【ネタバレあり感想】『シスター戦士 シーズン2』を見ました。

盛り上がりも、引っ掛かりも

ネットフリックス配信ドラマ「シスター戦士(Warrior Nun、ウォーリア・ナン)」のシーズン2を視聴したので、感想を。

好きな部分も沢山あるんだけど、目に余る部分も。

シスター戦士とは?

シスター戦士とは、アメコミを原作とした海外ドラマである。

原作は本国では、一定の人気があり、映画やアニメにもなっているらしい。

ドラマ版は、原作の設定やキャラクターをベースにした結構別物との事。

シーズン1のあらすじ

孤児だった19歳のエヴァは一度殺されるが、運命の悪戯から謎の遺物「ヘイロー(天使の輪)」を埋め込まれ死体安置所で蘇る。

ヘイローは選ばれた人が埋め込まれると特殊能力を授かるアイテムで、キリスト教会が秘密裏に管理している聖遺物であった。

指揮官のヴィンセント神父、実行部隊の武装シスター達と協力し、教会に隠された1000年前の秘密を解き明かし、悪魔から世界を救おうとヘイローを巡る戦いに巻き込まれたエヴァ。

武装シスターで構成される教会の秘密機関で訓練を受け、自身もシスター戦士として成長していく。

シーズン2のあらすじ

実は裏で糸を引いていたヴィンセント神父の裏切りによって、1000年もの長き時を地下で投獄されていた人智を超える存在アラドリエルは、復活してしまう。

そんなシーズン1のラストバトルから数ヶ月後。

アラドリエルは自身を救世主として世界征服に動き出し、人々に奇跡を見せて勢力を伸ばしていた。

完全敗北したシスター達は、社会に溶け込んで姿を隠し、反撃の時を伺っていた。

エヴァはベアトリスと酒場で潜伏。

逃亡生活の中で仲間のシスターであるメアリーは死亡。

シスターリリスは身体が悪魔の様に変化して苦悩し、助けを求め彷徨う日々。

ポータルからアラドリエルの世界へと旅立ったマイケルは行方不明のまま。

そんな時、サマリタンズと名乗る反アラドリエル団体が戦っている事を知り、エヴァとベアトリスは行動を開始する。

アクションシーンは魅せてくれる

本作は、長回しのアクションシーンがけっこうある。

銃、剣、短槍、ナイフ、様々な武器や特殊能力でのバトル描写は洗練されていて、エヴァ対リリス、エヴァ対アラドリエルと言ったメインマッチ以外にも、戦闘員達とシスターが入り乱れての戦闘も凄い。

中でも、ベアトリスの無双シーンはクール。

実際に上位存在が現れてしまった世界の行方

本作のシーズン1では、それまで何も持ってなかった主人公が、武装シスター達と言う仲間と居場所、そして世界を救うと言うシスター戦士の使命を得て、人生を取り戻す物語が描かれた。

と言っても、世界を救おうと秘密結社に入って正義のテロに加担していたつもりが、実は普通にテロだったと言う衝撃的な終わりからの、教会の地下に封印された天使アラドリエルと言う悪魔の復活に手を貸してしまうオチだ。

シーズン2では、復活したアラドリエルによって世界が支配されていく描写と、それに抗う教会関係者達の戦いが描かれる。

何といっても面白いのは、本当に本物の天使が現れてしまった世界で起きる変化だ。

多くの人が想像する様な天使や神と言った概念とは外れた存在で、アラドリエルは異次元からやって来た異邦人でありながら、教会はアラドリエル由来の奇跡を宗教に利用してきた過去があるという設定で、アラドリエルはこの作品世界では、間違いなく本物の神の世界の一員である。

アラドリエルは地球上の物質では殺しきる事が出来ない設定で、アラドリエルがいた世界の物質でしか致命傷を負わす事が出来ないので、条件付きだが不死身だ。

そして、様々な超常的な力を実際に持ち、普通の人には見る事も触れる事も出来ない悪霊レイスを従え、レイスを憑依させれば人を操る事も出来る。

さらに、異世界由来の科学を操って、自分の力を超える力を奇跡として人々に示し、信仰心を集めれば集めるほど強力になる。

アラドリエルは、自身を利用してきたキリスト教会を利用する形で、救世主として世界征服を狙い動くが、やり方こそ問題はあるが、キリスト教会にも大きな問題がある事で、悪者なりの動機や根拠に説得力があり、キリスト教会側の分が悪い。

アラドリエルによって見える奇跡と、会いに行けて、テキストメッセージやテレパシーで応えてくれる本物の神の力を持つ存在を示された世界は、様々な反応を返す。

邪悪さを許容出来ないキリスト教会は反発しても、奇跡も道理も力もあるアラドリエルには勝てず、それまで俗物的に権威主義的に腐敗した教会では成す術もなく、従う者以外は殺されてしまう。

