創作論

【レビュー】ロン・ハズバンドが教えるクイックスケッチ 増補改訂版【書評】

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

ディズニーのレジェンドが教えるクイックスケッチの秘訣

ロン・ハズバンドが教えるクイックスケッチ 増補改訂版

ロン・ハズバンド (著), 平谷 早苗 (編集), グレン・キーン(序文) (その他), Ron Husband (その他), 株式会社Bスプラウト (翻訳)

スケッチで生命をとらえる!
少ないラインで、ストーリーを語るスケッチを描く方法をディズニーレジェンド”ロン・ハズバンド”が教えます。

感覚を鈍らせることなく、流れるように描く秘訣は?
毎日のクイックスケッチがお勧めです。分析・観察の目を養い、手と目の連携を保つためには、描き続けることが大切です。

クイックスケッチの方法や技術を幅広く取り上げて実例で解説
-アナトミー(人体の構造)
-ポジティブシェイプ/ネガティブシェイプの観察
-簡略化
-アクションラインの使い方
-パース(遠近)
-プロポーション

スケッチのテクニックだけではありません。掲載されたスケッチから、ロン・ハズバンドが長年の間にたどった道筋を見ることができます。

若い見習いのアーティストから、真のディズニーアーティストとしての地位を確立したときまで、成長の道のりをご覧ください。アメリカンフットボール、バスケットボール、サッカー選手、ウェイトレス、結婚式、動物など、ロンは世界を巡りながら目にしたものをスケッチに描きとめてきました。

初版をベースに、増補改訂版では、2つの章と100を超えるスケッチが新しく追加されています。

本書は、『Quick Sketching with Ron Husband:Revised and Expanded』(Focal Press刊)の日本語版です。

【目次】
序 文:グレン・キーン
はじめに

1. 基 本
2. アクションの分析
3. 日常生活
4. 座り方
5. テーブルゲーム
6. 立ち姿
7. 歩きのスタイル
8. 子 供
9. 特別なイベント
10. 音楽、ダンス、歌
11. 動物園
12. 個人スポーツ
13. チームスポーツ
14. 世界を巡るクイックスケッチ
15. ウィンタースポーツ
16. 複数の対象をスケッチする

著者について

ロン・ハズバンドは、ディズニーアニメーターとして「ロバと少年」「きつねと猟犬」「コルドロン」「オリビアちゃんの大冒険」「オリバー/ニューヨーク子猫ものがたり」「リトル・マーメイド」「ビアンカの大冒険/ゴールデン・イーグルを救え! 」「美女と野獣」「アラジン」「ライオン・キング」「ポカホンタス」「ファンタジア 2000」「美女と野獣/ラージ・スクリーン・フォーマット版」などの映画に参加。

2002 年公開の「トレジャー・プラネット」ではジョン・シルバーのアニメーションを担当しました。

また、ポーラ・アブドゥルの「甘い誘惑」のミュージックビデオに登場するクールな猫のアニメーションも彼の手によるものです。

アニメーションでの活躍に加え、子供向けの本や雑誌にイラストも提供しています。現在は、マウント・サン・アントニオ・カレッジ(カリフォルニア、ポモナ)、ラグーナ・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン(カリフォルニア、ラグーナ)、アートセンター(カリフォルニア、パサディナ)でドローイングクラスを教え、メキシコシティ(メキシコ)や東京(日本)など、世界各地で開催されるドローイングワークショップで指導もしています。

  • 出版社 ‏ : ‎ ボーンデジタル
  • 発売日 ‏ : ‎ 2022/1/28
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 大型本 ‏ : ‎ 420ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4862465218
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4862465214

クイックスケッチの手引書の決定版がパワーアップ

本書は、日本では2015年に出版された「ロン・ハズバンドが教えるクイックスケッチ 瞬間を描きとめる:アーティストのデイリートレーニング」の増補改訂版である。

旧版が、

【目次】

  • 序文……ix
  • まえがき……x
  • 謝辞……xi
  • はじめに……1
  • Chapter 1:基 本……30
  • Chapter 2:アクションの分析……44
  • Chapter 3:日常的な活動……62
  • Chapter 4:座っている人の描き方……86
  • Chapter 5:テーブルゲーム……106
  • Chapter 6:立ち姿……114
  • Chapter 7:歩きのスタイル……132
  • Chapter 8:子 供……142
  • Chapter 9:特別なイベント……172
  • Chapter 10:音楽、ダンス、歌……190
  • Chapter 11:動物園……226
  • Chapter 12:個人スポーツ……244
  • Chapter 13:チームスポーツ……262
  • Chapter 14:世界を巡るクイックスケッチ……330
  • 索引……350(新版402)
  • 著者について……353(新版405)

