忠誠に必要な要素とは?
忠犬キャラは好きですか?
恐らく程度はあっても、好きな人の方が多いと思います。
忠誠、忠義、尊敬的服従の精神によって誰かに尽くすキャラクターは、一歩間違えれば盲目的な危うさも孕みますが、同時に自己犠牲的かつ献身的であり、その姿勢は魅力的です。
この記事では、そんな忠犬キャラクターの創り方を説明します。
忠犬キャラ例
この記事で指す忠犬キャラは、
- ヴァイオレットエヴァーガーデン:ヴァイオレット
- エスカフローネ:ディランドゥ部隊
- ガンスリンガーガール:義体
- ガンダムUC:マリーダ
- コードギアス:カレン、ジェレミア、ロロ、コーネリア部隊
- サザンアイズ:アマラ、ホンニャン
- 終末のイゼッタ:イゼッタ
- ゼノギアス:エレメンツ、シグルド、カレルレン
- ダンまち:リリルカ
- 鉄血のオルフェンズ:三日月
- パンプキンシザーズ:ランデル
- ファイナルファンタジー9:ベアトリクス
- フェイトゼロ:ウェイバー
- ブラッドプラス:サジ
- ベルセルク:セルピコ
- まどマギ:ほむら
- リゼロ:レム
- etc.
変わり種だと
- このすば:めぐみん
- ZOEドロレス:故障ラプター
- ワイルドアームズ2:ルシエド
- etc.
等々、多数存在します。
これらキャラクターの特徴としては、
- キャラクター本人が自分の上にリーダー、頭脳、手本、指針、尊敬、崇拝等をする存在を置いている事
- 状況に左右されても一度結んだ忠義・忠誠は揺るがない事
があり、忠犬の様な性格的・行動的特徴がある為に忠犬キャラクターとこの記事では呼んでいます。
忠犬キャラクターの創り方
では、忠犬的性格のキャラクターはどの様に形作っていけば良いでしょうか?
最もスタンダードかつ、汎用性の高い手法を紹介します。
1:不満のある状況
忠犬キャラは最初、不遇な状況に置かれている事から始まります。
不遇にも色々ありますが、悲惨な状態もあれば、モヤモヤと悩んでいるレベルまで様々です。
不遇な状況の中で、問題を抱えたまま過ごしている事で満たされない状態に長く置かれ、不満を募らせる事が重要となります。
忠犬化前が描かれるキャラクターは、この段階を描写されます。
2:満たす存在との遭遇
長年抱えた不満を満たす存在、つまり、忠誠を誓う事になる相手と出会います。
当初は、長年抱えている問題を簡単に解決出来ると忠犬キャラは考えず、不満を解消出来るキャラクターと出会っても簡単に心を開く事は出来ません。
忠犬は、出会ったばかりの頃は緊張していたり、臆病だったり、獰猛だったりと忠犬とは正反対なのです。
3:犠牲の上で満たされる渇き
出会ったキャラクターによって、忠犬キャラクターの不満が少し満たされます。
ただ満たされてもダメです。
リスクを伴った犠牲の上で満たされる必要があります。
例えば、砂漠で飢えて死にそうだったとします。
近くを通りすがった人が「いっぱいあるから」と水と食料を分けてくれるとします。
その人は、間違いなく恩人にはなるでしょうが、それだけです。
ですが、もし「食べ物はこれしかないが分けてやる」と限られたなけなしの食べ物を分けられる事で命が長らえたら?
