ここ最近、SNSで話題になっているのが、「足を引っ張るキャラについて」だ。
- 「味方が愚かな行動で足を引っ張る」
- 「強敵が凡ミスをする」
ネット上では、こうした展開が作品を白けさせたり、つまらなさに繋がったりすると言う意見と、それにはこんな理由があると言う意見と、それにはこんな条件があると言う意見が見られる。
その中でも支持を集めていた理由として、以下のような点が挙げられています。
- 味方の愚かさが招く弊害: 敵の株を上げるわけでもなく、ただ自爆的に味方の評価や魅力だけを下げてしまうため、作品全体の魅力が増さない。応援すべきキャラを嫌いになる危険がある。
- 強敵の凡ミスが招く弊害: 「強敵である」という読者・視聴者の期待値が大きく下がってしまう上、それによって味方の評価が引き上げられるわけでもないため、同じく作品の魅力に繋がらない。
大事なのは、展開によって作品の魅力が増すか、下がるか、である。
つまり、基本的に真面目な作品や、ギャグ時空でない作品では、敵でも味方でも、下手な愚かさによる行動は、マイナスに働くのだ。
それは、キャラクターの魅力を下げる意外に、作者によるバカ化によるデウス・エクス・マキナが見て取れる事で、作品への集中が途切れて現実に引き戻され、白けてしまうからだ。
納得感の有無がキャラクターへの評価を分ける
キャラクターが足を引っ張ったり、愚かな行為や凡ミスをしたりする展開であっても、「作者の都合」に感じられない正当な理由さえあれば、足を引っ張るキャラや行動そのものを受け入れられないわけでないなら、受け入れられる人が大半だろう。
- 理由に納得がいかない場合: キャラクターや行動その物に対して嫌悪感を抱いてしまう。
- 理由に納得がいく場合: 結果的、一時的に失敗したり、最適解でなくても、動機や原理に納得がいくのでキャラクターを許容出来る。
つまり、行動の裏にある動機や必然性が、読者に納得をもたらすかどうかが大きな分岐点となる。
これをお膳立てせずに、愚かな子供が危険な場所に行って勝手に危機に陥ったり、敵の人質になったり、強敵が凡ミスが原因で敗北に繋がる展開を描いたりは、大きなストレスを生み出すわけです。
「構造」や「仕掛け」次第で愚かさはプラスに働く
触れなければならないのは、登場人物の愚かさ自体が、作品の魅力や面白さに直結するような「仕掛け」や「構造」がしっかりと用意されているケースもあると言う点です。
例えば、
- ギャグ作品における構造: ギャグの文脈やギャグ時空では、例えば、簡単な目的であるにもかかわらず、登場人物が愚かすぎるあまり事態がどんどんややこしくなっていく。それでも何とか目的を達成しようと足掻く姿そのものが笑いやエンタメを生みます。
- 群像劇や混迷の構造: 敵も味方もどちらも愚かな状態となれば、お互いの作戦や行動が噛み合わずに事態が泥沼のように混迷していく展開が面白さに繋がる事もあります。この「状況の面白さ」という視点が機能することで、キャラクターの愚かさが作品の大きなプラスとして働きます。
キャラクターの失敗や愚かさは、単なるご都合主義の道具として使ってしまうと不満を生む原因になります。
ですが、「納得感のある理由」や「笑いや混迷を生むための構造」としてデザインされていれば、物語を盛り上げる強力なスパイスになり得るわけです。
いずれにしても言えるのは、作品にとって、その行動はどれぐらい「自然」で「プラス」になっているかです。
- 不自然かつマイナスな愚かさは、最悪です。それまで賢かった子供のキャラが、行かなくて良い場所に行って敵の人質になった結果味方がピンチになったりすれば興ざめです。
- 不自然であってもプラスな愚かさは、ギャグ等として機能します。賢い子供が行かなくて良い場所に行って人質になってしまうが、敵と友達になってしまったり、人質になって敵を困らせたりすれば見せ場も作れるでしょう。
- 自然かつマイナスな愚かさは、リアリティは増すかもしれませんが、トレードオフのストレスを見る人に与えます。愚かな子供が愚かにも敵の人質になって味方の足を引っ張って、味方がピンチになるだけです。
- 自然かつプラスな愚かさは、作品に深みを与えたり、共感や感動に繋がる事も少なくありません。賢い子供が仲間の為に行動したら不運から敵の人質になってしまい味方のピンチを招くが、その行動があったから唯一の勝ち筋を引き寄せたのであれば、大金星かもしれません。
ストレス少なく見るには、そこに納得感や、面白さが勝る仕掛けが必須と言う事です。
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