登場人物が勝手に動く状態が大事と言う話

キャラが意思を持つ意味

物語を紡いでいく際、登場人物が勝手に動くと言う感覚は、かなり重要な意味を持つ。

今回は、その重要性を説明する。

勝手に動くと言う事

勝手に登場人物が物語の中で動くと言う事は、その登場人物に命が吹き込まれたと言っても過言ではない。

では、勝手に動くと言う状態は、どういう事かと言うと、その登場人物は「こういう奴」と言う情報の歯車が噛み合い、シミュレーションに足る強度を獲得しつつあると言う事になる。

この、「こういう奴」と言う感覚は、登場人物の設定を練るだけでは掴めない。

登場人物が、劇中で、事物に反応し、判断し、決断し、行動して、ようやく「こういう奴」と言う事が見ている人にも伝わる。

例えば、

  • 太郎:心優しい、動物が好き、正義感が強い。

と言う設定文よりも、

  • 太郎は、捨てられていた薄汚い子猫を、そのまま放っておく事が出来なかった。

と言う描写の方が、本当の登場人物を見る者は感じられる。

そして、勝手に動くとは、既に示された登場人物の行動理念のパターンが見ている人の中で出来上がっていて「この登場人物ならば、こう言う時には、こう動くに違いない」と言うシミュレーションを、不特定多数の人が似た様な答えを出せる状態である。

この状態に持っていけた登場人物は、勝手に動く。

勝手に動かない登場人物は、何が悪い?

しかし、勝手に動く登場人物ばかりではない。

中には、主人公やメインレベルの登場人物が勝手に動かない作品も存在する。

そうなると、登場人物の魅力と言う点で、作品は劣っている部分があると言える。

では、登場人物が勝手に動かない、あるいは動きにくい原因は、何だろうか?

いくつか考えられる原因がある。

個性無し

その登場人物が、個性と呼べるだけの情報を与えられていない事がある。

上記した設定文さえ無く、曖昧な状態で動いているパターンだ。

例えば、オリジナルでも既存作でも良いので、一人登場人物を思い浮かべて欲しい。

その登場人物の目の前に、好物の食べ物があるとしよう。

何が思い浮かぶ?

ここで、好物の食べ物自体が浮かばないなら、食べ物に興味が無い可能性もあるが、個性が薄い可能性がとても大きい。

どんな食べ物でも良いが、その登場人物が好む物が目の前にあって、どんなシーンが思い浮かぶだろうか?

その登場人物が勝手に動いたら、その登場人物のイメージが頭の中にある。

つまり、シミュレーションが出来る。

それが他人と答え合わせをして「わかる」とか「ありそう」と言えるレベルなら、その精度は、結構高い。

その状態は、登場人物の個性があって、あなたがそれを掴めていて、あなた以外の誰かも似た印象を持っていると言う事だ。

この様に、登場人物に個性がある場合は、登場人物は一定の条件を与えると、勝手に動いてしまう。

だが、個性が希薄だと、どう動くのかが見えづらくなる。

Fateのセイバーの目の前に御馳走が並んでいたら、様々なイメージを知っている人が浮かべるが、その様々なイメージは、他の人に共有しても「わかる」や「ありそう」になるのは、勝手に動くだけのキャラクターが定着している為だ。

作品を創作する際、キャラクターの魅力が弱い人は、登場人物に条件を与えて勝手に動くか否かのシミュレーションを、まずしてみると良い。

そして、その勝手に動いた結果が、何らかの点で魅力的か否かを見て見よう。

行動無し

先にも書いたが、事物に反応し、判断し、決断し、行動までして、それを見て、ようやく人は「その事では、こういう奴」と言うイメージを持つ。

つまり、設定があり、作者の頭の中では「こう言う時には、こう動く」があっても、行動する場面に恵まれないと、そのイメージを誰とも共有出来ない。

登場人物が立っていても、カメラが記録して、それを伝えられる状態で無いなら、勝手に動くまで持って行く事が難しい。

条件不一致

作品と言う箱庭に登場人物を入れ、条件を提示しても、なぜか上手に動かない事がある。

勝手に動くには、動く。

だが、自然さを殺す事になっている事がある。

その場合は、登場人物は勝手に動けるが、ストーリーラインに合っていない行動を取っていて、ストーリーを進める為に登場人物に我慢して貰って無理やり本筋を進ませている可能性がある。

大事なのは、ストーリーラインにマッチした登場人物をアサイン(割り当て、任命)する事で、それが上手に出来ていない事は、実際良くある。

勝手に動くが、作品のテーマと合っていないとか、作風にマッチし切っていないなんて事もあり得る。

シーンレベルで見ても、登場人物の好きに動かすと話が進まないか、変な方向に進む事はある。

その場合は、登場人物を変えるか、登場人物の置かれる環境を変える必要がある。

環境を変えるとは、登場人物に提示される条件を変えると言う事だ。

登場人物と環境がマッチしないと、勝手に動いた結果物語が前に進むと言う状態に、ならないパターンが起きる。

終わりに

登場人物が勝手に動くなら、その登場人物には命が宿っている。

こういう場面では、こう動く。

大量のバリエーションとパターンが一人のキャラクターに集約され、共通認識になれば、それが登場人物が持つ人格イメージとなる。

勝手に動く状態で愛されるキャラクターは、とても魅力的で強い。

もし、登場人物が勝手に動かないと悩んでいるなら、

  • 登場人物の設定を練る(JOJOの荒木先生が言う履歴書作りとか)
  • 登場人物に条件を与え、脳内シミュレーターで動くか試す
  • 作品内で自分の意思で動いているか確かめる

辺りを試すと、勝手に動く状態に持っていけるだろう。

登場人物が行動理念に従って動いているか、作者の都合で動いているかは、見た人なら誰でも感覚で掴める事だ。

行動理念が希薄だと、場面場面で下手な人形劇の操り人形の様に登場人物は見る人の目に映る。

そうならない為には、登場人物には、芯の通った行動理念を持たせる必要がある。

行動理念は、設定で決め、決めたら条件を与えてシミュレーションすれば機能するかは確かめられる。

簡単な設定しか固めず、シミュレーションの結果を設定に落とし込む事で、自然な人物設定にする事も出来る。

いずれにしても、登場人物を個性的なキャラクターとして自立させる必要がある。

その為には、登場人物を、その登場人物独自の人生を歩んできた一人の人間として設定するのが、有効な手段だ。

だから、ちゃんとした人物設定は、事細かに人物の設定を記し固めている。

オリジナル登場人物の人生が分からないなら、ヒアリングするのが良い

もし、登場人物が聞いても答えてくれないなら、その登場人物は勝手に動くレベルに達していない。

勝手に動くレベルに達しているか近づいている、あるいは無理やりにでも近づけるなら、人生をヒアリングすると、登場人物は過去を語り、だから今の自分があると語ろうとする。

設定がしっかりしている場合は、語られる過去がブレない。

だから、より強固な人格形成が出来る。

一方で、聞いた設定がブレたり曖昧なままだと、その登場人物は、記憶喪失を隠したり、嘘を付きながら、都合が良いキャラクターを作者の顔色をうかがいながら演じている様な状態に陥ってしまう。

なので、勝手に動いてくれなければ困る登場人物は、年表を作るとブレない過去の獲得に繋がり、それが強固な人格形成を助け、それが行動理念に繋がる。

そうすれば、良い、勝手に動くキャラクターとなる。

登場人物が勝手に動いてくれない事で困っている人は、この記事をチェックや改善に役立てて欲しい。

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