誘惑に負けるか、恐怖に勝つと物語は動き出すと言う話

誘惑と恐怖、どちらと対峙するか

葛藤には、欲が必要と言う話を以前にした。

その中で、葛藤は誘惑か恐怖の選択肢の釣り合いが取れている事が重要だと話した。

今回は、その話を少しだけ深堀する。

誘惑に負けて選ぶ選択肢

葛藤は、釣り合いが取れた選択が必要だ。

  • 欲しい物VS同じぐらい欲しい物
  • 食べたくないが食べないといけない物VS同じ条件の別の食べ物

みたいな、同じぐらい良い物や、同じぐらい悪いが選ばないといけない物の選択肢を突きつけられるのが基本となる。

数字で見ると、

  • +100VS+100
  • ー100VSー100

みたいな感じだ。

つまり、この価値や意味が釣り合っていれば、葛藤が起きる。

と言う事で、

  • どうしても食べたいが食べると短期強制ハードダイエット必須な状況VS何もしない
  • 絶対にスポーツ大会で優勝したいが練習が必要VS何もしない

みたいな、片側にプラスとマイナスの要素を持たせる事で、トントンとなる様に設定すれば、何もしないと言う平穏な状態の維持でも葛藤が起きる。

数字で見ると、

  • +100ー100VS+-0

になる。

かと思った?

