ドラマ

【ネタバレあり感想】「ロキ シーズン1&2」を見ました。

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ロキだらけロキ尽くし

ようやっとドラマ「LOKI」を見終えたので感想を。

凄い切なくて良かった。

ネタバレありなので、ドラマに興味がある人は見てから読んで。

ドラマ「ロキ」とは

ロキは、マーベルの映画エンドゲームでヒーロー達が世界を救う為に起こしたタイムスリップによって発生した、過去で悪人のまま生存した別時間軸ロキを巡る、スピンオフ作品である。

別時間軸に枝分かれしたイレギュラーな存在が変異体としてTVA(時間変異取締局)と言う組織の管理下に置かれ、処理されそうだった所を捜査官のメビウスに救われ、世界を救う為に奔走する事になっていく。

ロキが追うのは、更に別バースの変異体のロキ。

スパイダーバースやデッドプール3の様に、様々なロキが存在するマルチバースの中で、主人公ロキが別のロキを追う中で世界の謎に迫り、世界の危機に立ち向かう。

ロキ好きには、たまらない

タイトル通りロキが主人公で主役でテーマの本作、ロキの良さが余すところなく描かれている。

映画本編のシーンや展開も当然活かされ、1話目で早々に悪人だったロキは正史での自分の人生を知らされ、毒気が抜かれてしまう。

自分のせいで死んだ大事な人達、仲間の為にサノスに立ち向かい殺された正史の自分、それらを見せられた事で疑似的なやり直し物の状態になったロキは、TVAの捜査官に使われる立場で自分探しを行っていく。

シーズン1では世界の秘密を突き付けられ、世界を救わなければならない状況に追い込まれる。

そしてシーズン2では、ロキが仲間の為に世界を救おうと奔走する中で延々と酷い目に遭っていく。

シーズン1も良かったが、やはりシーズン2の善人化がすっかり仕上がったロキが酷い目に遭わされていく中で頑張っていく姿がかなり良く、ロキが可哀想な目に遭うが嫌な悲壮感無く面白かったり切ない姿にグッときた人は、本当に見た方が良い。

ロキの成長と決断が美しい

ロキが皮肉な状況で、別の形で最高神となるまでが描かれるのがシーズン2だ。

切ない幕引きとなったラストだが、かつて「自分は王になる運命だ」的な豪語をしていたヴィランが、最後に辿り着いたのが、かつて求めていた物とは違う玉座だったと言うオチ。

あのラストシーンが何を意味しているのかは、原作に明るくない私には推測も含まれるが、色々と考察出来る所ではある。


1. 神と言う概念のパラダイムシフト

物語のクライマックス、ロキは「時間織り機」と言う世界を守っていた安全装置を破壊するという決断を下す。

この織り機、増えすぎた時間軸を「効率的」に処理するための剪定装置で、主時間軸以外を捨てる事で世界を守ると言う物だった。

それは管理・選別・剪定という「死」のシステムで、剪定によって都合が悪い時間線は存在その物を消されていた。

シーズン1でロキ達は、このシステムを止めようとして、管理者を殺してしまうが、それによって世界が崩壊に向かう副作用が起き、最初は織り機修理に動いていた。

しかし、最終的に手段の限界から、方針を転換し、機械では処理しきれない膨大なマルチバースのエネルギーを、自分自身の魔力で受け止め、宇宙の管理を「機械的な剪定」から「可能性の延命」へと書き換えることになります。

その手段としてロキは、機械には不可能だった、すべての時間軸の枝を救うという無謀を、神として修練を重ね覚醒した力と自己犠牲によって成立させるわけです。

ロキは、織り機を破壊し、数百年以上を孤独な修練に当てて手に入れた知識と力を使い、仲間の為に手に入れた自らの力によって神にも等しい力を手に入れ、時間移動能力も完全制御出来る様になり、世界の管理者と同等以上の存在となる事で神へと至ります。

