何かを学んでいると、同じ教えを受け、同じ情報を見て、同じ練習問題を解き、何なら一緒学んでいるはずなのに、妙にコツを掴むのが早い人がいます。
- 同じ説明を聞いている。
- 同じ教材を見ている。
- 同じ失敗を経験している。
- なんなら、自分に似ている部分がある。
それなのに、「ああ、つまりこういうことか」と本質を掴むのが、自分よりも速い。
何が違うのかと、羨まし悔し。
逆に、自分よりも大量の知識を持っているし経験値もあるのに、なかなか理解が繋がらない人もいます。
なぜ?
それは、センスが無いのか、無能なのか?
出来る人から見ると、自分はそう見えているのだろうかと不安になる人もいるでしょう。
この差は、どこから来るのでしょうか?
目次
コツを掴むのが上手い人の正体
彼らは、見た目には分からなくても、知識を増やしているのではなく、知識同士を比較している場合が多いと考えられます。
前回の記事でも書きましたが、やっぱり比較力が習得力の差を作ります。
その際、比較まで辿り着く重み付けが、人によって変わってきます。
- 習得力が低めの人は、情報を集める事を重視します。
- まずまずの習得力の人は、集めるだけでは意味が無いと情報を整理し、使いやすくします。
- 一方で、習得力オバケは、情報を整理しながら接続していきます。
これが、習得力に差を作る、一つの思考差です。
コツとは、新しい知識のゲットではなく、既に持っている知識同士の接続から生まれることが少なくありません。
その為、知識コレクターとなると、そこから知識を闇雲に探すか、整理をし、それから接続をやろうとするので、立ち上がりの早さに雲泥の差が出来ます。
人間は差分から学ぶ
例えば、成功例を100個見るだけでは、意外と学べません。
なぜなら、全部、成功の例だけだからです。
逆に、成功例50個と失敗例50個を比較すると、そこの差が見えてきます。
- 何が共通しているのか。
- 何が違うのか。
人間は共通点より差分を見た時に学習しやすいです。
だからコツを掴む人は、
- 成功を見る時も、
- 失敗を見る時も、
より良い比較対象を探しています。
つまり、既知の情報や、例示された情報が、比較対象として良いかどうかも、差を生んでしまいます。
「同じ」を探す癖を作る
コツを掴む人には、必ず共通する癖があります。
それは、「これって前に見たあれと同じでは?」「これって、あれに似てない?」を常に探していることです。
例えば
- 創作。
- キャラクター作り。
- 営業。
- 恋愛。
- 政治。
- 歴史。
一見すると全く別の物です。
しかし、例えば、
- 信頼獲得
というテーマ、要素で見ると、急に見えてくる物が出てくる。
どこかが、似ている。
あるいは、
- 期待と結果の差
というテーマ、要素で見ると、やはり同じ様に、見えてくる。
この、共通点探し、共通点を作る見方や切り口の作り方のノウハウ、テクニック、レパートリーの差は、やはり習得力に差を作ります。
この視点を、姿勢を、アプローチを獲得すると、表面ではなく、何かしらの構造を比較出来る様になり、それが習得には役立ちます。
「違う」を探す癖も作る
一方で、共通点だけ探しても危険です。
一部だけを注目しても、本質的な差を見落とします。
そこで重要になるのが、なぜ片方だけ成功したのか、等の差が、どうして生まれたかです。
例えば同じジャンルの作品。
- 似た構造。
- 似た設定。
- 似た題材。
- 似た発表時期。
- 似た初動。
- 似た人気。
それでも、結果は必ず違う。
ここには、大きな学びがあります。
コツを掴む人は、成功例よりも、似ているのに結果が違う例を、より例として好みます。
その方が、知りたい差分が見えやすく、学びを掬い取り易いからです。
比較対象を増やす
コツを掴めない原因の一つは、比較対象の圧倒的な不足です。
極端な話、
- 一作しか読んでいない。
- 一人しか見ていない。
- 一つしか知らない。
これでは比較できません。
例えば、面白い小説を一冊読むのは、その分量分と経験分の勉強には、確実になります。
しかし、面白い小説十冊とつまらない小説十冊を比較する様なレベルと比較すると、全然数が違います。
多ければ多いほど、見えるものが増えます。
なので、若い人よりも、年配の人の方が、人生の中で経験値として比較対象が多い可能性がある点で、有利になる部分もあります。