分けてくれた食べ物が少なくても、その意味合いは違ってきます。
一度、追い詰められた状況下で犠牲の上で助けられると、深い絆が生まれやすくなります。
重要なのは、リスクの伴う犠牲の上で満たされる事です。
4:共通の目的や目標の保持
忠犬キャラクターが犠牲の上で助けられ、心の底から恩義を感じるだけでは不十分です。
絆を結んだ相手との、共通の目的が必要になります。
夢や野望等の壮大な目的の無いキャラならば、一緒に生き延びると言った風な共通の目的で問題ありません。
共通の目的がある事で、共に行動する理由が生まれます。
同じ目標に向かって共に行動し、目的を達するまでが重要です。
5:導きによって良い結果を得る
共通の目的を果たす上で、忠犬キャラクターは能力はあっても何かが足りていません。
足りないから、出会うまで満たされなかったわけです。
ですが、犠牲の上で満たしてくれたキャラクターとの出会いによって、一定の良い結果が出ます。
それは、様々な形での導きです。
道に迷っていたのなら正しい方向を、困っていたなら解決のヒントを、出会ったキャラクターは、正解では無く正解に至る道を示してくれるのです。
道が示され、良い結果が出る。
ここまで来ると、忠犬キャラの中には「この人について行けば間違い無いのかも」と言う気持ちが芽生え始めます。
6:共にいる中で、依存し始める
忠犬キャラは、絆が生まれたキャラクターと引き続き共に行動する中で、以前に正しく導いて貰ったと言う認識を持っており、自身よりも正しい判断ができる筈と、徐々に思考を預け始めます。
「この人ならこう考える」「この人ならこうする筈」と言うシミュレーションも浅い思考でする様になり、ここまで来れば立派な忠犬です。わんわん。
7:忠誠を誓った相手の目的を自分の目的にする
忠犬レベルがアップすると、忠誠相手の夢を叶える事が正しい事や、やらなければならない恩返しと考える様になり始めます。
忠誠を誓った相手やグループを傷つける者は敵と認識するようになり「自分が守らなければ」等と考え始めます。
8:忠誠を誓った相手の一部になる
よりレベルが上がると全てを忠誠を誓った相手に捧げたいと考える様になります。
命がけで忠誠を誓った相手に尽くし始めます。
カリスマに従う親衛隊と言った忠犬キャラの集団は、このレベルです。
魅力的なキャラクターですが、忠誠を誓うべきカリスマの描写が出来て無いと魅力が半減してしまいますので、注意が必要です。
9:忠誠を誓った相手が間違っても気付けない
行き過ぎた盲目レベル。
忠誠を誓った人こそが正しいと長年信じて行動して来た結果、歩む道を間違っても、気付けない状態。
「あの頃の飼い主が好きだった」と気付けると、善人になるパターン。
その為には、飼い主に目の前で裏切ってもらうぐらいしないと、自分から手を切る事は困難である。
敵で登場すると大抵べらぼうに強い。
番外1:忠誠だけが生き続ける
忠誠を誓った相手と離れ離れになったり、死に別れても忠犬キャラが意思を継ぐパターン。
二度と会えなくても絆だけは無くならない。泣ける話が多い。
番外2:忠誠心が暴走する
忠誠から独占したいと言う反転した感情に動かされるアンチ忠犬キャラ。
雑魚だと少女漫画に登場するイケメン親衛隊とかがこのレベルのキャラから、行きつくところまで行くと忠誠を誓った相手の幸せの為なら「勝手に」なんでもするキャラまで幅は広いです。
まどマギ新劇場版のほむら、ゼノギアスのカレルレン、等の闇墜ちキャラクターは、どれも魅力的。
終わりに
以上、忠犬キャラクターの創り方でした。
出会いから描く場合は「1」の不満のある状況描写から。
既に忠犬の場合は「7」以降の姿を描き、過去を匂わせる描写を入れると効果的です。
しかし、このタイプのキャラクターの醍醐味は何といっても「6」に至る話で、絆が出来ていく描写でしょう。
また、最後に注意点として、内容の伴わない忠犬キャラクターは、見ていて不自然だったり都合が良すぎるキャラクターに感じられます。
絆の描写には力を入れましょう。
あと、関連記事で愛される「切ない」キャラクターの創り方なんてのもあるよ。
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