定義

【話の種】キャラ弁作りに挑戦したけど敗北した話

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私は独身である。

だが、2歳になる甥っ子がいて、彼は現在、

  • トミカ(緊急車両と働く車推し)
  • プラレール(新幹線と汽車推し)
  • レゴ
  • 機関車トーマス(ヒロ推し)
  • アンパンマン(SLとバイキンマン推し)
  • ポケモン(ピカチュウオンリー)
  • シンカリオン(ハヤブサとドリル推し)

等にハマっている。

そこで、甥っ子殿に食事を提供する事がちょこちょことあったので、私は何でもない日にも関わらず、思いつきでキャラ弁にチャレンジしようと考えたのであった。

キャラ弁って難しそう

まず、キャラ弁について私は何も知らない。

作った事は無いし、作られた事も無い。

だが、凄いキャラ弁を作る動画やテレビを流し見た事はあった。

とりあえず、映画の自動録画に入っていた「今日も嫌がらせ弁当」を流し始める。

天啓である。

思いつきを後押しする様なタイミングだ。

映画を見ると、キャラ弁以外にも日常の様々な物をモチーフに自由にキャラ弁を作りまくっていた。

そうか、キャラ弁は自由で良いのだ。

そこで、とりあえず私は家にある食材で出来そうなキャラ弁を逆算する事にした。

海苔しかねぇ

自由って何だ?

ネットには彩り豊かなキャラ弁が所狭しと並び、映画ではキャラ弁を毎日作る主人公が神業を披露しているが、あれらは技術以前に材料あってのキャラ弁であった。

こちらは技術も材料も無い。

冷蔵庫を見ると、キャラ弁に使えそうな食材が、海苔ぐらいしか無い。

ソーセージでもあればアンパンマンの鼻と頬に出来ると思ったが、ダメだ。

ゴマや卵でもあればと思ったが、ゴマと卵がそもそも無い上に、甥っ子にゴマと卵のアレルギーがあり使う事も出来ない。

着色料なんて物も無いし、海苔とご飯以外は冷凍食品ばかり。

キャラ弁作る奴の冷蔵庫では間違っても無い。

そこで、海苔でキャラ弁を作る事にした。

だって、海苔ぐらいしか無いんだもん。

むしろ、海苔なんて基本画材があった事を喜ぶべきだろう。

モチーフを選ぶ

甥っ子の好きな物は把握している。

問題は、弁当箱と言うキャンバスに、海苔で描くには、何が映えるかだ。

バイキンマン、ピカチュー、新幹線、汽車が有力だが、簡単過ぎても難し過ぎても良くない。

そこで、私は捻くれた性格をしているので、シンカリオンの顔を選んだ。

ちょっと難しい方が、なんとなく燃えるだろう。

海苔で切り絵とか無理

甘く見ていた。

シンカリオン、超難しい。

早くも後悔。

と言うか、海苔の扱いが滅茶苦茶難しい。

あと、海苔でシンカリオンを表すバランスが悩ましい。

海苔だけを使いご飯の白の上に絵を描く以上は、モノクロ二階調化でグレーなんて使えない。

主な色が、白、緑、桃、橙、とあり配色のパズルをすると白で抜くでは表現し切れない部分が出てくる。

いかにデフォルメし、線や色数を減らしながらもシンカリオンと2歳児が分かる様に作るかだが、これ、普通に時間かかる奴では?

そこで、まずは顔のみにする事にした。

全身とかやってられん。

すまんな甥っ子よ。

意外な技術転用

やり始めて少し経つと、なんか「やった事あるな」となった。

イラストを二色のみにして描くなんて、何でやったのか、と考えていたら思い出す。

時代を感じる画像がPCの奥に保存されていた。

当時、痛自転車を作る為にカッティングシートに手を出して、ひたすら色々な画像を二階調化して切り貼りしていた。

そんな時代があった。

余談だが当時、体脂肪率が10%を切っていたなんて、今のお腹からすると奇跡の様な時期だ。

懐かしい。

当時の自分の写真を予期せず見てしまい、今との差に絶望した。

だが、なるほど、キャラ弁の海苔アートは、カッティングシートの技術を応用すれば、かなり色々作れそうな感じがある。

とは言え、カッティングシートの場合はカッターマットの上に固定して衛生面を考えずに切り出せたが、海苔はカッティングシートより扱いが難しく、衛生面も気にしないと不味い。