しかし、若さには若さの強みがあり、理想を言えば、若いのに行動力があって比較対象を沢山ストックしている人の方が、当然ですが有利になります。
経験値は年齢や経過した時間ではなく、対象に使った時間と情熱によって左右します。
コツとは変数の発見である
以前の記事でも触れましたが、多くの人は成功法則を探しています。
しかし実際には、成功する条件を探した方が良い事が多いです。
例えば料理で考えてみましょう。
- 塩が重要。
と言う法則的な所では、美味しい料理を作るのに、情報が足りません。
- 塩加減が重要。
で、ようやく塩を使った美味しい料理の条件の入口に立てます。
そこから、料理毎の塩加減を覚え実践出来るようになる事で、塩を使った料理の腕は具体的に上がっていくでしょう。
創作なら、伏線が重要だけでは、足りないわけです。
伏線が大事なのは、本当の事ですが、創作活動で使うには使いづらい。
伏線の配置、隠し方、回収時の衝撃が重要の方が、まだ適切です。
つまり、成否条件は、有無ではなく、どの要素が結果を変化させる変数なのか
を見つけるのが、コツと言う事です。
一度に一つしか変えない
上達が速い人は、実験が上手い。
実験姿勢が出来てます。
例えば、
文章を書く場合。
- 今回は導入だけ変える。
- 今回は視点だけ変える。
- 今回は会話量だけ変える。
すると結果との差分が、分かりやすく分かります。
これが、非常に重要です。
逆に、全部変えると、何が効いたのか、悪かったのかが、なかなか分からない。
最悪、誤魔化されて分からない。
コツを掴む人は、無意識に、こういった実験姿勢を持って、実験の計画を立てています。
だから、実験の成否を自分で判断出来て、差を自分で掴めます。
結果ではなく原因を見る
ここで重要なのは、成功を見ても喜び過ぎず、失敗を見ても落ち込み過ぎないことです。
見るべきは、結果の良し悪しではなく、結果の成否を生んだ要因です。
そりゃ、感情的には成功すれば嬉しいですし、失敗すれば悲しいですが、コツを掴む姿勢を重視したい場面では、成否に一喜一憂するよりも事実を処理していく方が良いと言う事です。
すると徐々に、結果の裏側にある、条件や、条件が与える影響によって何が変わるかが、構造として見えてきます。
コツを掴む人はラベルを疑う
- 面白い人。
- 優秀な人。
- 売れている作品。
- 人気キャラ。
- 有名な人。
- 大御所。
初心者は、ラベルを見ます。
ラベルは情報を持っていなくても、情報を判断出来る様にしますが、しれは裏を返すと、情報を知らない状態の物でも情報を知らぬまま知ったかぶりした状態になる危険があると言う事でもあります。
コツを掴む人は、そのラベルを分解したり、自分で貼り直します。
- 何が面白いのか。
- 何が優秀なのか。
- 何が人気なのか。
抽象的なラベルを、自らの理解で具体化すると、ラベルの外と内が一致した状態に出来ます。
ここで、理解が大きく進む可能性があります。
「何が起きているか」を見る
コツを掴める人の思考は、意外とシンプルです。
- 正解探しではありません。
- 技術探しでもありません。
常に見ているのは、何が起きているのかです。
- なぜ成功した。
- なぜ失敗した。
- 何が変わった。
- 何が同じだった。
これを延々と観察しています。
コツを掴むコツ
まとめると、コツを掴むためのコツは、知識を増やすことではありません。
比較することです。
具体的には、例えば、
- 成功例と失敗例を並べ、共通点を探し、差分を探す事です。
- 一度に一変数だけ変え、結果より原因を見る事です。
- 別分野との共通構造を探す事です。
これらを繰り返すと、対象のバラバラだった知識が、繋がり始めます。
そしてある瞬間、「ああ、この分野も結局同じことをやっているのか」みたいな、腑に落ちる感覚が生まれます。
まとめ
コツとは、秘密の知識ではありません。
大量の経験でもありません。
本質的には、重要な差分を発見する能力です。
そして差分は、比較しなければ見えません。
だからコツを掴みたいなら、必要以上に情報を詰め込む前に、もっと比べ、もっと観察する事です。
何かを知った時に、「新しい知識だ」「面白い」で終わるのではなく、「今まで知っていた何と同じで、何が違うのか」を考える事です。
その癖こそが、知識を理解へ、理解をコツへ変える効率的ルートの一つです。
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