【レビュー】ロレンツォのドローイングチュートリアル vol.2:HOW TO THINK WHEN YOU DRAW vol.2 日本語版【書評】

捉え方の単純化と、描き方の単純化を個別に解説!

ロレンツォのドローイングチュートリアル vol.2:HOW TO THINK WHEN YOU DRAW vol.2 日本語版

ロレンツォ・エザリントン (著), 堀越 祐樹 (編集), 瀧下 哉代 (翻訳)

◆あらゆるモノの“捉え方”と“描き方”をとことん単純化し解説した究極のドローイングチュートリアルシリーズ 第2巻◆

◆ポケモンカード公認イラストレーター“ヒョーゴノスケ氏”も絶賛!!◆
「複雑に見えるアレやコレ、こんなに簡単に描く方法があったのか! と驚きの連続です」

本書は、漫画家、アーティスト、クリエーターのためにエザリントン兄弟が立ち上げた無料のオンラインチュートリアルの中から一部を抜粋しまとめた書籍『How to THINK When You DRAW』シリーズの第2巻日本語版です。

百科事典のように数多くのイラストの描き方を取り上げる本書の特徴は、「どんなに複雑なイラストでも、とことんシンプルに単純化して考え、描く方法を解説する」というものです。
つまり描き方の原点(本質)を解説した書籍ということです。

さまざまなイラストの描き方の基本を知ることで、描けるイラストのレパートリーが増えるのはもちろん、そこからの派生(バリエーション)や独自性(オリジナリティ)を強化することもできます。

「数多くのイラスト(モチーフ)の描き方が載っている百科事典のような本が欲しい」
「漫画やイラストを描きたいけど、キャラクター以外(背景、小物、動物、メカ、建物…etc)の描き方がほとんどわからない」
「デザインの引き出しをもっと増やしたい」
「自身の作品にもっとオリジナリティを加えたい」

『How to THINK When You DRAW』シリーズはそんな悩みの解決に役立つ書籍です。

著者について

ロレンツォ・エザリントン(Lorenzo Etherington)

アーティストやクリエーターのための無料のオンライン情報サイト『How to THINK When You DRAW』を立ち上げ、クラウドファンディング(英Kickstarter)を通じてオンラインチュートリアルの内容を抜粋した書籍を刊行。2021年7月時点で、シリーズ第4巻(vol.4)まで刊行されています。

  • 出版社 ‏ : ‎ ボーンデジタル (2021/12/27)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2021/12/27
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 186ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4862465137
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4862465139
  • 寸法 ‏ : ‎ 20 x 22 x 1.6 cm

モノを簡単に描くコツの、百科事典(2巻目)!

書籍目次

CHAPTER 1 キャラクターのデザイン……10

  • 1:頭部のアングル
  • 2:髪の動き
  •   髪-拡張パック
  • 3:視線の方向
  • 4:ひげ
  • 5:タトゥー
  • 6:クロークとケープ
  •   クロークとケープ-拡張パック
  • 7:ショルダーアーマー
  • 8:宇宙用ヘルメット
  •   宇宙用ヘルメット-拡張パック
  • 9:棒人間
  • 10:形を反転させて作るキャラクター
  • 11:ジャンプ

CHAPTER 2 動物とモンスター……40

  • 12:クリーチャーの歯
  • 13:ひづめ
  • 14:ドラゴンの翼
  •    ドラゴンの翼-拡張パック
  • 15:毛皮
  • 16:ウサギ
  • 17:イルカ
  • 18:ティラノサウルス
  •    恐竜のキャラクター-拡張パック
  • 19:幽霊

CHAPTER 3 乗り物と機械……62

  • 20:フードトラック
  • 21:乗り物のスルーライン
  • 22:モンスタートラック
  •    モンスタートラック-拡張パック
  • 23:戦闘による損傷
  •    戦闘による損傷-拡張パック
  • 24:攻城戦の武器
  • 25:ヘリコプターのデザイン
  • 26:海賊船
  • 27:ロケット打ち上げ

CHAPTER 4 エレメント……84

  • 28:小さな炎
  •    キャンドル-拡張パック
  • 29:金
  • 30:小雨
  • 31:砂
  • 32:旗
  •    旗-拡張パック
  • 33:宇宙

CHAPTER 5 レイアウトと構図……102

  • 34:小中大
  • 35:コントラスト
  • 36:クロスコンターライン
  • 37:バラバラに描くテクニック
  •    バラバラに描くテクニック-拡張パック
  • 38:1つずつ変える
  • 39:三角形を使った構図
  • 40:2対1で配置する
  • 41:シルエットのサムネイル
  • 42:会話のシーン
  • 43:剣の戦闘シーン
  •    剣-拡張パック

CHAPTER 6 自然の世界……128

  • 44:クモの巣
  • 45:小石と砂利
  • 46:山
  •    山-拡張パック
  • 47:バラ
  • 48:つる性植物
  • 49:伸び放題の植生
  • 50:森 パートA
  • 51:森 パートB
  • 52:森 パートC
  • 53:森 パートD
  •    森-拡張パック

CHAPTER 7 架空の世界を構築する……154

  • 54:チョコレート
  • 55:ボトルとグラス
  • 56:枕とクッション
  • 57:バスケット
  •    バスケット-拡張パック
  • 58:鎖
  • 59:街灯
  • 60:階段
  •    階段-拡張パック
  • 61:石柱
  •    石柱-拡張パック
  • 62:線路
  • 63:遠くのディテール
  • 64:都市の景観
  •    都市の景観-拡張パック

目次の内容は、以上となる。

本書は、前巻の

に続き、2ページ1構成を基本として、特定のモノの捉え方、描き方をシンプルに解説している。

ページのサンプルを見て貰えると、基本構成は理解出来ると思う。

例えば、本書の最初の項目「頭部のアングル」では、

  1. 横顔
  2. 横顔・後ろに傾ける
  3. 正面
  4. 正面。後ろに傾ける
  5. 正面・上を向く
  6. 斜め・後ろに傾ける
  7. 正面・前に傾ける
  8. 正面・見下ろす
  9. 3/4正面
  10. 3/4背面
  11. 3/4正面・フカン
  12. 3/4正面・アオリ

と12アングルに対して、絵が良くなるワンポイントが提示されている。

似た絵を描く際、ワンポイントを気を付けるだけで、該当するアングルの絵は良くなるだろう。

実際は、初めてのモチーフを描く際、手本を見て描く事が基本になる。

しかし、描きなれた物であれば、見ないで描く事も多くなるのは理解出来ると思う。

その際、本書で説明されているワンポイントを意識する事で、上手く見えるコツを抑える事が出来る。

更に、観察して描くとしても難しい、複雑な構造物に対しても捉え方と描き方のコツが同じように示されており「どこから手を付けたら良いんだ?」と言うモチーフを描く時にも、最高の道しるべとなるだろう。

【good】ちょっとしたディティールにこだわる「こだわり」

本書が紹介している描き方のコツは、一つ一つはシンプルで、言われてみれば当たり前の事が殆どだ。

だが、この当たり前が、自分で観察して気付くか、誰かに指摘されないと、人とは以外にも気付けない物である。

例えば、絵心の無い人に人を描いて貰おうとすると、普段から見ている物で、良く知っている筈なのに上手に描けない。

しかし、コツを一つ教えて貰うと、絵は一気に上手くなる事もある。

そのコツを、闇雲に観察して見つけるのではなく、既に絵の上手い人に分かりやすく教えて貰う事の有用性は、相当大きい。

そして、本書で紹介されているコツは、モチーフを描く際のディティールのアップを基本としている。

ディティールとは、細部だ。

つまり、ちょっとした細かい部分に気を付ける事で「ここが分かっているなんて、やるじゃん」と見る者に思わせる事が出来る。

それを、あらゆる部分でこだわれば、絵は物凄い密度のディティールにこだわった物に変化していく。

すると、絵は劇的に上手くなるわけだ。

【good】噛み砕いたワンポイントの易しさと優しさ

具体的なモチーフに対し、更に具体度が増す様に分けられた基本パターンの提示と、それに対するシンプルなワンポイントのアドバイスは、個別で見るととても単純明快だ。

基本の画力は必要となるが、ある程度絵が描ける人ならば、真似をして試す事は容易だろう。

なのに、その結果得られるディティールアップの効果は、出来ていない事への適応であれば効果絶大だ。

本としての評価は?

