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【ネタバレあり感想】「トロール」を見ました。

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怪獣映画×トロール

ネットフリックス配信映画「トロール」を見たので、感想などを。

あらすじ

  • <内容>
  • ノルウェーの山間部で、爆破により謎めいた出来事が起こり始め、伝説の巨大生物が長い眠りから覚醒。壊滅的惨事を阻止すべく、寄せ集めのチームが立ち上がる。だが、おとぎ話の生き物が現実のものとなって襲い掛かるとき、どうやって戦えばよいのか?
公式引用

トロールが主役

本作は、怪獣としてムーミン等で有名な妖精「トロール」が大暴れする映画である。

ムーミンよりも、指輪物語、ハリーポッター等に登場するトロールの方がイメージとしては近く、それらよりもビジュアル的には、より伝説とか民話のトロールを彷彿とさせる物となっている。

登場する個体は40~50メートルのサイズで、現代兵器を受け付けない。

そんな巨大怪獣みたいなトロールが、地下に封じられていたのが採掘工事の爆破の衝撃で蘇り、どこかに向かって移動していくのを、どうにか対処しようと人々が奔走する姿が描かれる。

怪獣被害者系映画なのだが

典型的怪獣映画な本作では、トロールの謎を解きつつ、対処法を探す事になる。

初代ゴジラでゴジラが核実験の被害者であった様に、エイリアンでエイリアンが卵泥棒の被害者だった様に、トロールは大昔に国を追われ家族を人間に殺された王と言う設定が徐々に分かってくる。

トロール自身は、どこまでも被害者なのだが、被害へのカウンターから大暴れをする事で怪獣とし処理されていく事になる。

トロールの体質なのかトラウマなのか、教会に対して敵意と弱点が設定されており、それが劇中ではトロールの性質みたいに描かれるのだが、これが、設定的に悪い意味で雑味となっている部分がイケてない。

最終的に、太陽で石化すると言う「お約束」によって退治されるのだが、あまりにもお約束過ぎて捻りも無く、意思疎通が可能と言う設定をしっかり活かす事無く終幕するのも、よろしくない。

要は、怪獣被害者映画として中途半端な部分があると言える。

トロールの怪獣としての異物感は良い

トンネルから現れる謎の人影、残された巨大な足跡、岩山に溶け込む迷彩からの巨体の披露、市街地で暴れる姿、そう言った怪獣映画的ビジュアル面で期待を煽り、期待に応える優れた部分は素直に良い。

細かいストーリーに目をつむり、トロールが暴れているのを見れば幸せな層には、楽しいエンタメ部分が大量にある。

話として、まとまっているが、気持ち良くないし、凄くもない

モチーフの設定への膨らませ方とか、広げた風呂敷の畳み方とか、その辺は出来ている。

なのだが、話の構成として邪魔になる設定も使っていて、最終的に綺麗にまとまり切っていない。

主人公である考古学者の娘と、トロール研究のせいで国が隠す真実に近づきすぎて学会を追放された父の物語として見ると、父を追放した人々は謝罪だけで、父親はトロール対処中に友軍の起こした事故で死んだし、正しかった事は分かったが、その事実を活かした事による対処へと最後が繋がっていない。

トロールが意思疎通が可能で、被害者で、家族を求めて王国がかつてあった市街地を目指している事が分かるのに、主人公達はトロールの子供の頭蓋骨でトロールを誘導し、人工的に太陽光を照射する装置を設置した広場で石化させると言う、酷い対処法。

トロールが復活時に被害者出したり、お祈りする人を食い殺したり、鐘をぶら下げたヘリコプターを落としたり、町中で大暴れしたりと、確かに被害は出している。

だが、復活時は、そもそも寝ている場所を発破してるし、お祈りはかつての敵の仲間と認識しての攻撃だし、ヘリコプターも同じであり、非は常に人間側に必ず用意されている。

常に被害者的な側面がある状態で、家族の、それも運びやすいと言う理由で子供の頭骨を餌に挑発したら、そりゃトロールもブチギレるわと、終始同情を禁じ得ない目に遭っているわけだ。

