設定って、どうやって考えれば良いの?
世界設定、歴史設定、人物設定。
創作の際、必要になる様々な設定が存在するが、それら設定はどうやって組み立て、設定として設定(作り設け、定める)していけば良いかご存知だろうか?
設定とは独立して存在出来ない物
意味ある設定は、絶対に独立していない。
例えば、コンピュータゲームの音量設定を変えたら、ゲーム中の音量が設定通りに変更されるだろう。
BGM、SE、キャラクターボイスの大小や有無を設定で変えたら、それが反映されなければ設定の意味が無い。
何を当たり前の事をと思うかもしれないが、物語の設定を作る際、そんな当たり前の事を忘れてしまう人が結構いる。
世界観や登場人物の設定を練って、定めて、それが本編で何の意味もないなんて事は、真面目に結構あるのだ。
設定とは、独立して存在する事は出来ず、独立して存在している設定は意味が無い設定となる。
ゲームの設定画面で音量の大小や有無を変更出来ても本編にそもそもBGMもSEもキャラクターボイスも存在しなかったら、設定の意味が無い。
設定とは必ず、定めれば設定によって影響を受ける物があり、変えれば一定の範囲に影響を与える。
設定は世界のルールと歴史に影響され、影響する
設定を局所的に考えたり付け足したりする事は、実は、出来ない。
局所的な物にする場合は、それ自体を設定で定める必要があり、局所性にリアリティがある設定を練る事が求められる。
設定とは、その作品の、世界観の、登場人物の、ルールや歴史に影響されるのが基本であり、前提だ。
それは同時に、設定を優先する場合に、設定はルールや歴史に影響を与える。
例えば、魔法が使える世界設定の場合、魔法の存在が世界のルール設定に影響を与え、それは世界の歴史にも影響を与える。
魔法の存在が前提のルールと歴史である事が求められる様になり、その前提で全てを練っていく必要が出てくる。
つまり、現実の世界に魔法だけを付け足す様な設定をする場合は、局所性に現実味を感じられる設定が必須で必要になり、魔法に局所性が無いのであれば世界が魔法が当たり前の前提で練り直されている必要があり、現実の世界と瓜二つなのに魔法が常識的な世界を描きたいのであれば、そのリアリティを実現する設定が必要となる。
この、設定による影響の仕方をコントロールし、管理する事が設定には必須であり、これを面倒臭がるとリアリティが無い世界になっていってしまう。
設定の特別性と局所性
設定内容の局所性判断は、設定が劇中世界でどの程度の特別さがあるかで判断出来る。
この特別さは、その世界の常識や一般的な事によって決まってくる。
例えば、瞬間移動が使える設定としよう。
瞬間移動が常識の世界なら、局所性は無く、世界が瞬間移動が存在する事を前提に存在する事になる。
そうなると、歴史もルールも瞬間移動ありきとなる。
道路のインフラは必要ないかも知れないし、扉の無い部屋が常識かもしれない。
瞬間移動を前提とした交易、建物の配置、家具の配置、防犯、あらゆる事を考える必要がある。
瞬間移動が存在するが、使用に制限があったり知っている人が限られる場合は、世界はその前提となる。
瞬間移動を主人公以外が使えず、誰も知らないなら、世界はその前提となるだろう。
瞬間移動が特別になればなるほど、それが特別な理由と、なぜ誰かが独占状態なのかの設定も必要になる。
そして、それらの設定は、物語であれば、意味ある設定とする場合は劇中で描く必要があり、何らかの形で問題や問題解決にも関わってくる事が求められる。
瞬間移動が存在するが特に意味はないとか、面白そうだからで付け足す場合、影響力によっては悪影響が計り知れず、前提が崩壊する事さえある。
物語が問題解決を描く物である大前提があるので、設定が問題や問題解決の前提を崩壊させる力を持っている場合は、変えるか、崩壊させない様に付け足すか、何かしらの手を打った方が賢明となる。
設定には、成り立たせる根拠が必須
設定は、簡単に作り設け、定める事が出来る。
だが、そこにリアリティを持たせるには、そこに根拠が必須となる。
根拠は、読者・視聴者が納得出来るリアリティを持たせる物と、その世界観にマッチした物の両条件を満たした物が欲しい。
例えば、主人公の能力に最強と付け足すとしよう。
最強の設定を付け足すのだから、その世界観の中では最強の存在だ。
では、その根拠は?
筋トレを頑張った、才能があった、特別な薬を飲んだ、魔法の力を手に入れた、そう言った設定は、最強と言う設定を成り立たせる根拠設定だ。
根拠設定もまた、それを成り立たせる前提が必要になる。
そう言った土台があって初めて、設定は表面上だけでなく、実態が伴う強さを手に入れられる。
終わりに
- 設定を前提にした世界のルール
- 設定を成り立たせる歴史の出来事
- ルールと歴史を下敷きにして成り立つ登場人物の設定
この1設定を成り立たせるセットがしっかりしていると、設定を考えたのに何故か薄っぺらいと言う事態を避ける事が出来るだろう。
主人公だけが魔法の力を使える設定にしたい時は、例えば、
- 魔法が存在する世界
- かつて魔法があったが技術が失われた歴史
- 主人公が失われた技術を復活させ魔法を蘇らせた
と言った設定があると、主人公だけが魔法を使えて、他の人は魔法を使えず、かつて魔法があったが失われた世界の上で魔法を独占して活躍する主人公を描いたり出来る。
こう言った設定が連動している前提が崩れると、例えば、
- 時間停止無限アイテム保管庫が一般的な世界
- 時間停止無限アイテム保管庫があるのにインフラや交易が中世ヨーロッパ的な歴史を辿る
- 時間停止無限アイテム保管庫の使い方に主人公だけが気付く
みたいな事態になり、読者や視聴者から「世界の知能デバフ」とか「主人公接待」とか言われ、前提が崩れて感じられる事となる。
この設定は、もし使うなら、
- 時間停止無限アイテム保管庫が一般的な世界
- 時間停止無限アイテム保管庫がある前提のインフラや交易が栄え、物の価値が独特となった歴史
- 時間停止無限アイテム保管庫の今までにない使い方に主人公が気付き革命を起こす
か、
- 時間停止無限アイテム保管庫が一般的でない世界
- インフラや交易が中世ヨーロッパ的な歴史
- 時間停止無限アイテム保管庫を神に授かり使える主人公が、交易で有利に立ち回っていく
みたいな、設定の一貫性と活かし方をどちらかに寄せて考えれば、設定の違和感は大きく減らせるだろう。
また執筆中に設定変更をする際も、設定を変えた時に起きる変化の影響範囲を意識すると、失敗が激減する筈だ。
設定周りが苦手な人は、参考にして欲しい。
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