境目は、どこ?
今回は、SFとファンタジーの考え方を、一側面から簡単に解説したい。
そういう考え方がある、その程度に思って欲しい。
条件
まず、どちらにも共通しているのは、現実ではあり得なかったり、説明が難しい事象をモチーフとしていると言う事。
つまり、現実的に考えて特殊なモチーフは、基本的にSFかファンタジー、あるいは両方に分類される事になる。
SFとは、主にサイエンスフィクションの略で、空想科学をモチーフとした作品を指す。
対してファンタジーは、超自然をモチーフとした作品を指す。
その上で、一般論ではなく、SFとファンタジーを分けるのは、
- 事象や根拠の由来が何か(SF設定か、ファンタジー設定か)
- どれだけ劇中世界でモチーフの特殊性が解明されているか(解明されているほどSF)
- そして、現実とのミッシングリンクを埋められるか否か(フィクションと現実の溝が埋まっているほどSF)
これらを見る必要がある。
例1:根拠や由来
例えば、光線を操る道具や方法が登場するとする。
レーザー銃を使えばSFだし、魔法を使えばファンタジーになるのは、シンプルに分かると思う。
例2:仕組みの解明度
では、魔法で動くレーザー銃を使う場合は?
そこで、先に言った由来、解明度、現実との繋がり、だ。
マナや魔力と言った魔法の力と、魔法陣や呪文で動くと言う設定なら、魔法のレーザー銃は魔法のアイテムであり、ファンタジーだ。
由来が超自然的なので、機能に関係なくファンタジーとなる。
しかし、ドラゴンの瞳から取れる特殊なクリスタルで周囲の光を集束して高出力のレーザーとして射出する道具で、光が無いと使えないみたいな設定が出てくると、仕組みとしてはSFでありながら、材料としてはファンタジーの側面も併せ持つ事になる。
由来が超自然的でも、科学的に解明されていると、サイエンスフィクションの側面が出てくる。
例3:ミッシングリンク
更に、ドラゴンが他の星の生物だったり、異次元の生物と言う設定になると、それはもはやファンタジーに見せかけたSFとなる。
現実に存在しうる為の、設定的橋渡しによって、ファンタジーの存在はSFとなるからだ。
終わりに
今回は、数ある境界の中のいくつかを、セットにして絞って紹介した形だ。
モチーフのイメージに対してSFやファンタジーを使ったり、他の定義は幾らでもある。
サイエンスフィクションではなく、少し(S)不思議(F)とかも、その中の一つだ。
だけど、今回紹介した3要素を意識すると、自分が描く作品がSFかファンタジーか、その境界を明確にする事が出来て、創作の際、劇中で設定がどっち方面で必要かの目安になると思う。
役に立てば幸いだ。