ところがギッチョン、これがそうは無らない。

数字で見ると実は、

  • +100ー200VS+-0
  • -100+200VS+-0

と、設定による差、個人差、誤差こそ出るが、おおよそ体感でなる。

数字でイメージした式で見ると、客観的に考えれば、どう選択するのが正解か分かる。

  • ー100VS+ー0
  • +100VS+ー0

なら、前者は選択の余地が無いし、後者を選択しないのは馬鹿げて見える。

だが、

  • +100ー200VS+-0
  • -100+200VS+-0

みたいな、式の状態で見ると、選択の余地がある事が分かる。

人は、行動を順番に行って、式を時系列に沿って消化していく必要がある。

その為、

  • +100ー?VS+-0
  • -100+?VS+-0

この様に、時系列の後の方は、冷静に考えれば分かっているのに分からないと言う状態になる。

見えているが見えない、あえて見ない、信じられない、その様な状態になるのだ。

誘惑に敗北すると、先にご褒美が来て、後で取り立てが来る

多くの人は、誘惑に敗北する事がある。

ダメだと分かっているのに食べすぎ、飲み過ぎ、そして太り過ぎや、二日酔いの中で後悔する。

違法薬物に手を染める人は、快感の後、地獄の禁断症状で後悔する。

不倫や浮気をして、裁判を起こされたり、恋人に捨てられたりして後悔する。

借金をして、欲しい物を買ったり、その場をやり過ごせるが、その後で利子付きの返済で後悔する。

ギャンブルをして、当たるかもと言う期待で興奮し、外して興奮が冷め、金も失って後悔する。

誘惑に敗北すると、基本的に先に何かしらのご褒美がやってくる。

むしろ、先にご褒美がやってくる事こそ、人を誘惑する。

問題は、ご褒美だけで済まない、後で取り立てにやってくる物が、大半と言う事だ。

つまり、ご褒美に見えている物の大半は、快感の前借りなのである。

当然、いつか取り立てられる事を人は分かっている。

だが、分かっていても、もしかしたら逃げ切れるのではないかとか、上手く対処できるのではないかと、誘惑に負けてしまう。

中には、上手に前借りし、綺麗に返済したり、本当にラッキーから逃げ切る人も一部には、いるだろう。

問題は、大半の人は、そんな一部の人になる事は無く、前借り分をしっかり取り立てられるのが現実と言う事だ。

恐怖に打ち勝つと、先に投資を求められ、後でご褒美が待っている

誘惑に負ける反対に、恐怖に打ち勝つと、先に投資を求められることになる。

欲しい物があるなら、相応の先行投資をしないとならない。

何かが上手くなりたいなら練習は欠かせない。

ゲーム、スポーツ、創作、仕事、趣味、交流、何でもだ。

その先で、欲しい物に届かない、報われない事もあり得る。

だが、投資をした分だけは、相応に返ってくる。

正しい努力は、した分だけ報われる。

報いの量が期待を上回った時、人はご褒美に満足する。

似ているというのは、似て非なる物

雪山で遭難して、眠い。

その時は、

  • 眠たいが眠れば死ぬVS眠いが我慢する

と言う綱引きが起きる。

次の日がテストで、テスト対策は万全。

その時は、

  • 早く寝ないとテスト中に眠くなるがどうしても見たい配信があるVSさっさと寝る

と言う綱引きを起こす事も出来るだろう。

片方では、眠る事が誘惑だが、もう片方では起きている事が誘惑となる。

状況の設定次第で、似た要素でも性質が変わってしまう。

この事を理解して状況設定が出来ると、普通に考えれば許されない様なテーマやモチーフであっても、幅広い人が受け入れられる設定に変え、物語として昇華する事が出来る。

  • 眠りたいが眠れない
  • 眠りたくないが眠い
  • 眠らないといけないが眠りたくない
  • 眠くないが眠らないといけない
  • 起きたいが起きれない
  • 起きたくないが起きそう
  • 起きないといけないが起きたくない

等々、眠りに関する葛藤を考えるだけでも、様々な状況が用意できる。

他にも例えば、犯罪行為は、楽に稼ぐとか、楽に成功する、悪い事だが密かに快感を享受する、等々と言う誘惑が一見すると強いモチーフだ。

泥棒は、本来なら稼いだお金と物を交換して手に入れる必要があるプロセスで、稼ぐ前に物を手に入れ、抱えた罪の分によって何らかの形で取り立てに遭う。

警察や持ち主に追われたりと言った形でだ。

一方で、怪盗や大規模な犯罪計画となると、同じ泥棒の筈なのに見え方が変わって来る。

事前に入念な準備をし、捕まらない様にする所まで予め先行投資によって足場を固め、要は稼いだ金で物と交換するのではない別の方法で欲しい物を手に入れるわけだ。

だから、警察や持ち主が追ってくるとしても準備済みなので安全であり、無計画な泥棒と違って取り立ての心配をする事は無い。

テーマやモチーフが、誘惑によって誘発されたバカな行動なのか、恐怖に打ち勝って先行投資を行った計画的な行動なのか、それによっても、受け与える印象は大きく違うし、物語の中での使い方も大きく変わって来る。

終わりに

誘惑とは、先に甘い蜜で誘い、後で支払いを要求してくる。

誘惑タイプの葛藤に負けると、取り立てに対処するタイプの物語になる。

反対に、恐怖に打ち勝つタイプの物語では、先行投資をした分が、後で報酬と言う形で返ってくる。

恐怖タイプの葛藤に打ち勝つと、いかに先行投資と言う形で先に辛い事を受け入れ、欲しい物に必要な物を集めるかと言うタイプの物語となる。

ここで大事なのは、誘惑対峙タイプの物語は、誘惑に負ける事で物語が進んでいき、恐怖対峙タイプの物語は、恐怖に打ち勝つ事で物語が進んでいく。

つまり、誘惑に完全に打ち勝ってしまうと、話として広がらないし、恐怖に完全に負けてしまっても、話として広がらないと言う事だ。

どちらかを選ばないと、話にならない。

例えば、病気の妹に薬を買わないといけない兄が、金が無くて薬を盗んだり、薬を買う金欲しさに犯罪に手を染めるならば、それは誘惑タイプの物語となる。

そこでグッと我慢して堅実に買おうと工夫をしたり、手に入れる為の計画を練るならば恐怖タイプの物語となる。

所が、誘惑に打ち勝ち、恐怖に負けたら?

妹を救う事は出来ないで物語は終わってしまうだろう。

誘惑に負けるか、恐怖に打ち勝つか、いずれかを選ぶ事で物語はコロコロと転がり始める。

もしも、ちゃんと葛藤をしている筈なのに、物語の動きが悪い場合は、登場人物が賢明か弱腰過ぎる事がある。

もしや、とチェックして見ると物語を動かすヒントが見つかるかもしれない。

物語は、バカでも、天才でも、凡人であっても、行動を起こす人が動かしていく。

問題を解決する為の行動を起こせない登場人物は、ただ物語に登場しているに過ぎないと言う事だ。

参考になれば幸いだ。

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