【レビュー】リズムとフォース 第3版:躍動感あるドローイングの描き方(10周年記念エディション) (フォースドローイング) 【書評】

リズムとフォースで人を描くとは、どういう事か?

リズムとフォース 第3版:躍動感あるドローイングの描き方(10周年記念エディション) (フォースドローイング) 

マイケル・マテジ (著), Michael Mattesi (著), 平谷 早苗 (編集), グレン・キーン(序文)  株式会社Bスプラウト (翻訳)

<内容>

人体と、そこに流れるエネルギーをとらえる

生き生きとした、魅力あるドローイングは、リズムとフォースの意識から。
名インストラクター、マイケル・マテジによる定番書籍が10周年を迎え、大幅改定!

モデルを前にしたら、見るべきは「人間そのもの」です。本書は、短時間で生命のエネルギーをとらえ、ダイナミックなドローイングを描くための基本を解説した、実践ガイドです。
力強いドローイングの例を示しながら、以下の方法を説明しています。

・フォースとリズムを意識すること、生命をとらえることとは
・アピール(魅力)あるドローイングを描く
・直線と曲線の組み合わせを利用する
・簡略化したドローイングでストーリーを伝える
・基本的な身体構造の知識と人体ドローイングの技術を獲得する

※※30本の字幕付き動画が付属※※
紙面では伝えきれない情報も、ドローイング過程を画面越しに見ることで、理解が進みます
一部モデルのヌードが含まれますので、視聴環境に留意してください

イラスト、アニメーション、アートなど、目的や経験を問わず、短時間のドローイングでアイデアをつかみ、主張あるドローイングを描くための心構えや方法論を理解できます。

本書は「FORCE: Dynamic Life Drawing: 10th Anniversary Edition (FORCE series) 3/E」(Focal Press刊、)の日本語版です。

著者について

マイケル・マテジ(Michael Mattesi):プロダクションアーティストおよびインストラクターとして、20 年を超える実績をもつ。クライアントにはディズニー、マーベル・コミック、ハズブロ、ABC、Microsoft、エレクトロニック・アーツ、ドリームワークス、ニコロデオンなどが名前を連ね、ピクサーとドリームワークスでは、インストラクターも務めている。本書は、出版されるとただちに、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの推薦図書リストに加えられた。

  • 出版社 ‏ : ‎ ボーンデジタル; 第3版 (2021/12/3)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2021/12/3
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 大型本 ‏ : ‎ 234ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4862465153
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4862465153

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ推薦図書は伊達じゃない!

書籍目次

  • FORCEとともに、10年!……ⅷ
  • 序文……ⅸ
  • まえがき……ⅺ
  • 重要なコンセプト……ⅻ

chapter1:生命を見る……1

  • 1.1 フォースを意識する……1
  • 1.2 メインアイデアとは?……2
  • 1.3 語彙の力(ボキャブラリのパワー)……2
  • 1.4  ドローイングに使うラインのタイプ……3
  • 1.5  ディレクショナルフォースのライン……4
  • 1.6  アプライドフォース……11
  • 1.7  リーディングエッジ……17
  • 1.8  リズムの道筋……23
    1.8.1  人体をスキーで滑り降りる……28
  • 1.9  紙上でのスケート……33
  • 1.10  テンプレート……37
  • 1.11  小さく描いて、大きく考える……42
  • 1.12  リズムのローラーコースター……64

フォースに関するアドバイス……77

chapter2:フォースに満ちたフォーム……79

  • 2.1  パース(透視図法):角度がつくるドラマ……79
  • 2.2  1点、2点、3点透視図法……80
  • 2.3  4点透視図法……86
  • 2.4  構造……94
  • 2.5  サーフェスライン……94
    2.5.1  フォースなしのスカルプト……96
    2.5.2  フォースでスカルプトする……104
  • 2.6  オーバーラップとタンジェント……125
  • 2.7  短縮法……133

フォースに満ちたフォームに関するアドバイス……137

chapter3:フォースに満ちたシェイプ……139

  • 3.1  フォースに満ちたシェイプ……140
    3.1.1  フォースに満ちたシェイプの推奨事項と非推奨事項……141
  • 3.2  フォースのブロブ(塊)……143
  • 3.3  シルエット……145
  • 3.4  シェイプ内のリーディングエッジ!……149
  • 3.5  アナトミーとシェイプ……166
  • 3.6  シェイプのサイズによる奥行き……178
  • 3.7  反応、信じる心……183
    3.7.1  総まとめ……193

