら、内容自体は、そこまで真新しい物は無い。

最初の94ページは教科書的に説明がなされ、残りの200ページで画像資料が掲載されているのだが、その中で用いられる写真やイラストの統一された資料クオリティの高さが、本作の武器だろう。

【good】前半の教科書パートが見やすく、分かりやすい

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51x9RkK8dKL.jpg

94ページを割いている各部位の詳細な説明だが、紙面がスッキリしていて見やすく、説明も簡潔で非常に分かりやすい。

出来ていて当たり前の部分だが、出来ていない本も沢山存在する点では、当たり前をしっかり出来ている優れた本と言える。

【good】写真による情報量の多さ

毛や血管を含む肌の質感・シワ、筋肉・骨・腱の隆起、そして光と影、そう言った情報量が多いのは、写真を使っているから出来る事だろう。

ホクロやシミ、ピアスの穴まで確認出来る。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51s3kIACHwL.jpg

【good】「肌:脂肪としわ」の章

本書は、基本的に表紙の二人のモデルさん二人のヌードの写真で構成されている。

だが、この「肌:脂肪としわ」の章のみ、モデルさんが肥満と老体のモデルさんを用意している。

もちろん、二人共ヌードで、肥満体の方は女性、老人の方は男性が担当している。

こういうモデルさんが写っている写真集は、普遍性を持たせたり美しさを追求する事が多い為、肥満体や老体のモデルさんが提供してくれる資料は、結構貴重だったりする。

どこにたるみやシワが出来るか、実際の写真だからこそ分かる事があり、この本を買った人の大半は、この章は印象に残るだろう。

ちなみに、肥満体のモデルさんはモヒカンと、謎に特徴的なのも面白い。

【good】ぼかしもモザイクも無い

これは、人によってはマイナスかもしれない。

あるいは、人によっては大きなプラスに感じる可能性もある。

要は、性器に対して、本書はそのまま資料的に掲載している。

ヌードデッサンをした事があったりすれば気にする事ではないだろう。

だが、書籍の説明欄にも「※本書にはヌード表現が含まれています」とわざわざ記載しているので、あえて触れさせてもらった。

日本と言う、幅広いメディアでの性器へのモザイク文化が一般化した国で出る本としては、珍しい部類だろう。

本としての評価は?

参考画像のテイストを300ページ近くやり切っている点で、非常に優秀な本だと感じた。

本書は定価4,620円、本体価格4,200円であるが、本としての質を見れば十分適正価格と言えるだろう。

ただ、既に美術用の人体解剖学の本や、モデルによるポーズ集を複数冊持っている様な場合は、体感として、そこまでの価値を感じないかもしれない。

しかし、美術用の人体解剖学を本気で学ぼうと考えている人が手を出す、良質な資料の一つとして考えれば、十分選択の候補に入れるべき1冊だ。

本としてのクオリティ、内容、サイズ、質感、様々な要素から考えれば、本書の値段は本当に相応の物なので、内容に興味があり財布に余裕がある人、良い資料になら奮発したいと考えている人は、ぜひぜひ本棚の仲間に加える事を検討して欲しい。

このレビューが、本書の購入する際の参考になれば嬉しい限りだ。

本書発行元リンク:株式会社ボーンデジタル

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