むしろ、キャラ弁の方が難しく感じる。

あとシンカリオンの顔の二階調化をしようとしたら、Adobeが期限切れになっていた。

いつのまに。

Amazonで見るとフルセットが約7.8万円、フォトショだけでも約1.2万円である。

思い付きのキャラ弁に出したい価格では無い。

少なくとも今は買い時では無い。

他にもお絵描きツールはあるにはあるが、今回は長らく使ってこなかったツールを使う事にした。

手と紙とペンである。

A4コピー用紙にマッキーである。

まず、ネットで検索して見つけた手本を見ながらざっくり頭部を描き、海苔で描く為に二階調化し、面で描くパーツと線で描くパーツをざっくり分けた。

黒い面以外は、海苔の細切りで線として描けそうである。

目は黒に囲まれ抜けば白く描けるので、画としては割と締まりそうだ。

あとは、海苔をこの形が作れる様に料理用のハサミで切り、弁当箱にご飯をつめて、出来るだけご飯を平らなキャンバスに整え、海苔を乗っけて行くだけだ。

サクッと出来上がり。

彩りや盛り付けは少々残念だが、お弁当箱の味気無さも申し訳ないが、ロボットの頭部を海苔とご飯で描いてキャラ弁とする事には一定の成功を見た気がする。

とは言え、作り始めて、調べ、描き、切り、盛り付けと、累計で2時間近くかかってしまった。

殆ど準備で、実作業はすぐ終わったが、そんなにかかるとは。

そりゃ、世のキャラ弁を早起きで子供の為に作る人は、事前準備とか必須となる訳だ。

こんなシンプルカッティングシート弁当でも、0スタートと、あり物では2時間もかかるのだ。

反省点

まず、今回のモチーフでは、顔の位置をもう少し下に配置すべきだっただろう。

初手で「あっ……」となったが、ご飯の吸着力で海苔を剥す事は諦めて、そのまま作った。

そして、やはり、色として象徴的な緑はもちろん、黄と桃もシンカリオンの顔を描くなら欲しい所だ。

周囲の白飯の空白も何かで埋めたい。

桃は、桜でんぶが良いだろうか。

黄は、卵が使えないならカレー粉でも使えば良いだろうか。

問題は緑だ。

御多分に漏れず甥っ子も野菜に対して好き嫌いがあるので、下手な緑の物を入れると甥っ子目線でのお弁当としての質が落ちる。

またご飯に乗せるなら水気が多い物も避けた方が良いだろう。

2歳児が好む緑色の食べ物なんて、この世にある?

思わぬ敗北

キャラ弁の出来としては、納得とまではいかない物の、思いつきの処女作として見ると及第点を与えたい出来だと思う所だ。

なのだが、このお弁当は敗北した。

私が甥っ子に食事を提供するのは、私が妹夫婦に頼まれた時だけだ。

今回は、当番の日と思い、2時間を密かに費やした。

しかし、当番の日でも私の手が要らない日も稀にある。

そうなれば「今日は大丈夫」で話は終わりだ。

甥っ子は大好きなママとパパと夕食を囲むのに、弁当箱は邪魔でしかない。

だが、キャラ弁を私は少しばかり理解し、次回同じ弁当であれば、より短時間で精度が高い物を作る事も出来よう。

勝負がお預けとなっただけの事だ。

甥っ子がバイキンマン等を好きなうちにバイキンマン等もレパートリーに入れて披露してやろうでは無いか。

そうやって、キャラ弁作りにハマると、お弁当用の食材が冷蔵庫の中にきっと増えて行くのだろう、と思った1日であった。

追記:目的は達成?

私の父がお弁当を哀れに思い、甥っ子にわざわざ持って行ってくれて、無事に甥っ子の胃袋におさまったとの事。

甥っ子も喜んでくれた様だし、よかったと言う事で。

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