【神は細部に宿る】ディティール表現の基本【情報密度コントロール】

どう細部を描くか

ディティールとは、細部や細かな点、詳細と言った意味。

創作する際、ディティール表現は非常に重要となる。

とは言え、ディティールは何でも具体的で高解像度にすれば良いと言う物でもない。

どこのディティールをきめ細かく描き、どこのディティールを省略するか、その選択が大事となってくる。

では、そのディティールの選択や、詳細化は、どうやってやれば良いのだろうか?

特徴

ディティール表現をする最優先の候補は、特徴である。

例えば、人を描くとしよう。

絵でも文でも良い。

その人の特徴は、どこだろうか?

顔が良い事が特徴なら、顔のディティール表現が必要だろう。

とは言え、特徴が良く分からない事もあるかもしれない。

では逆に、特徴ではない部分は、どこだろうか?

例えば、腕が二本、足が二本、各手足に指が五本ずつ、と言う説明は必要だろうか?

そう、これは当たり前の部分であり、特徴ではないので表現として省略出来る余地がある部分だ。

特徴とは、特別であり、普通ではない部分であり、同じジャンルの物を並べた時に同じパターンとして処理される要素は、特徴たりえない。

では、手足を描かないといけない時は、そこに特徴がある事が求められる。

隻腕なら、それは特徴となり、ディティール表現の余地がある。

美しい手でも、指が6本と多くても、特徴となる。

ディティール表現は、まず基本として特徴ある部分を最優先にしていこう。

その上で、特徴らしい特徴が無い場合は、特徴を足すか、特徴が無い事が特徴の様な描き方が考えられる。

とは言え、全くの無個性と言うのは逆に難しく、相対的に見れば何かしらの見分けがつくとか差があるポイントがある筈なので、そこを表現すれば特徴となる。

行動や変化

特徴の次は、行動や変化だ。

要は、注目を集めたい所や、気付いて欲しい所である。

ディティール表現を使うと情報量が増え、増えた情報密度に嫌でも意識が行く。

例えば、目が泳ぐ、手を握る、唇を噛む、そう言った人物のアクションやリアクション、ヒビが入る、火が着く、水が染みる、と言った物の変化を描く時は、そこに注目を集める事に意味があり、そこの情報量が部分的に増え、ディティールによってニュアンスが変わる事もある。

間接的変化表現のディティール

アイドルの雰囲気が変わったり、ペットを飼い始めたとする。

特徴ある変化だが、それには何かしらの意味が必ずある。

この様な場合、大抵は人生のイベントを経ており、その結果として雰囲気の変化や、ペット飼育の切欠を得ている。

つまり、置かれた状況と、裏にあった出来事、当人の性格や選択の結果、雰囲気の変化やペット飼育と言う変化があるわけだ。

変化は、切欠が無ければ決して起きない物だ。

その為、間接的な変化表現はイコールで、裏に直接的な変化原因が隠れている。

直接的変化原因によって、間接的変化表現は変わって来て、それはディティールによって表現される。

この間接的な変化の表現のディティールは、感度が高い人であれば、高い精度で「何かあった」事までは察する事が出来て、ディティール次第では裏にある直接原因を推測する事が出来たりする。

この間接的変化表現のディティール表現を扱えると、行間や匂わせと言ったテクニックに繋がり、表現の幅が飛躍的に広がる事になる。

密かに恋人が出来たのか、意識が変わる出来事や出会いがあったのか、それとも別の何かなのか。

経験的運用表現のディティール

実際に体験すると、思わぬ事に気付く事が、何にでもある。

実際に運用していかなければ想像が及ばないディティールと言う物が存在し、その経験的な運用表現のディティールを追求できると、そこには実体性や現実性が宿る事になる。

例えば、スマートフォンのボタン同時押しによる誤った画面キャプチャは、運用経験があると遭遇する事があり、あるあるだろう。

しかし、これはスマートフォンを実際に運用する経験が無いとイメージが難しい、運用した先でこそ気付く事であり、それ故にディティールとなり得る。

可動式本棚が本の入れすぎでハンドルが重いとか、手術の麻酔で唇が麻痺すると涎を口内に留めておくのが大変とか、片方の腕や足が完全麻痺するだけで想像よりも行動が大幅に制限されるとか、探せば幾らでもある。

こう言った経験的な運用表現は、副作用や副産物に注目すると、未経験でも想像し易くなる。

実際の運用を経ないと分からない副作用や副産物なので、起き得る失敗や間違いを想定し、確立した個人や一般の対処法が登場すると、現実感が一気に増す。

例えば、巨大ロボットの歩行による上下運動は人によっては酔う事が想像出来る。

と言う事は、酔い止め薬や、酔いにくくする振動抑制システム、あるいはジェットやホバーやタイヤ等による水平移動と言った物の必要性や利便性、我慢しないといけない事情等がイメージ出来るだろう。

それらにも更に、経験的な運用表現によるディティールアップがあると、更に作品内のリアリティがアップしていく。

これは、リアルでもSFでもファンタジーでも同じ事だ。

ただし、物語のテーマやモチーフに対して一貫しつつ、面白さや魅力アップに貢献しないディティール表現をいくら増やしても、作者の自己満足となってしまうので、どこをディティールアップさせ、どこを省略するかは、しっかり選ぶ必要がある。

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