大・団・円!
ネットフリックス配信映画「ヒルダと山の王」を見たので、感想を。
引っかかる所もあるにはあるけど、感動の最終回でした。
本作の位置付け
本作は、連続アニメシリーズのシーズン2の後の話で、映画で単体の話で無く、シーズン2の続きにして完結編と言う感じである。
なので、単体で見ると、色々設定が分からなくなる事、間違い無し。
本作に繋がる話の詳細は、
【ネタバレなし感想】「ヒルダの冒険 シーズン1&2」を見ました。
を参照してね。
あらすじ
<内容>
目覚めたら自分がトロールになっていた…! 勇気とちえをふりしぼり人間にもどる方法をさがすヒルダは、トロールバーグを救い、ママの元へ帰れるのか。
公式引用
大仕掛けありきの弊害
本作は、状況構築が優先されていて、黒幕達の動機や計画が、驚くほど緩い。
それまでのエピソードでも緩い話はチョコチョコあったのだが、黒幕達の計画は緩いのは問題がある類の計画で、動機の弱さや計画の雑さが、非常に目立つ。
肝心のチェンジリング計画がフワフワで、山の王のトロールバーグ壊滅計画も計画通りなのか計算外だったのかを考えなくても詰めが甘い。
トロールが、文化こそ違うが知性がある生物として描きたいのか、抜けた所がある頭が悪い生物として描きたいのか、そこに設定の詰めの甘さを感じた。
母と子の物語としては、滅茶苦茶良い
状況構築優先によって黒幕が微妙な一方、そんな強引な状況構築をしてまで作りたかった状況を利用しての、母と子を巡る数々のエピソードは、涙腺に来るぐらい出来が良い。
その中でも、ヒルダを心配する母ジョアンナの活躍は、シーズン2ラストに続いて泣かせてくれて、二人が再会するシーンのカタルシスは、とても強い。
物語全体を通しても、ヒルダは母と娘の物語だったと言う仕掛けも面白く、その点では、非常に良く出来ていた。
活躍は限られたキャラのみ
1時間24分と、4話分ぐらい使っての長いエピソードでは、歴代一番の大事件が起きて、トロールバーグに大きな危機が迫る。
しかし、状況的には集大成的な所があるが、あくまでもシーズン2の完結編と言う位置付けで、これまでのエピソードの様に登場キャラクターは良い意味で絞られ、仲間達が全員集合の様なカタルシスは無い。
あくまでも、シーズン1から登場してきたトロールと、シーズン2で登場したトロールバーグの象徴とも言えるエリック・アールバーグ一族との誤解が解けるまでのエピソードだ。
その為、カイザを含む魔女達は魔法がトロールと相性が悪いと傍観し、出番は少ない。
ウッドマンみたいな順レギュラーでも出番が無く、水の精、巨人のヨーゲン、リンドヴルム、クラーケン、サンダーバード、ビットラ、マーラ、ブラーガ族エルフのバーテルとアグネス・天気の精、ビクトリア・バン・ゲール、ニッセ、ジェリービーン、ゴーストとドラウゲン、スワンプマンとヴァイキング、グリーラ、ユールラッズ、等の魅力的なキャラクター達は、再登場して欲しい人気キャラでも映画版では登場しない。
シーズン3が今後あり得るなら良いが、もしも映画で完全に完結ならば、その姿をもう一度見たかったと思わずにはいられない。
終わりに
是が非でもシーズン3が見たい。
シリーズ通してみんな好きだけど、特に好きなキャラは、トゥイッグとカイザとウッドマンかな。
鳩のセドリックは映画的に美味しい役回りだったし、エリックの部下ゲルダ・グスタフの真面目で有能で善人だけど上司に恵まれてないのも良かった。