一方で、一般の人々は洗脳されたり憑依されたりもあるが、本物の奇跡を前に信仰心に火が付き、アラドリエルを求める者は増えていく。

マイケルの正体

小さな謎として登場する、マイケルの正体。

実は、マイケルは異世界に旅立ったミゲルで、地球では数ヶ月しか経っていないが、800倍の速さで進む時間差がある異世界で15年ほど成長した姿と判明し、異世界ではレヤにアラドリエルを倒す為のコマとして育てられ、人間爆弾に改造されている。

肝心のアラドリエル戦が、グダグダ

シスター達は、アラドリエルの伝承から異世界由来の物なら倒し得る事を突き止めるが、キリストの茨の冠伝説の事実を知って求めるが、上手くいかない。

ヘイローとシスター戦士の剣、茨の冠、アーク(異世界に繋がるポータル)、ディヴィニウム(異世界由来の物質)、等の異世界由来のアイテムがあるが、アークはアラドリエルに奪われるし、ヘイローと剣では力が足りず、茨の冠をかぶせる作戦も失敗。

アラドリエルが恐れる異世界の支配者レヤが、マイケルを人間爆弾にしてアラドリエルにぶつける物の、悪魔化したリリスの邪魔によって致命傷にならず。

よりにもよってアラドリエルは無事なのに、異世界由来の人間爆弾となったマイケルの一撃で一番被害を受けるのは、起爆させたエヴァと言う皮肉。

万策尽きた時、エヴァはヘイローを使って異世界の精霊タラスクを召喚し、捨て身でアラドリエルにぶつける。

タラスクは悪魔の様な見た目だが、アラドリエルが逃げ出した異世界の支配者レヤの忠実な僕で、レヤの命令でアラドリエルや異世界由来の遺物を狙って動いている。

タラスクの群に囲まれたアラドリエルは成すすべなく爆散させられ、完全に死亡し、タラスク達はアラドリエルによって茨の冠を頭にのせられる直前で助かったレヤの命令で異世界にレヤと共に戻っていく。

致命傷のエヴァは一縷の望みを託して異世界にレヤを追ってヘイローと共に姿を消し、しばらく時が経った頃にヘイローに反応するシスター戦士の剣が淡く光ってシーズン2は終わる。

アラドリエル戦が、割と盛り上がりもあるのだが、肝心の構成がグッダグダで、タラスク召喚で倒す絵は派手だが、そこまでの頑張りの無駄さに目が行く。

結果的にレヤがマイケルを人間爆弾にしてアラドリエルにぶつけようとしたのも居場所さえ分かるならタラスク軍団を送り込めるなら、計画として愚策も愚策で、意味不明だ。

悪魔化したリリスも、マイケルを殺して今シーズンでは戦犯も戦犯なのだが、アラドリエルが爆散したら中立みたいな顔をして意味ありげな事を言って姿を消すし、最後のまとめがとにかく酷い。

スザンヌ修道院長とジリアン博士

シーズン2は修道院長無双と言って良いぐらい、修道院長が優遇されている。

実は元ヘイロー適合者だった事が分かったり、仕込み杖で大立ち回りを始めたりとカッコイイシーンから、孤軍奮闘の末の泣かせる戦死からのヘイロー適合者だった事でのエヴァを介してのヘイローによる蘇生と感動もあり、更に卑猥なドーナツを食べたり笑いにまで貢献して、大活躍だ。

後方司令官と思いきや、実は牙の折れてない現役の老兵と分かる感じは、イカしている。

なのだが、爆弾のスイッチウッカリ渡され、壊し、起爆も失敗と、脚本的問題点から変な動きもさせられたのは可哀想。

一緒にいたジリアンも被害者だし、マイケルが無駄死にしてしまいジリアンは本当に可哀想。

ドゥレッティとヴィンセントの師弟

メインのストーリーラインで目立つアラドリエル戦の最後は酷い物だ。

だが、そこに至るまでの、悪者みたいで俗物的で性格最悪な教皇ドゥレッティ(シーズン1では枢機卿)と、彼に救われた過去がある裏切り者ヴィンセントのエピソードは、目立たないが重要だし、とても良い。

元々チンピラだったヴィンセントは、ドゥレッティに救われ、教会に入った過去がある。

ヴィンセントは元々依存体質で、とにかく何かを支えにしないと生きられない弱い人間として描かれ、暴力や薬物から信仰に依存先を変えた物の、アラドリエルによって救いを提示されて、形ある神の存在を知って道を踏み外す。

