作品を選んで貰う為にするべき5つの事

どうやって人は選択するのか?

世の中では、無数の物語が様々な媒体で溢れている。

その中に、選ばれる物と選ばれない物がある。

その事を踏まえ、一つ考えて貰いたい。

選ばれる物と選ばれなかった物の差は、何だろうか?

1:期待とイメージをデザインする

物語に限った事ではない。

どんなサービスでも、製品でも良い。

選ばれる物と選ばれない物には、大きな差がある。

創作者の何割かは、クオリティが高い物が選ばれると考えているかもしれない。

その考え方では、残念ながら、まだ認識が足りない。

間違っていないが、足りないのだ。

本当に大事なのは「イメージ」だ。

例えば、あなたが本を買おうと考えているとしよう。

映画を見に行くでも良い。

その際、あなたは作品のクオリティが高い物を選んでいる訳では無いだろう。

物語のクオリティが高い、つまり「面白い物語」を選んでる訳ではない。

だって、まだ見ていないのだから、判断できない筈だ。

仮に、面白いと言う口コミを聞いたから選んだとしても、その口コミが正しいかどうかは、見てみるまでは分からない。

これが食べ物であれば、レストランで注文するでも、コンビニで新商品を買うのでも同じで、あなたは「美味しい食べ物」を選んでいるとは限らない。

やはり、あなたは試食するでもしていない限りは、食べる前の段階では味さえ知らない筈なのだ。

つまり、だ。

ここで言うイメージとは「面白そう」とか「美味しそう」と言った『事前に抱く期待』の事を指す。

「きっと~だろう」と言う『事前に抱く期待』があって、初めて選択している。

実際に面白いか、実際に美味しいかは、最初の選択時には関わらない。

選択肢の見えている表面に、配置された表現を受け取り、何らかのイメージを持ち、そこに『期待』が生まれるからこそ、選択の一歩を踏み出す。

だから、表面を取り繕う事で興行的に成功したクソ映画もあれば、不味いグルメだって沢山ある。

それらは、広告や宣伝と言ったイメージ戦略を上手くやった事で、選んで貰った結果として金銭的な成功を収める。

だが、それは「一種の嘘」だ。

期待だけさせて、期待に応えられない事を知って広めている物も沢山ある。

それは、悪ければ詐欺だ。

  • タイトル
  • あらすじ
  • 表紙
  • PV、CM、宣伝

は、だから大事なのだ。

2:期待に必要なクオリティを保持する

そうならない為に、ここで初めてクオリティが必要となる。

すると、次に気になる事がある。

クオリティが高いって、何を指して証明出来るのか?

そこで、再びイメージの話に戻る事になる。

クオリティが高いとは、イメージによって事前に抱いた期待に応えられる状態だ。

例えば、だ。

コメディ作品であれば笑いを期待するだろう。

恋愛作品であれば胸キュンだ。

アクション作品ならワクワクやドキドキを。

サスペンス作品やホラー作品ならハラハラを期待するだろう。

それらに応えられる事が、物語に置いて基本のクオリティが高いと言う事だ。

なので、期待外の個所でクオリティを上げても、必ずしもクオリティが高いと感じて貰えない事がある。

ホラー作品なのにハラハラせず、コメディ作品の様な笑いばかりのクオリティが高くても、それは期待外れとなってしまう。

シュークリームを食べてクリームがマスタードだったら、そのマスタードがどんなに良い素材から作られていても、事前に抱く期待をそこに合わせない限りは、クレーム案件になっても仕方がない。

それは、シュークリームの中のクリームは生クリームやカスタードと注釈が無い限りは相場が決まっており、少なくとも甘い事を期待して選ばれる物だからだ。

それは、物語でも同じ事だ。

ロボット物を謳っておいて、ロボットが出てこなければ期待外れになるし、吸血鬼物で吸血鬼が出なくても期待外れだ。

モンスターパニック物なら、登場人物達を恐怖のどん底に叩き落すモンスターが出てくる事を期待する。

この事から分かるのは、作品にしろ商品にしろ、与えたいイメージから作るにしろ、高めたいクオリティにしろ、表面と中身は一致させる必要があると言う事だ。

映画のキャッチコピーで「映画館から出ても決してネタバレしないでください」とあれば「大どんでん返し」を期待するし、その期待には高いクオリティを持って応えなければならない。

ここがチグハグな作品が稀にあるのは、配給会社や広告会社等と言った間に挟まる誰かによって歪められるパターンが多い。

映画「ギャング・オブ・ニューヨーク」では、ディカプリオ主演の恋愛映画の様に見せて女性客を獲得しようとしたが、その中身はタイトルの通りギャングの映画である。

宣伝に踊らされて見に行った人の、かなりの割合が騙されたと感じただろう。

アニメ映画「未来のミライ」は、細田守監督作品なのでサマーウォーズや時をかける少女を期待して見に行った人の期待を盛大に裏切ってしまい、レビューが大荒れとなってしまった。

中身と表面を一致させないのは、一時の興行的な成功は見込めるが、後が続かない。

騙されたと感じ、期待外れを体験した人は、そこに警戒線を敷く。

今までだったらイメージで選んでいた物に、確認の手間をかける様になってしまう。

それは、暗黙の信頼の崩壊と言って差し支えない。

必要があって狙ってチグハグにする場合を除き、期待を裏切るべきではない。

アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」は、そういう意味で大半の人にとって良い意味で期待を裏切る事に成功した作品だろう。

ここまで持ってこれれば、次に選んで貰える心配が出来る。

だが、実際は間に次の段階が必要となる。

3:目立つ

選ばれるには

  • 与えるイメージのデザイン
  • イメージによって事前に抱かせる期待の認識
  • 選ばれた際、期待に応える高さのクオリティ

が必要と分かった。

だが、イメージは何を基準にデザインすれば良いのだろうか?

