どうすればデスゲームを作れるか
デスゲームとは、敗者が死ぬ事があるゲームを指す。
その中でもジャンルとしては、ほぼ強制参加させられる作品を指す言葉だ。
つまり、ゲームの勝敗の結果死ぬゲームは、基本的にデスゲームである。
ジャンケンで負ければ死ならデスゲームだし、マリカーで負けて殺されるならデスゲームだ。
しかし、ジャンルとして「これぞデスゲームのゲーム」ってゲームがある。
今回は、そんなデスゲームに出てきそうなゲームの作り方を、デスゲーム自体を含め解説する。
デスゲームに人を集める仕掛けを作ろう
デスゲームは、負ければ死ぬ事がある。
そんなゲームには、普通参加したくない。
だから、人集めに工夫が必要になる。
参加に本人の意思を尊重する場合は、賞金等の餌で釣ろう。
餌の大きさ次第では自主的に人を集められる。
参加者の意思が関係無い場合は、強制的に人を集める方法を考えよう。
強制で集める際は、何かしらの一定の法則で集めると、そこにドラマが生まれやすい。
一度集め参加が決まったら、死以外の棄権や脱出は不可能にするか厳しい条件を付けて逃げられなくしよう。
デスゲームの基本は、既存ゲームの改変で作る
デスゲームに使われるゲームは、既存ゲームそのままか、ゲームの改変で作るのが基本だ。
完全オリジナルの全く新しいゲームを作っても良いが、その場合はシンプルにする必要がある。
既存ゲームの改変にするメリットは、ルールの半分以上を読者・視聴者も含めた作品の全参加者が理解しやすい為だ。
完全オリジナル新規で作る場合にシンプルにするのも、ルール把握に時間を取らせない為である。
デスゲームを開始したのに大半の参加者がルール違反で消えたり、ルール違反したのかの判別が出来なかったり、ルールを確認しながら手探りでは、場に変な空気が漂ってしまう。
出来るだけゲームのプレイルールはシンプルか知っている物をなぞった方が良い。
デスゲームに深みを持たせるメタ攻略
デスゲームと言えばコレ。
参加ゲームのプレイルールは既存の流用やシンプルながら、メタ(高次の)な攻略、つまり暗黙のルールや隠された法則、主催者の意図を攻略に入れ込む事で、優位に、あるいは都合良くゲームを進める事が出来ると言う物。
これが無いとデスゲームは盛り上がらない。
メタ攻略を可能とするには、いかにズルをする余地があるか、場外戦法をする余地があるか、この辺が重要になる。
強いられるゲームと言うルールで縛られた世界に対して、メタな一個外の世界からの攻略が可能だから、ゲームを越えた裏のかきあいが起き得るわけだ。
デスゲームの果てに
デスゲームは、いずれ終わる物。
ゲームは勝敗がついて終わり、主催者も目的を果たしたらデスゲームを開催する必要が無くなる。
デスゲームをどう終わらせるか、勝利して終わるのか、デスゲーム自体を壊して終わるのか、主催者が勝ち逃げして終わるのか。
どうやって個別ゲームをデザインするか
既存ゲームの改変でもシンプルな完全オリジナルでも、どうやってメタの余地があるデザインをすれば良いか。
身も蓋もない結論を書けば、メタな攻略は工夫次第でいくらでも作れる。
ジャンケンで負けた方が死ぬとした場合、先に「絶対グーを出す」と宣言すれば、それは心理戦と言うメタな戦いの始まりとなる。
ゲームのルール外にある駆け引きを起こす余地がメタ攻略には必要だ。
メタ攻略を含めたデザインをする時は、ゲーム環境を取り巻く全体像を把握するとデザインがし易くなる。
ゲーム環境をも取り巻くメタ環境の全体像を俯瞰する事で、メタ領域に何が出来る余地があるかが神の視点で見えてくると言う訳だ。
現実で有名なルーレットのメタ攻略法に、ボールがどこに入るかの統計を出し、ルーレットの経年劣化による人は目視で気付かない僅かな傾きに気付いて、高確率で入る数字に賭けて短期間で荒稼ぎすると言うのがある(バレると出禁)。
カードゲームの中にはカウンティング(カードを把握し数える行為)で優位にゲームを進められる物もあるし、コンピュータゲームのバグ利用攻略もメタ攻略の一つだ。
先に書いた心理戦もメタ攻略と言えるし、自分だけが分かる印をつけてカード等を優位に選ぶのも並びを操作するのもイカサマであると同時にメタ攻略だ。
相手がイカサマをしている事を利用してのメタ攻略もあり、そこは裏のかきあいである。
このメタ攻略の余地をどこに持たせるかが分かれば、どんなゲームもデスゲームに使える。
ちなみに、前回大会参加者の利用や参加もメタな要因の一つだ。