悪ロキの頃は、他人を陥れ、他人の力を利用して王を目指していたロキが、仲間の為に自分の力を数百年高め続けて神に至ると言う対比の美しさは凄く良いです。

2. 「ユグドラシル」の形成と北欧神話への回帰

ラスト、ロキが神となり、全ての剪定される筈だった時間軸を束ねて、可能性を活かしつつ世界を救う為に至った姿が「巨大な樹」に見えたのは、素晴らしい演出です。

北欧神話における世界樹「ユグドラシル」。

これまで「北欧神話の神」という設定がありながら、宇宙人や魔法使いとしての側面が強かったMCUのロキが、物語の最後で「宇宙の根源的な概念」へと昇華され、本当の意味で神となりました。

彼はもはや「嘘」で人を惑わす必要はありません。

彼自身が世界の幹となり、無数の枝に自らの魔力を流し込み続けることで、人々の「物語(人生)」が続くための礎となったわけです。

当初求めていた偉くて威張れて贅沢出来てみたいな神様象は、そこには微塵も無く、ロキが全宇宙を物理的に支えている存在に、自らの選択で、仲間達の為になった事の尊さは、本当に長らく彼を見てきたファンであるほど、大きなカタルシスがあります。

3. 幸せな孤独

MCUのロキは、長らく孤独に蝕まれ、孤独から救われたいと願っていました。

正史では、家族と和解を果たし、血の繋がりを越えた家族を手に入れ孤独では無くなり、仲間達の為にサノスに立ち向かい命を落としました。

しかし、ドラマ版の彼が最後に手に入れたのは、また「孤独」でした。

ですが誰からも称賛されず、誰とも触れ合えない「孤独」ですが、彼は全力でやり切り、その孤独を受け入れた姿は幸せそうですらあります。

独りになることを何より恐れ、常に誰かの関心を引こうとしていたロキが、「仲間に生きてほしい」という願いのために自ら進んで永遠の孤独を選んだのは、成長の描写としてこれ以上美しい帰結は無いでしょう。

また、彼がずっと口にしていた「Glorious Purpose(大いなる目的)」。

それは、他人を屈服させる力や理由のことではなく、自分にしかできない役割のために、自分を捧げることだったと言う回収も、ロキにとっては皮肉ながら王道で美しいです。

かつての角は、ヴィランや王的な権威の象徴でしたが、ラストの覚醒したロキが満を持して本気を出して変身した時に生やす角の王冠は、世界を背負う重責の象徴にさえ見えます。

4:物語は「誰のもの」か

孤独を恐れ続けてきたロキが孤独と引き換えに守るに至ったのは、仲間のメビウスやシルヴィ、ウロボロス達が世界を救う方法を見つけるまでの時間を稼ぎつつも、自分の選んだ人生を生きる穏やかな時間であり、自由を謳歌する日常です。

シーズン1までの黒幕、世界の管理者「在り続ける者」は、秩序のために別の時間軸を切り捨てる事までしか出来ませんでした。

しかしロキは、すべてを受け入れ、すべての時間軸に生きる人々の人生と言う物語に可能性と価値を認めました。

MCU世界は「時の終わりの地に、一人の寂しがりの神が孤独な玉座に座り続け、全てを守り続けてくれているから」存在していると言うバックグラウンドを抱え、そんな壮大な余韻を残し、ロキの長い旅路は完結しました。

これほどまでにキャラクターを使い切り、物語を美しく着地させた作品は、近年のMCUでも唯一無二と言えるでしょう。

サブキャラや他バースロキも良き

一時的に仲間になる、サノスから逃げた老ロキ、うっかりソーを殺しちゃった子供ロキ、そして謎のワニロキと、みんな良かったよね。

個人的には、ワニロキが笑えて好き。

あと、何と言ってもメビウスとウロボロスは、良かったね。

終わりに

いやぁ、最初見始めた時は、面白くなるかな?

って感じだったけど、見終わった感想としては、かなり楽しめた。

ロキ好きには、ほんと見て欲しい。

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