フォースに満ちたシェイプに関するアドバイス……199

  • おわりに……201
  • 推薦図書と資料……202
  • 用語集……203
  • 索引……204

目次の内容は、以上となる。

まず、私は絵の描き方で、本書の様なコンセプトの本を他に知らない。

フォースと聞くと、スターウォーズを思い出す人もいるだろう。

本書の提唱する「フォース」と言う切り口は、超能力ではない。

しかし、理解する事で絵を描く上で、もの凄い気付きに繋がる人が相当数いる筈なのは、断言出来る。

人によっては、絵を描く時に、全く意識出来ていない可能性がある概念だからだ。

絵は、見たままを観察して写実的に描いたり、その反対に抽象的に描いたり、その構造を理解して解剖学的に描いたり、パースを使って遠近を意識し描いたり、実に様々な描き方がある。

1枚の絵を描くだけでも、それらの技術を総動員する事で、より描く絵のレベルが上がる。

本書は、そう言った様々な絵の描き方の切り口に「フォース」と言う概念をもたらす物となっている。

本書を読み、フォースを理解し、描く事が出来る様になる事で、理解出来ていなかった絵には、生命のエネルギーに満ちた躍動感が備わる事となる。

生き生きとした動きのある絵の描き方は何を意識して描けば良いのか、それが明確に言語化され、図で示されたのが本書である。

【very good】コンセプトから、本当に凄い!

上手な絵の描き方や、絵が上手になる為の練習法を指南する本は無数に存在するが、その中でも本書は異彩を放っている。

他の本では「ここを意識して」程度の、僅かで曖昧な指摘しかない様な部分を、それを中心にして一冊描き切り、絵のレベルを飛躍的に上げる重要な秘密を惜しみなく公開しているのだ。

アメリカでは2006年10月に最初のバージョンが発売され、本書は2017年に出た10周年記念バージョンの日本語翻訳版で、2021年12月に発売している。

バージョン毎に結構中身が違うが、それでも、もっともっと早く出会いたかったと思わせてくれる本だ。

フォースと言う概念の理解は、人体ドローイングスキルを間違いなく大幅に向上させてくれる。

一度、存在を知ってしまうと、もう手放せないだろう。

日本では馴染みが薄いが「これ、生き物とかを描く上で必須じゃない?」と言う、絵描きの義務教育に入れた方が良い知識が詰まっている。

【good】動画資料付き

株式会社ボーンデジタルのサイトからダウンロード出来る説明とデモの動画が存在する。

実際にモデルを描くシーンが動画に収められており、日本語字幕もあるので理解の助けになるだろう。

ヌードのモデルさんが所々で出てくる。

一部、黒塗りモザイクが入っているが基本的にヌードなので、見る場所は気を付けた方が良いかもしれない。

【Hmm】身に着けるまでの難易度高し

絵を描く上でフォースを理解し、描き方を身に着けるには、かなり大変だろう。

と言うのも、本書は、描き方の本であるが、それ以上にフォースの見方の本であり、正直、それを頭で理解するまでで、人によっては躓きかねない。

馴染みが無い概念を学ぶ事のハードルは、最初に飲み込むまでが大変だ。

更に、目と頭で理解した後で、絵にするには手から出力する必要がある。

つまり、身につければ強力な武器を手に入れられ、まるで必殺技を習得した様な絵力を手に入れる事は間違いない。

そして、本書を習得する事は間違いなく可能なのだが、そもそもの難易度が高めである。

絵の右も左も分からない初心者がこの本で学ぼうと思っても、挫折を味わうだけで終わる可能性がある。

だが、チャレンジするだけの価値も間違いなくある。

例えば、スターウォーズのジェダイやシスの操るフォースや、鬼滅の刃の呼吸法を、嘘でも冗談でも無く本当に学べるチャンスがあったら、チャレンジするかどうかだ。

本としての評価は?

本自体のサイズや情報密度から考えると、物質的な価格は適正と言えるだろう。

ただ、フォースを学ぶ為には、現状一択に近い書籍だ。

定価3,960円、本体価格3,600円であるが、内容の有益度を考えると、フォースを使いこなせていない絵描きからすれば、定価であるなら値段は関係無いアイテムだと言いたい。

3版までアップデートを重ねて、動画までついて、分かりにくい部分を改善しようと言う意思も感じる。

なので、現状最新版の本書がベストだろう。

それでも、今後より内容が整理され明瞭に言語化されたバージョンが出る事も同時に期待したい。

このレビューが、本書の購入する際の参考になれば嬉しい限りだ。

本書発行元リンク:株式会社ボーンデジタル

スポンサーリンク

“【レビュー】リズムとフォース 第3版:躍動感あるドローイングの描き方(10周年記念エディション) (フォースドローイング) 【書評】” への1件の返信

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください