可哀想で可愛いキャラクターをセットアップ
可哀想で可愛いキャラクターは、とても人気が出やすい。
だが、具体的に可哀想で可愛いキャラクターは、どうすれば考えられ、作る事が出来るのか?
今回は、その一例を単純化して解説する。
可哀想なキャラクター視点
まず、可哀想なキャラクターを主人公にしてゼロから物語を描く場合。
プロローグ
大事な人や物の描写が大事になる。
物の場合は、大事な人との思い出、つまり、必ず大事な人に関わる物にしよう。
誰が見ても理解出来る、登場人物にとって最も大事と言って差し支えないキャラクターの存在を描こう。
関係が良好な恋人、親、子供、親戚、友人、恩人、級友、先輩、後輩、とにかく、そう言った存在である事が望まれる。
日常の時
大事な人や物を失った後の日常を描こう。
失った理由は、可哀想なキャラクターにとっては、不可抗力である事が望ましい。
キャラクターは何らかの意味で、必ず被害者的な面を持っている必要がある。
可哀想なキャラクターは悪くないのに、大事な人を失ったと言う状況が重要だ。
失った理由は、後で説明すれば良い。
幸せの提示から、一気に辛い日常にキャラクターを叩き落そう。
切欠の時
大事な人や物を失った穴を埋める為の人や物事と、後に出会う事になる切欠と遭遇させよう。
辛い日常を変える切欠や、切欠に至らせる切欠が、それまで過ごしていた日常を変えるには不可欠だ。
この切欠は、良い切欠でも、悪い切欠でも、失った大事な人由来だと、良い。
失った大事な人と言う呪縛が、良くも悪くも可哀想なキャラクターに変化をもたらすのだ。
悩みの時
大事な人や物との思い出を、プロローグより鮮明に思い出そう。
そして、可哀想なキャラクターは、現実を受け入れられないまま、変われないまま、失った人や物との繋がりを求め続ける自分を自覚しよう。
決意の時
可哀想なキャラクターは、自分が求めている存在を自覚し、それまでと変われないまま新しい日常を生きる事を決意して、非日常に飛び込む。
試練の時
元々持っている、あるいは新たに手に入れた特技で、新しい日常の中で活躍しよう。
非日常の世界での活躍は、必要不可欠だ。
だが、どんなに活躍しても、新しい日常に本当の意味で溶け込めないし、可哀想なキャラクターは、この段階では満たされる事は無い。
非日常の中で、自分の居場所や立ち位置を探して足掻き、役立とうと、無能では無いと、必死に周囲にアピールしているに過ぎない。
危機の時
大きく変わってしまった現実を突きつけられる出来事が起きる。
どんなに頑張っても、本当に欲しい物は手に入らない。
絶望の時
大事な人や物を失ったが、受け入れる事が出来ない。
不満のある状況だが、ストレスを抱え込み、どこにも吐き出せずに貯め続けるが、我慢するしかない。
今までとやり方を変えないと非日常の世界を日常に出来ないが、それもすぐには難しい。
可哀想なキャラクターと、出会う仲間の視点
ここからは、可哀想なキャラクターを、ここまで描いた後か、別の主人公が可哀想なキャラクターと出会う場合となる。
視点が別主人公なら、可哀想なキャラクターは、これぐらいの前提を既に経てから、絶望状態で主人公と出会っている事を理解していると、深みのあるキャラクターとして描く事が出来る。
必要なのは、テンプレな性格では無く、そのキャラクターを形成するに至った辛い過去だ。
切欠の時
大事な人や物を失った穴を埋める為の人や物事との切欠と遭遇しよう。
ここで出会う人は可哀想なキャラクターにとって、失った大事な人の代替品や、目標とする理想の姿、健全な依存をするに足る運命の相手、忠誠を将来誓う存在、そう言った重みがある。
可哀想なキャラクターが、大事な人を失ってから飛び込む事になった非日常から、更に次の非日常へと誘う出会いだ。
悩みの時
可哀想なキャラクターは、相変わらず変われず、求め続ける失った人との繋がりを思い出そう。
可哀想なキャラクターと出会うキャラクターは、可哀想なキャラクターの過去等関係無く、共通の目的や目標がある仲間候補として純粋に値踏みしよう。
決意の時
可哀想なキャラクターは、変われないまま、新しい非日常を生きる事になる。
ただし、今回は出会った人や物事に対して感じる物があり、変わりたい、変われるかもと言う期待もある。
可哀想なキャラクターと出会うキャラクターは、可哀想なキャラクターと知らないまま、共通の目的や目標を持つ仲間として受け入れる事になる。
試練の時
可哀想なキャラクターは、ここでも元々持っている、あるいは新たに手に入れた特技で活躍する。
飛び込んだ非日常の世界のルールを学んでいく中で、仲間との交流を重ね、少しずつ絆を深める。
だが、可哀想なキャラクターは、この段階では、まだ自分だけでどうにかしようと考えている。
危機の時
過ごしてきた非日常での失敗や、敵の襲来によって、可哀想なキャラクターのキャパシティを超える困難に遭遇させよう。
苦手な問題や困難が降りかかり、どうしようもない状態に追い込まれるが、可哀想なキャラクターは、それでも自分で解決しようとしよう。
絶望の時
そうなると、当然陥る事になる絶望的状況を描こう。
誰がどう見ても大失敗だったり、取り返しがつかない状況を、容赦せずに描く必要がある。
契機の時
可哀想なキャラクターのピンチは、非日常で出来た仲間達による助力や助言で、乗り切ろう。
可哀想なキャラクターは助けを求めるのが最初、苦手な場合が多い。
仲間達からの助力や助言を受ける事で困った反応をしながらも、可哀想なキャラクターは受け入れる事しか出来ない。
その際、仲間達は何かしらのリスクを負ったり、負債をかぶったり、自己犠牲を払う。
可哀想なキャラクターは、大きな借りを作る事で、借りを清算する精神的な義務を負う事になる。
これが後に、強い絆へと成長する種となる。
解決の時
可哀想なキャラクターは、仲間達による助力や助言で、絶望的状況を協力によって乗り越える事になる。
乗り越えた分の変化・成長を、絶望的な状況を解決する為の行動で見せつつ、仲間達との絆が強まる出来事が描かれる。
一山超えた後の、もう一山
可哀想なキャラクターは、そう簡単に変われない。
助けの手が差し伸べられても、過去を切り離す事は出来ない。
過去を清算するには、まだ山を越え続ける必要がある。
切欠の時
大事な人や物を失った穴を埋める為の人や物事との切欠と遭遇しよう。
ここで出会う人は可哀想なキャラクターにとって、失った大事な人の代替品や、目標とする理想の姿、健全な依存をするに足る運命の相手、忠誠を将来誓う存在、そう言った重みがある。
可哀想なキャラクターが、大事な人を失ってから飛び込む事になった非日常から、更に次の非日常へと誘う出会いだ。
悩みの時
可哀想なキャラクターは、相変わらず変われず、求め続ける失った人との繋がりを思い出そう。
可哀想なキャラクターと出会うキャラクターは、可哀想なキャラクターの過去等関係無く、共通の目的や目標がある仲間候補として純粋に値踏みしよう。
決意の時
可哀想なキャラクターは、変われないまま、新しい非日常を生きる事になる。
ただし、今回は出会った人や物事に対して感じる物があり、変わりたい、変われるかもと言う期待もある。
可哀想なキャラクターと出会うキャラクターは、可哀想なキャラクターと知らないまま、共通の目的や目標を持つ仲間として受け入れる事になる。
試練の時
可哀想なキャラクターは、ここでも元々持っている、あるいは新たに手に入れた特技で活躍する。
飛び込んだ非日常の世界のルールを学んでいく中で、仲間との交流を重ね、少しずつ絆を深める。
だが、可哀想なキャラクターは、この段階では、まだ自分だけでどうにかしようと考えている。
危機の時
過ごしてきた非日常での失敗や、敵の襲来によって、可哀想なキャラクターのキャパシティを超える困難に遭遇させよう。
苦手な問題や困難が降りかかり、どうしようもない状態に追い込まれるが、可哀想なキャラクターは、それでも自分で解決しようとしよう。
絶望の時
そうなると、当然陥る事になる絶望的状況を描こう。
誰がどう見ても大失敗だったり、取り返しがつかない状況を、容赦せずに描く必要がある。
契機の時
可哀想なキャラクターのピンチは、非日常で出来た仲間達による助力や助言で、乗り切ろう。
可哀想なキャラクターは助けを求めるのが最初、苦手な場合が多い。
仲間達からの助力や助言を受ける事で困った反応をしながらも、可哀想なキャラクターは受け入れる事しか出来ない。
その際、仲間達は何かしらのリスクを負ったり、負債をかぶったり、自己犠牲を払う。
可哀想なキャラクターは、大きな借りを作る事で、借りを清算する精神的な義務を負う事になる。
これが後に、強い絆へと成長する種となる。
解決の時
可哀想なキャラクターは、仲間達による助力や助言で、絶望的状況を協力によって乗り越える事になる。
乗り越えた分の変化・成長を、絶望的な状況を解決する為の行動で見せつつ、仲間達との絆が強まる出来事が描かれる。
ここで、以前よりも成長している可哀想なキャラクターは、仲間の為に自己犠牲的な選択や行動を取る事で、大きな成長を見せ、それに見合った報いを受ける。
仲間との心に距離があったり、信用し切れていなかった場合は、ここで協力や共闘する様な展開も良い。
可哀想なキャラクターの救済イベント
切欠の時
可哀想なキャラクターが、過去に大事な人を失った出来事、事件と重なる、似た事件が再び起きる。
悩みの時
可哀想なキャラクターは、相変わらず変われず、求め続ける失った過去を思い出す。
決意の時
過去の出来事と重なる事件に立ち向かう決意を固める。
試練の時
事件に立ち向かう。
危機の時
過去の悲劇の再演、危機が迫る。
絶望の時
絶望の再来。
契機の時
新たな仲間達の存在によって、過去の出来事の、別の可能性が示される。
解決の時
辛い過去を乗り越える切欠を与えてくれた仲間達は、可哀想なキャラクターにとって真に大事な仲間となる。
過去を清算した事で、ようやく可哀想なキャラクターは救済される。
終わりに
この辺の記事も、キャラクターを描く上で役立つ筈だ。
あくまでも一例だが、パラダイムの参考になれば嬉しい。
今回は、この辺で。