定価2,530円、本体価格2,300円と、価格としては相応と言った所だろう。

絵の描き方の百科事典の様なコンセプトの書籍で、既に原語版では4巻まで出ているらしい。

1冊でも手を出すと、その有用性と、アート性の高さから全巻揃えたくなる魅力がある。

このレビューが、本書の購入する際の参考になれば嬉しい限りだ。

本書発行元リンク:株式会社ボーンデジタル

このレビュー記事は2巻の物だが、1巻の目次も参考までに下記に記載する。

ここまで専門性の高い絵の描き方百科事典は、今まで無かった様に思うので、モチーフが気になったら手に取ってみよう。

1巻目次

CHAPTER 1 キャラクターのデザイン

  • 1:基本の靴
  • 2:ストランスキー・ガールの手 パートA
  • 3:ストランスキー・ガールの手 パートB
  •   手:拡張パック
  • 4:鼻
  • 5:耳
  • 6:ストランスキー・ガールの髪
  • 7:1940年代の髪型
  • 8:怒っている表情
  •   表情 拡張パック
  • 9:うれしそうな表情
  • 10:キャラクターの形
  •    キャラクターの形 拡張パック
  • 11:3つの形で作るキャラクター
  • 12:走っている人物

CHAPTER 2 動物とモンスター

  • 13:角
  • 14:モンスターの触手
  • 15:ブタ
  • 16:鳥の頭部
  • 17:ウマの頭部
  •    ウマ 拡張パック
  • 18:モンスターの頭部
  •    モンスターの頭部 拡張パック
  • 19:リス
  • 20:ダックスフント

CHAPTER 3 乗り物と機械 架

  • 21:機械のディテール
  •    機械のディテール 拡張パック
  • 22:ケーブルとワイヤー
  • 23:ロボットのアーム
  •    ロボット 拡張パック
  • 24:装軌車両
  • 25:自動車のスタンス
  •    自動車のスタンス 拡張パック
  • 26:宇宙を飛べるビンテージバイク
  • 27:ビンテージ飛行機
  •    ビンテージ飛行機 拡張パック

CHAPTER 4 エレメント

  • 28:水と波
  • 29:液体を注ぐ
  • 30:溶岩
  • 31:雪
  • 32:煙エフェクト
  • 33:雷と電気
  • 34:割れるガラス
  • 35:衝撃でがれき化する瞬間
  • 36:垂れ下がる布

CHAPTER 5 レイアウトと構図

  • 37:前景・中景・後景
  • 38:インテリアの基本
  • 39:立体的に考えよう
  • 40:ストランスキーの構図
  •    構図 拡張パック
  • 41:パースの箱
  • 42:水平線
  • 43:ロゴを融合する
  • 44:ネガティブスペース
  • 45:陰影を利用した構図
  • 46:コミックの表紙
  • 47:カーチェイス

CHAPTER 6 自然の世界

  • 48:草
  • 49:海藻
  • 50:キノコと菌類
  • 51:ジャングルの植物群
  •    ジャングルの植物群 拡張パック
  • 52:樹皮
  • 53:木の根
  •    樹木 拡張パック
  • 54:宝石と結晶
  • 55:岩石層
  •    岩石 拡張パック
  • 56:洞窟

CHAPTER 7 架空の世界を構築する

  • 57:本
  • 58:新聞
  • 59:箱
  • 60:宝箱
  • 61:ティキの像
  • 62:架空の世界のタイポグラフィー
  • 63:レンガ造り
  • 64:木造の建物
  •    木造の建物 拡張パック
  • 65:廃物でできた家
  •    廃物でできた家 拡張パック
  • 66:コンピューターゲームの建物
  • 67:ポッドハウス
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