【ネタバレあり感想】『ムーンフォール』を見ました。

ディザスターものかと思いきや

7月29日に配信開始されたCMでもよく見る、あの映画。

「デイ・アフター・トゥモロー」等のディザスター映画を過去に作った事で知られる監督ローランド・エメリッヒによる、最新作「ムーンフォール」を見ました。

以下、感想をば。

スターゲイト、インディペンデンス・デイ側でした。

ローランド・エメリッヒは、デイ・アフター・トゥモローと言う現代が氷河期になると言うディザスター映画を撮っていたので、そっちかと思いきや、同じく監督作品のスターゲイトとかインディペンデンス・デイ寄りの、エイリアンの技術を巡ってエイリアンと戦うと言う要素が強い、どちらかと言えばハードSF作品の香りがするテイストの映画だった。

その辺は、プロローグですぐに「これはエイリアンものですよ」と示してくれるので違和感無く見れるので、いざ見る時は安心だ。

ムーンフォールは、こんな話

2011年に人工衛星修理作業中に未確認飛行物体と見られる不定形の存在に宇宙飛行士が襲われる事件が発生するが、アメリカ政府は隠ぺい。

事件は事故として処理され、事件の当事者であるハーパーは、事件当時気を失っていたファウラーを救ったもののマーカスを事故で死なせた上に、事故をUFOのせいにしたとして全てを失う。

2021年、家族も仕事も仲間も失ったハーパーは、一人孤独に自堕落に生きていた。

その頃、陰謀論者のハウスマンが月の異変に気付き、ハーパーに接触する。

時を同じくアメリカ政府も月が通常軌道を外れて地球に数週間で衝突する事に気付くが、パニックを恐れ隠ぺいを図る。

しかし、ハウスマンが情報をSNSで公開した事が奇跡的にバズり、世界中がパニックとなり、アメリカ政府は動かざるを得なくなる。

ハーパーとハウスマンは家族を保護する事を条件にアメリカ政府に協力し、月を地球に衝突させようと目論む謎の存在への対処の協力をする事に。

2011年の事件でハーパー達を襲った存在は、アポロ11号の時代には存在が確認された月にある謎の技術が由来だと判明し、紆余曲折の末にハーパー、ファウラー、ハウスマンの3人は地球スレスレを落ち続ける月へと退役したスペースシャトル、エンデバー号によって乗り込む。

月の引力を利用して月へと到達した一行はUFOに襲われるが、攻撃をかわしつつ月内部に。

すると、月が実は人類よりも技術が進んだ異星人が作った白色矮星を利用したダイソンスフィアだと判明。

異星人にって遺されたAIからの接触によって、UFOが異星人を全滅に追い込んだ暴走AIが操るナノマシンの集合体と判明。

ハーパー達は異星人の技術を使い船を修理し、ダイソンスフィア内の迎撃システムで暴走AIを弱らせ、自分達が持ち込んだEMP兵器によってAIを撃退する事に成功する。

暴走AIの停止によってダイソンスフィアの制御が正常に戻ると、月は元の軌道に戻っていき、世界は平和となった。

SF描写は良い

ナノマシンロボット、暴走AI、ダイソンスフィア、リングワールド、超古代文明、SF要素は面白く、そう言う設定好きはビジュアルとして月の内部と言う小さなスケールだがダイソンスフィアが描かれる画は、まあまあ面白く感じる筈だ。

他にも、近すぎる月の引力を利用しての壊れたスペースシャトル打ち上げとか、テーマに合った見たいシーンは結構ある。

月が通過すると空気が薄くなって酸欠になる等も、科学考証なんてどうでも良いと思えれば、かなり良かった。

スケールが超小さい

テーマに反して、本作はとにかくスケールが小さい。

視点も舞台もアメリカの一都市からほぼ出ず、月が落ちてくる一大事なのにアメリカの一都市で起きた大事件程度に見えかねないスモールスケールだ。

これが、結構マイナスに働いていて、作品をチャチに見せている。

地表スレスレを落ちる月に取りついて、脱出したら上手い事アメリカで、すぐに回収部隊が来て、避難場所を目指していた家族と感動の再会とか、この世界の地球はどうなっているとか、アメリカ政府先回りで動くの有能すぎとか、とにかく狭い範囲で全部が完結している。

ハーパーとハウスマンの回収も、どうやって集会所の場所を政府が知ったんだって感じ。

登場人物の処理が雑と言うか、やる気ない

ディザスターものの側面があるので様々な人が登場するのだが、登場人物の処理がとにかくひどい。

「起・承・転・結」的に見ると、大半のキャラクターは「起・転」で処理され、結と言うには雑なラストを迎え、使いっぱなしの作品に都合が良い動きをするだけのリアリティの無い脚本に踊らされる演者にしか見えない。

ファウラーの元夫、ハーパーの元妻の再婚相手、ハーパーの息子、陰謀論者の皆さん、打ち上げに協力する人々、とにかくみんな酷い。

暴徒となって襲ってくるチンピラとのカーチェイスも、取ってつけた感が凄い。

だが、アトラクション映画としては結構良い

遊園地の体感型ライド的な見方をすると、落ちてくる月を止める為にスペースシャトルで乗り込み、月内部を遊覧し、暴走AIをEMPでワンパン黙らせ、地球に帰還すると言う目まぐるしい展開は、結構面白い。

科学考証とか、脚本の練り込みとか、そう言うのは本作は捨てている。

そもそも、陰謀論がもしも本当だったらと言うコンセプトなので、設定の多くは荒唐無稽のままだ。

監督が明らかに「すごい画の映画を作りたい」と言う部分に力を全振っている。

なので、監督が「こう見て欲しい」と言うスタンスで見ると、普通に見れる。

ローランド・エメリッヒの好きを詰め込んだ、キメラ映画

本作は、随所で監督の過去作の要素が強く感じられる。

EMP起爆の囮になる為にハウスマンが残り犠牲になるとか、脚本的にはハーパー救済と言う意味があるが、設定的には穴だらけだ。

大事なのは、SF設定とか基本設定では無く、冴えない掃除係の自称博士な陰謀論者が、本物の英雄の心を救い、地球も救い、真の英雄になって死ぬ事を描く事と言うスタンスだ。

ハーパーとハウスマンは、インディペンデンス・デイのラッセル(酔っ払いの飛行機乗り)を二人に分けた様なキャラクター性だ。

ハウスマンの死はあまりにも分かりやすくお涙頂戴で作られた感動ポルノ的側面もある。

だが、それでも劇中のハウスマンはハーパーの相棒として機能し、コメディリリーフとして役目を果たし、地球に子供が待つハーパーとファウラーより、認知症で自分の事も忘れる母親しかいない自分が犠牲になり、マーカスの立ち位置でハーパーの心を救って自爆を選ぶ展開は、映画に対して「ひっでぇ」と言う感想を抱きながらも、ちょっと「ぐっ」と来てしまう所もある。

終わりに

映像以外は、かなりお粗末な出来だが、まあまあ楽しめる作品だ。

ディザスターものと言うよりは、遥かに陰謀論者の様な現実の日陰者が自分が正しかった事を証明する部分が面白い。

クソ映画耐性が強い人ほど、コメディ的にも楽しめるし、SF警察や科学考証警察も、サンドバッグとしては叩く所の方が多くて楽しい作品だろう。

個人的には、二度と見ないが、嫌いになり切れない、ローランド・エメリッヒの好きが詰まったダメ映画と言う感想である。

基本的に金を払ってまで見る事は強くおススメしないが、見るなら倍速再生にして遊園地のライドを楽しむ様な感覚で見ると楽しめるかもしれない。

せめて、登場人物の処理が丁寧だったら、もう少し評価は上がるんだけど。

感動薄いアルマゲドンとインディペンデンス・デイと銀河ヒッチハイクガイドを足して割り過ぎた何かと言う感じか。

ムーンフォールを見るなら、それらをバラで3本見た方が、満足度は高いだろう。

追記:ラストの

ラスト、ハウスマンが勝手にスキャンされてダイソンスフィアのAIにされると言う救済が描かれるが、元からいる管理AIがハウスマンと共に何をしようとしているのかは、正直言って劇中の描写だけだと1順位では理解できない。

と言うか、続編を作る気なのか、崩壊した地球をダイソンスフィアのオーバーテクノロジーな3Dプリンターで修復でもしてくれるのか、実は旧人類が残したAIには別の狙いがあるのか。

なんとも、モヤる引きで終わる作品である。

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