そんなヴィンセントだが、アラドリエルに救いを求め依存先を変えただけで、世界を本心から救いたかっただけで、悪気は無い。

シーズン1でシャノンと言うヘイローの前任者を殺したり、裏で糸を引いていたのも、救いを求めての事だ。

だが、アラドリエルの計画で、キリスト教を社会的に失墜させる為に、恩人だったドゥレッティ教皇が罠にはめられ、最後にはアラドリエルが機械的に発生させた神の雷によって教皇が神の裁きの炎に焼かれ死ぬと言う姿を世界中に中継されてしまう。

このアラドリエルの皮肉の効いた演出によって、キリスト教会は完全敗北し、キリスト教の神はアラドリエルのモノとなってしまう。

しかし、ヴィンセントは性格最悪だが本心から神と人々につくして来た恩人のドゥレッティの死を目の当たりにして初めて、アラドリエルが依存先として間違っていた事に気付き、今度はアラドリエルを裏切り、エヴァ達に協力してドゥレッティの仇を討とうと動き出す。

この、超性格最悪なドゥレッティと、裏切りまくり依存体質ヴィンセントの師弟が地味に良い。

まあ、アラドリエル戦のグダグダで、なんとも言い難い処理をされ、即裏切りがバレたり、茨の冠もレヤの情報をエヴァに伝える一点以外役に立たなかったり、色々と惜しいのだが。

エヴァとベアトリスの恋愛描写

アラドリエルからの潜伏生活を通して親友の様な距離感となったエヴァとベアトリスだが、最後の最後で好き合っている事が分かり、エヴァが異世界に旅立つのを見送り、元の生活に戻ってエヴァを待ち続けるベアトリスが描かれる。

親友では無く恋人にしてから別れさせるのは、わかるっちゃわかるが、ちょっと唐突な気も。

ポリ、コレ?

メアリーの代わりと言わんばかりに、唐突に仲間になって大活躍を始めるシスター・ドーラ。

エヴァとベアトリスの同性愛や、補充要員の様に活躍しだす黒人女性キャラクターと、うっすらとポリコレの闇を感じる。

だが、本作の場合は、同性愛は根拠となる潜伏生活や交流が描かれているし、ドーラもモブの割に活躍し過ぎなだけで余分だが邪魔と言う程でなはい。

その点は救いだが、それよりもメアリーが唐突に死亡設定となって、補充で似た様なキャラクターが出てきたのは、俳優の降板とか裏事情とか何かあったのだろうか?

ドーラ登場シーンは、一瞬「メアリー生きてたっ! すっげぇ燃える展開じゃん!」とヌカ喜びさせられてしまった。

メアリー良いキャラだったから、勿体無いなぁ。

まとめると

院長とか、教皇と神父とか、平均年齢高めのキャラクターの活躍が熱くて良かった。

また、天使が降臨してグチャグチャになるキリスト教のある世界と言う世界観も、非常に面白かった。

見る人によっては、キリスト教観次第では受け入れがたいかも知れないが、見所は沢山ある作品である。

惜しいのは、クライマックスとか、透けて見える裏事情が作品のノイズになったり、ケチを付けている点だろう。

個人的には、どう考えても悪者にしか見えないし拷問とか平気でやっちゃうドゥレッティ教皇がキャラクターとしては結構好きだったりする。

公衆の面前での尊厳破壊の上で重ねて尊厳破壊処刑されちゃったけど、ドゥレッティの死がヴィンセントに茨の冠をエヴァに託させて、アラドリエルが唯一恐れる存在レヤの助力に繋がったと言う意味では、ドゥレッティ大活躍だし、トータルでは良い扱いのキャラクターだったよね。

俗物で権威主義っぽくて性格最悪なのに実は、ってキャラのギャップもシーズン1から引き続き良かった。

終わりに

完全にシーズン3を見越した終わり方をしたシーズン2だったが、アラドリエル戦のグダグダや、特殊効果の下手さ、そう言う粗の部分が目立つ事で、シーズン3に期待するのが正直怖い。

劇外でメアリーが死に、無駄死にでマイケルが爆散し、役に立ったが酷い死に方でドゥレッティがコンガリ逝き、シーズン1から困った子のリリスは中立みたいな空気出しつつ戦犯待った無しと、あまりにもマイナス失点が多い。

ジリアンが起爆装置をスザンヌに渡すシーンも不自然だし、同性愛や黒人シスターの唐突な追加も急で、脚本的都合やポリコレによってキャラクターの挙動が歪んでいるのを感じると、勘弁して欲しいと言う気持ちになってしまう。

仮にシーズン3を作るのであれば、ベアトリスやスザンヌの見せ場でやった超カッコいいアクションシーンとか、もう少し視聴者層が求めている要素を大事にして欲しい物である。

良い部分は本当に良いので、そちらを伸ばして欲しい作品だ。

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