デスゲームを盛り上げる葛藤と裏切りの疑心暗鬼、そして高難度
デスゲームでは、メタ攻略が重要だが、メタ攻略をするとゲームを優位に進められてしまう。
これは、素の状態だとゲームによっては攻略がスムーズに進み過ぎてしまう。
そんな時に、まず役立つのが、葛藤と裏切りの疑心暗鬼だ。
葛藤は、メタ攻略をしてなお、切り捨てなければならない選択を迫る事で生まれる。
例えば、共闘関係を作った仲間を一人切り捨てなければならないとか、仲間同士で戦わないとならない等で、葛藤がいくらでも生まれる。
裏切りの疑心暗鬼は、全員が強力すればクリアは簡単なゲームだが、抜け駆けすると独り勝ちが出来るルールの時に、信用出来ない人がチームに交じっている時に機能する。
誰が裏切るか分からないがメタ攻略の為には証拠が無ければやるしかなく、疑いたくない気持ちと裏切り者の暗躍によって破滅の道に進まされ、敗北一歩手前で裏切り者の存在に気付く事になるのがお約束だ。
当然、負けない為には、裏切り者によって陥ったピンチの状態からの逆転する攻略をしなければならない。
限られた手札や時間の中で、どう大ピンチを乗り切るかを描く事でゲームは大いに盛り上がる。
そして、シンプルにデスゲームの相対する相手が強力である事が、盛り上がりには不可欠だ。
こんなヤツ本当に倒せるのかよと言う相手を攻略するからこそ、ゲームを見ていて面白い。
ゲームルールは運営も作者も順守しよう
メタ攻略は、あくまでもルールの拘束が無い場所でのみ公にできる。
ルールで縛られている部分をメタ攻略するのはズルであり、表立って攻略は出来ない。
主催者は、提示したルールを絶対に守った方が、デスゲームが面白くなる。
ゲームのルールがあってない様な状態だと、ゲームを真面目に攻略する事の面白さが破綻し、ゲーム的な面白さが望めなくなるからだ。
このルール順守は、相手がルール違反をしている事を突き止め公表し証明出来れば、ルール違反を理由にしたペナルティによって相手を倒せると言うメタ攻略を可能とし、ゲームの面白さにはプラスに働く。
運営がルール違反をしている設定の場合、それを暴いたら違反運営が上から断罪されるぐらいに作品としてはルールを順守した方がゲームは面白くなる。
ルール無きゲームは、もはやゲームでは無い。
終わりに
メタ攻略が可能なゲームであれば、デスゲーム物を彩るゲームとして機能する。
何をデスゲームにするかは、ゲームジャンルやベースゲーム、あるいは既存のデスゲームのテイスト等から決めてみよう。
- 脱出:SAW、キューブ、ダンガンロンパ、メイズランナー
- バトルロイヤル:バトル・ロワイアル、Fate、ブトゥーム、十二大戦、ダーウィンズゲーム、ハンガーゲーム、魔法少女育成計画、未来日記、ローゼンメイデン、断裁分離のクライムエッジ、H×H(グリードアイランド編)、呪術廻戦(死滅回游編)、東のエデン、ブルーロック
- 対称バトル:C、selector、ぼくらの、少女☆歌劇レヴュースタァライト、カイジ、イカゲーム、賭ケグルイ、ライアーゲーム、トモダチゲーム
- 非対称バトル:ガンツ、SAO(アインクラッド編)、カイジ(沼編等)、魔法少女まどか☆マギカ
この中には、死なないが死に匹敵する罰がある物も含んでいるが、まあ参考までに。
どうしてデスゲーム物を書きたいと思ったのか、その切欠のゲームや作品を参考にするのが最初は良いだろう。
命を奪い合う事が大事なのでは無く、大事な物の奪い合いが重要であり、大事な物の最たる物が命で、それと同列に大事な物を奪い合えばそれはデスゲームと同列と言える。
オリジナルゲームを作る方法
既存ゲームの改変は嫌だ、と言う人の為に。
どうすればオリジナルゲームを作れるか。
ゲームの作り方の基本は、現実の仕組みをゲームに落とし込む事にある。
つまり、オリジナルゲームを作るには、現実の何らかの仕組みを、ゲームと言う形に記号化や抽象化して落とし込む必要がある。
そこに、どうしたら勝ちかと言うゲームの勝利条件や行動目標、点数が入る仕組み等を設定すれば、オリジナルのゲームを作る事は十分出来る。
現実の世界で、点数を競い合ったり、勝利条件を競い合う様な物を探せば良い。
それは十分ゲーム化出来る可能性がある。
しかし先にも書いたが、デスゲーム物として登場させる場合は、シンプルさや分かりやすさが重要だ。
プレイヤーも見ている人も一発で分からないと、そもそもゲームにならない。
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