ドラマ

【ネタバレあり感想】『サンドマン シーズン1』を見ました。

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夢と現実の物語

ネットフリックス配信のアメコミのドラマ化作品、サンドマンを見たので感想をば。

サンドマンは、こんな話

サンドマンの主人公は、モルフェウスと言う青年の見た目をした、夢の世界の王だ。

この世界では、神や悪魔が存在する以外に、7つの概念を司る王でいて、概念を司り管理している。

それぞれドリーム、ディザイア、ディスペア、デス、デスティニー、ディストラクション、ディリリウムといて、モルフェウスは夢を司る王だ。

物語は、1916年に魔術師のロデリック・バージェスによって、デスと間違えて召喚されたドリームが100年間牢獄に閉じ込められ封印される事から始まる。

100年の封印によって管理者を失った夢の世界は荒廃し、夢の概念に狂いが生じ、人生の3分の1を夢の世界で過ごす人類は大きな打撃を受ける。

睡眠障害によって人々は苦しみ、夢の世界から自由になった悪夢が現実を悪夢に変えていった。

100年の封印が解かれ自由となったモルフェウスが、夢と現実を正常にする為に動き出す事から物語は大きく動き出す。

壮大で荘厳な世界

とにかくスケールが大きい本作。

主人公が夢の概念そのもので、王で、ある意味で神に近い存在と言える。

夢の世界、現実世界、時には地獄や他の管理者の世界を行き来して、100年放置されていた夢の世界の再建と、現実世界の正常化を目指していく。

映像は美しく、ファンタジックで、クオリティも高い。

原作が壮大過ぎて追いつかない表現

あらゆるクオリティ面で、本作は非常に高く出来が良い。

なのだが、原作と言うか、モチーフの壮大さがあまりにも壮大故に、表現力が追いついておらず、時々嫌にチープに感じる時がある。

中々に難しい問題だが、制作者のセンスの問題とも言えるだろう。

表現が地に足がついてしまい、どこか堅実で、固いのだ。

この辺は、好き嫌いが分かれると思う。

ルシファーとのバトルの禅問答とか、もう少しどうにか出来た気がするよね?

基本は、神の視点で進む、割と小さな問題処理

主人公が神みたいな凄い存在だから、最初、ヘルム、ルビー、砂袋と言うサンドマン三種の神器を封印されて困った困ったなスタートなのだが、動き出して数話でアイテム回収が終わってしまい、次のエピソードに移ってしまう。

全11話の内、1話目がエピローグ、6話と11話が小話で、連作の長いエピソードが2~5話と7~10話の2本でまとまっていて、劇中の問題が思った以上に毎回あっさりと片付いてしまう。

話のまとまりとしては良いが、ちょっと物足りなさもあるし、劇中に登場する濃いキャラ達は贅沢に使い捨てキャラとして処理され、神からすると定命の者との接触は一瞬と言う演出とも言え、非常に贅沢な物語運びで進んでいく。

コリント人の独特な魅力

シーズン1を通しての悪役は、モルフェウスの部下だったが暴走してシリアルキラーと化してしまった悪夢であるコリント人だ。

こいつが、強くないが、だからこそ計画的に立ち回り、物語を面白く回してくれて、サンドマンのシーズン1では、最も輝いたキャラクターと言える。

飄々とした魅力的なゲイのシリアルキラーで、相手の目玉をえぐるのが好きと言うヤバイ奴なのだが、立ち回りが非常に上手く、達観しながらモルフェウスに嫌がらせを仕掛けていく姿は敵なのに不思議と推せる。

小話の個別クオリティが高く、面白い

  • ルビーの作る嘘のない世界
  • デスの仕事
  • 死なない男との100年ごとの約束
  • 猫の夢
  • 監禁されるカリオペ―

等々、間に挟まる1話や半話を使って贅沢に丁寧に描かれる、ちょっとした小話が面白い。

物語としては停滞するが、個別で話として出来が良く、死なない男との約束の話とかは、単純ながら結構好き。

結構えