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実話を基にした名作映画「ダラス・バイヤーズクラブ」を紹介

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おすすめ映画紹介

ネットフリックスでも配信中(投稿時現在)

  • 監督:ジャン=マルク・ヴァレ
  • 主人公:ホモ嫌いのカウボーイ、ロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー/声:藤原啓治)
  • 相棒:トランスジェンダーのジャンキー、レイヨン(ジャレッド・レト/声:小倉直寛)
  • ヒロイン:HIV患者を助けたい医者、イヴ・サックス(ジェニファー・ガーナー/声:渡辺ゆかり)

映画紹介

今回紹介するタイトルは、

ダラスバイヤーズクラブです。

制作国はアメリカで、2013年に公開された映画です。

1992年に「ダラス・モーニングニュース」と言う新聞の記事になった、衝撃の実話を基に作られています。

実話を脚色して作られた映画です。

この映画を一言で表現するなら「正義の犯罪」映画と言えると思います。

内容は、どんなものかと言うと……

あらすじ

ある日、主人公のカウボーイで電気技師の、ロン・ウッドルーフが仕事中の事故で病院に担ぎ込まれると、事故とは関係なく、検査をしたらHIVに感染していると宣告される事から物語が始まります。

衝撃の、開始10分で余命30日スタートです。

ところが、ロンは医者の言う事を信じる事が出来ません。

それは当時、舞台となる1986年のアメリカの価値観では、「HIV=ホモの病気」と言うのが一般的な常識であり、ホモを毛嫌いし、酒と女を愛するロンは、HIVの事も良く知らずに、自分がかかる訳が無いと思ってしまうわけです。

でも、実際にHIVにかかっているので、タイムリミットの余命30日なんて、すぐです。

ロンは、不安になって自分で病気のことを調べ、同性愛者でなくてもHIVになる事を知りますが、既に一週間が経っていました。

そんな最悪の中、ロンの事を知る同僚や友達は、ロンをホモと決めつけて離れていき、孤独の中で、余命を引きのばす為の戦いに身を投じる事になります。

ロンは、最新の臨床試験中の治療薬AZTを求めて、ジェニファー・ガーナー演じる医者のイヴ・サックスを頼りますが、臨床試験中の為、正規で入手する事が出来ません。

病院の看護師を買収して、無理やりAZTを手に入れますが、AZTには副作用があって身体がボロボロになる上に、買収による入手も難しくなってしまいます。

飲んでも飲まなくても、余命は近づいてきます。

絶望的状況です。

ロンは倒れ、入院しますが、そんな時、ジャレッド・レト演じるトランスジェンダーのレイヨンと出会います。

ホモを毛嫌いしていたロンですが、レイヨンに賭けトランプを誘われて乗ってしまい、金を巻き上げられます。

その時、脱水症状で足がこむらがえって悶絶すると、レイヨンに介抱され、AZTの被験者である事を知ります。

レイヨンにAZTの横流しを頼みますが、レイヨンは既に他の友達に横流しをしていて、これ以上分けられないと断られてしまい、手詰まりとなったロンは、以前AZTを横流ししてくれていた看護師から貰った情報を頼りに、メキシコにいるバスと言う無免許医者の所へと向かいます。

バスの病院に辿り着いたのは、余命の30日目でした。

バスの病院で独自の治療を受けたロンは、余命30日のラインを越え、3ヵ月後には動けるように回復していました。

そこで、ロンは衝撃の事実を知ってしまいます。

バスの説明では、アメリカでは製薬会社の思惑でAZTを広めようとしているが、AZTは副作用が強すぎて患者が死ぬ危険物で、アメリカ国外にある、ddcやパプチドT、と言った未承認薬は利き目が証明されている上に、毒性が低いか無害だと言うのです。

そして、アメリカ国内では、未承認薬は取引できず、AZTよりも安全で利いても、違法薬物扱いの為、アメリカに住むエイズ患者は、適切な治療を受けられない事実を知ってしまいます。

そこで、ロンは気付きます。

「未承認薬で、ぼろもうけできるのでは?」と。

アメリカで効く薬が手に入らないなら、アメリカで捌けば、違法行為だが儲かる事に気付いたわけです。

早速アメリカに戻ったロンは、ロンの薬を知ったレイヨンに協力して商売をしないか提案を持ち掛けられます。

レイヨンには、HIV患者の知り合いが大勢いるので、ロンは顧客欲しさにレイヨンと手を組んで、未承認薬を売りまくる訳です。

ロンは、HIVが治った訳では無いので、未承認薬の儲けで自分の治療を続けなければなりません。

常に、未承認薬と金の力で、自分の余命を引き延ばしづけている状態です。

そこで、更に効率的に薬を売る為に、法の抜け穴を利用して、会社を作って大々的に売り出す事にします。

当時のアメリカの法律では、未承認薬を売る事が違法なのであって、有料会員制のクラブを作って、会員に無料で配れば良いと言うわけです。

こうして、ダラス・バイヤーズクラブが設立して、タイトルを回収し、物語は本格的に始まります。

ここから、生きる為に、HIV患者の命を助ける為に、犯罪行為を繰り返すダラス・バイヤーズクラブとAZTで独占的に儲けようと考えている製薬企業アボネックス社と、薬を承認する立場にある国家機関FDAと言う本来なら正しくなければならない、腐った巨大組織との戦いが始まります。

ここからが本番です。

見所

この映画の見所は、やはり、余命30スタートから始まる、ロン・ウッドルーフが生きる為に始めた違法薬物の密輸が、徐々に、自分だけでない、正義の為の戦いに変わっていく変化です。

また、その過程でホモ嫌いだったロンと、トランスジェンダーのレイヨンの間に、絆が出来ていく展開は、きっと心に残る筈です。

この映画は、巨大な腐敗した組織と、ちっぽけな個人の戦いと革命を、物語のテーマの軸に、1980年代の、LGBTへの偏見、HIVの闘病、法の抜け穴や違法行為の工夫を、実話をベースに構築されているんですが、実話だからこその、丁寧な前置きでストーリーのパラダイムとしては、およそこんな感じで、本編が始まるまで、進行します。

物語の構造的な話

実話ベースではないオリジナル作品や、テンプレートで脚本を書くタイプの人には作れない二重構造で作られていて、それぞれの切欠の時に医者のイヴや、相棒のレイヨンとの大事な出会いがあり、決意の時にはメンターとなる存在として、イヴやバスと言った善人の医者が登場します。

映画としても非常に面白い映画ですが、少し変わった構成の映画脚本としても良く出来ているので、おススメです。

この映画、個人的には、かなり好きで駄作で有名なスーサイドスクワットでジョーカーを演じた、ジャレッド・レトが演じるレイヨンのトランスジェンダーでジャンキーと言う役柄の演技が、マジで凄いし、インターステラーで知ってる人も多い、マシュー・マコノヒーも、かなりカッコ良くて、二人とも役作りの為に、レトは13㎏、マコノヒーは17㎏の減量をして、この作品に挑んでいるから、そこまで楽しんで欲しいです。

本当、良い映画だから。

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