と言うラインナップだったのに対し、

  • Chapter 15:ウィンタースポーツ……350
  • Chapter 16:複数の対象をスケッチする……370

の2章と、100を超えるスケッチが新たに追加されている。

本書は、chapter1と2までの61ページで基本を解説し、以降のchapter毎にテーマに沿ったクイックスケッチの例やコツを紹介すると言った構成である。

なので、旧版を持っている人は、chapter15と16や追加スケッチが見たいと言う理由でも無いなら、無理に買う必要は無いだろう。

同時に、353ページから405ページへと約50ページに及ぶ大幅な追加で、定価の値段は200円しか上がっていないのだから、これから購入を検討している人は、選択肢は増補改訂版一択と言って良い。

【good】圧倒的な有用性

そもそも「クイックスケッチなんてやって、絵が上手くなるの?」と思っている人こそ読んで欲しい。

「スケッチって、何の為にやるの?」とか「基礎だりー」って人は、そもそもが分かっていない可能性がある。

最近読んだ中で説明が分かりやすかったので、漫画「ブルーピリオド」【49筆目】内の説明を軽く引用させて貰う。

(ブルーピリオド、めっちゃ面白いよね!)

  • スケッチ:モチーフを大まかに描写し「要素」を捉える。
  • クロッキー:モチーフ(主に生き物)の「動き」や「重心」を素早く簡潔に線だけで捉える。
  • デッサン:モチーフの「質感」「明暗」「位置関係」を捉える。
  • エスキース:作品のための「着想」や「構図」を捉える下絵を描き出す。
  • ドローイング:作品未満、エスキース以上で「絵作り的な部分を含め自由に即興」で描き出す。

と作中では定義し、説明していた。

これらの定義は、人や業界によってブレがある物もあるし、考えて正確に使っている人、気を付けている人がどれぐらいいるのかは分からない。

その上で羅列し要するに何が言いたいのかと言うと、練習やウォーミングアップ法毎に「何を描ける様になる為の練習か」が全然違うと言う前提を認識して欲しく、本書が伝えてくれるクイックスケッチは、上記定義の中ではクロッキーに当たる。

で、クイックスケッチでモチーフの「要素」を捉え、「動き」や「重心」を、素早く簡潔に描く技術を習得する事で、読者の習得以降の作品に何をもたらすかの、それこそが重要で、それこそが本書を読む意味となる。

それを本書では、こんな感じで説明している。

クイックスケッチを習得すれば、対象のアクションラインを見て取り、動きの中のキーアクションを見極め、見た物の本質的な特徴を捉えた特定の瞬間を簡単に描ける様になる」と。

つまり、じっくり観察して美麗なイラストや写真の様な絵を描きたいと言う人には、本書はあまり役立たない。

そう言う人は、目標としているイラストを模写したり、デッサンをするのが良いだろう。

だが、躍動感とか、動きを感じさせる瞬間を捉える方法やコツを知りたいのであれば、本書は強い味方となる。

アニメーターに限らず、魅力的な絵を描きたい人にとっては、役立つ情報が必ず載っているだろう。

本としての評価は?

モノクロ420ページの大ボリュームで、定価3,520円で本体価格3,200円。

内容の充実と有用性に関して大満足の一冊だし、値段もこういった書籍の中では一般的な価格と言えるだろう。

以前レビューした同系統本のウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ推薦図書【レビュー】リズムとフォース 第3版:躍動感あるドローイングの描き方(10周年記念エディション) (フォースドローイング) 【書評】も良い本だったが、どちらで学ぶのが良いかは好みの問題かな。

どっちも良い本だけどね。

このレビューが本書を購入する検討材料や参考になれば幸いです。

本書発行元リンク:株式会社ボーンデジタル

1回のみ
毎月
毎年

一度だけ寄付する

毎月寄付する

毎年寄付する

金額を選択

¥500
¥1,500
¥10,000
¥500
¥1,500
¥10,000
¥500
¥1,500
¥10,000

またはカスタム金額を入力

¥

寄付していただきありがとうございます。

寄付していただきありがとうございます。

寄付していただきありがとうございます。

寄付月単位で寄付する年単位で寄付する

物語る工房をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む