主人公のパパはトロール研究によってトロールと意思疎通可能だと気付いていて、主人公も気付いていたのに、トロールを倒す為に軍が密かに開発していたミサイルが撃ち込まれる前にトロールを無力化しないと被害が大きくなるからとトロールを石化する作戦に出ると言う流れは、スケールダウンしたシン・ゴジラを彷彿とさせるが、シン・ゴジラの場合は意思疎通以前の問題だったし、大半の人は被害者でゴジラは倒すべき怪獣として機能していた。

だが、トロールの場合は、倒すべき怪獣としての機能が弱く、対処も楽で、人々の非道にばかり目が行き、気持ち良く楽しめない様にしてある。

これは、環境活動家が感じている自然への人の仕打ちを、間接的に怪獣映画で伝えているのかもしれないが、王道の怪獣映画を見たかった人からすると求めてない苦味だ。

少なくとも、トロールの置かれた状況的には、近年のアメリカ版ゴジラやキングコングの様な、怪獣と人の住み分け的な展開を期待したくなる物がある。

今更、初代キングコングの様な悲劇を描かれても、多くの人はキングコングの救い方を次世代の作品で提示されているので、何か古臭さを感じてしまう側面があり、見終わってモヤモヤが残る。

結果、典型的な怪獣映画より先に無く、トロールを怪獣映画にしたと言うモチーフ的新規性では面白いが、それ以上の物があまりにも少なく感じた。

終わりに

ビジュアル的には見所沢山だし、登場する人のキャラクターも悪くない。

だが、それ以上では無く、心に残る、とまでは個人的にはいかなかった印象だ。

古い教科書通りに作った怪獣映画、と言った感じだろうか。

お約束を抑えているが、もっと尖った部分を見たかったと感じる、惜しい作品だ。

キャラ的には、主人公のパパと、首相の顧問が良かったかな。

カードキー突き返すシーンは好き。

追記

フェイクドキュメンタリーの「トロール・ハンター」と、所々設定が違う物の、本作トロールは面白いぐらい設定に共通点があり、補完し合っている。

トロール・ハンターでは、3人の大学生がドキュメンタリー撮影を通してトロール・ハンターの存在を知り、ノルウェー政府の組織TSTがトロールを隠蔽・管理している事を知り、それを世間に公表しようと撮影していく。

トロール・ハンターでは、本作とは違いトロールは肉食の猛獣と言う位置付けで、意思疎通は出来ない物の、ハンターには無垢な野生動物の様に認識され、管理エリア外に出て駆除される存在ながらも慈悲を持って処理されていく。

トロール・ハンターでは、本作より上手く伝説を作品設定に取り込んでいる部分があり、日光による石化の謎も解明済みと紹介されたり、成長すると頭部が増えていくとか山トロールと森トロールがいて仲が悪いとか、トロール愛が深く、好印象だ。

本作で消化不良の人は、トロール・ハンターを見ると少しだけ幸せになれるかもしれない。

ハンターカッコいいしね。

で、もう一つ。

トロール・ハンターズ」と言う、3DCGアニメーション作品がある。

この流れで紹介すると、上記したトロール・ハンターのパチモンみたいだが、違う。

トロール・ハンターズは、製作総指揮を乗りに乗っているギレルモ・デル・トロがとった、キッズも見れるアクションアドベンチャー作品だ。

一部共通設定を同監督作のヘルボーイと持っているとか、監督ファンならニッコリな作品だ。

トロール・ハンターズは、意思疎通可能なトロールと言う種族が現代地球の地下世界に住んでいて、正義のトロールと悪のトロールが戦争している。

その戦争に、正義のトロールの戦士として選ばれてしまった人間の主人公が巻き込まれ、悪のトロールと戦っていくと言う話だ。

こちらでも、やはりトロールは日光が弱点と基本を押さえているのだが、意思疎通可能なトロールと人の絆を描いた作品で、個人的に非常に好きだし、布教したい作品なので、本作とはカラーが180度違うが、トロール繋がりと言う事で取り上げさせてもらった。

と言うか、キッズ向けの「トロールズ」とか、トロールと言うモチーフは海外だと超人気なのだろうか。

まあ、何だかんだ沢山見ているし、トロールは魅力的な伝説上のモチーフとは感じるが、主役格と感じる感覚は海外ならではの様な気もする。

言うて、ムーミンに親しんでいる以上、日本人も受け入れる土壌は出来ている気もするが。

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