それも、ライバルが溢れる世の中で、如何にして選んで貰えば良いのだろう?

まず必要な要素として、目立つ事にある。

何かしらの方法で、目立つのだ。

目立たなければ、そもそも見て貰えない。

目につかなくてはならない。

それには、良いタイトルや良いあらすじ、良い表紙、良い宣伝を持って、目立つ場所に立つ勇気が必要になる。

だから長い間、広告業界は世界中で強い力を持っていた。

「イメージをデザインし、目立たせる」と言う重要なパートを牛耳っていたからだ。

しかし、時代は変化しつつある。

SNSを始め、インターネットと言う仮想世界では、個人でも十分に目立てるからだ。

だからこそインフルエンサーと言う影響力を持った個人が力を持ち得るわけだ。

目立つのが大事なのは分かったが、具体的にどうすれば良い?

露出を増やしても、話題にならなければ意味が無い。

つまり、話題を提供すれば良いのである。

出来れば、炎上以外の方法で……

4:話題を作る

話題になる為には、人が普遍的に気にしている事を理解しなければならない。

それも、話題自体の主題もだが、その表現の仕方にも工夫が必要となる。

例えば、人は原則的に、

  • 間違っている事
  • 答えを知りたい事
  • 自己肯定感を高めてくれる事

と言った物事に強い反応を示す。

それを利用し、だからインフルエンサー(影響力のある人)の多くは簡潔な主張で「断言」を使う。

多くのインフルエンサーは、歯切れのいい物言いで、ズバッと断言してくれる。

きっと、心当たりがある筈だ。

しかし、実際の少ない情報での断言には、必ず注釈が付く。

「世の中、みんな優しい人ばかり」と言い切っても、優しくない人がいる事はみんなも分かっている。

例えば、ここ最近ずっと話題となっている「年金問題」であれば

「年金は戻ってこないから払い損」

みたいな断言を行うとする。

しかし、年金制度が現時点で事実上の破綻に向かっていても、戻ってこないかどうかは実際に年金受給年齢になるまでは分からない。

台詞では断言しているが、これはあくまでも未来予測なのだ。

また、年金が戻って来なくとも、払う事で万一の時に障害者年金を受け取る権利を得たりと、リスクばかりではないメリットがある事には触れていない。

他に、一定の年収以上の人は、年金未納は差し押さえ等のリスクが発生する事も知らなければならない。

注釈は、いくらでも出てくる。

なので、簡潔な主張で断言を行うと、こういう事が起きる。

注釈に目を向けられる人からは「間違っている」や「正確ではない」と反対意見が集まり、同じ意見だったり注釈が見えない人には「同じ意見の人がいる」と自己肯定感が高まる事になる。

そして、どっちつかずの人は、その話題作りがバズっていれば、賛成反対の両意見を知る事が出来て、答えを自分なりに導き出せる。

これで、分かっただろう。

『簡潔かつ断言による主張』は、効率の良い話題作りの一手法なのだ。

だから、ファンとアンチが増え、その影響力が更に次の影響力へと繋がるのだ。

※「考えたら負け」と「自分の事だけを考える」と言う矛盾しそうなタイトルの本があるが、これも注釈を抜いて断言しているから起きる事であり、当然ながら矛盾は起こしていない。

5:クオリティで殴る

技術力とセンスが一定以上ある場合、つまり、中身のクオリティに絶対の自信がある場合に有効なのは、そのクオリティで直接ぶん殴ると言う手法である。

殴ると言う言い方は乱暴だが、コンテンツの場合そう言った衝撃を初見で与えるイメージに合っているのでは無いだろうか?

まあ、食品産業に行くと、このクオリティで殴る戦法は「試食」と言う表現になるが、イメージ出来るならどちらでも構わない。

この手法は、期待を抱かせる為の戦略として、かなり有効だ。

ただし、インパクトが相応に無い場合は不発に終わってしまう。

例えば、画集でも漫画でも何でも良いが、他も見たくなるインパクトのある一枚を提示すれば、期待を与えるイメージのデザインをするまでも無く、期待とクオリティが一致した宣伝が出来る。

映画の予告編が上述した「1」の手法なら、こちらは映画の開始20分を見せる手法や、漫画の一話目を無料で読ませる手法となる。

ただし、そこに至るまでに「1」の手法を必要とする場合も多いので、「5」が使えれば良いと言う物でもない。

終わりに

結構さらっと流したが、最初はこれぐらい気を付けておけば酷い事にはならないだろう。

網羅するには、全然足りていないが、そこは許して欲しい。

選択段階で大事なのは、相手の持つ事になる『期待』の認識だ。

まずは期待させないと、選んでさえ貰えない。

あらゆる方法を使って期待させ、選んで貰って初めて期待に応えられるかの判断の時が訪れる。

クオリティが高くとも、選んで貰えない作品は世の中に多い。

そういう作品が、少しでも減り、報われれば幸いだ。

その内、もっと詳細かつ具体的な施策やテクニックを紹介したいと思う。

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