これが本当のカミングアウト
LGBTQ+をメインテーマに据える作品の多くは、初めから見る側がテーマを分かっている事で、当事者の葛藤が描かれる事が多い。
当事者視点や当事者を中心とする事で、カミングアウトをするまでを描くでも、カミングアウトを描くでも、カミングアウト自体に衝撃は、さほどない。
だが、当事者以外の人々がカミングアウト側として、カミングアウトをされる時の気持ちや感覚は、その中でどれほど体感出来るだろうか?
カミングアウト主が隠していたのであれば、全く予期していなかった相手からカミングアウトされる場合が、むしろ大半だ。
つまり、LGBTQ+をメインテーマにした作品の場合、むしろ、不意打ちを喰らうカミングアウトされる側の気持ちは、描きづらいと言える。
で、世の中には、メインテーマをLGBTQ+以外として物語を紡ぎ、その中で唐突に登場人物がカミングアウトする作品が存在する。
そう言った作品の場合、当事者の苦しみを描けない代わりに、カミングアウトを受け取る側の気持ちを見ている者が体感する事が出来る。
この記事では、そんな「思わぬカミングアウト」を、何らかの形で体感出来る作品を紹介していく。
これは余談だが、先日、総理大臣のスピーチライターもしている荒井秘書官の差別発言問題から、岸田総理が秘書官を更迭処分する事件があった。
LGBTQ+がドンドン世界で当たり前となっていく過程の時期だからこそ、新たな価値観や常識に抵抗感を持つ人には、頭ごなしに受け入れろと強要せず、何らかの心構えや変化の切欠が必要なのかもしれない。
自分の大事な家族や親友からのカミングアウトがあれば、価値観や受け取り方、気持ちを変えられる人は多いと思う。
だが、そんな都合が良い事は、そうそう無い。
なので、まずはフィクションの好きな登場人物のカミングアウトを受けて、作者を批判せずに設定を受け入れる練習をするぐらいから、始めるのが良いのかもしれない。
余談の余談だが、原作ファンが既にいる作品のキャラクターを勝手にポリコレフィルターで設定改変すると、作者批判しか起きないので、注意が必要だ。
やる時は、完全新作か、原作ファンが許してくれる方法を選ぶ事が肝心となる。
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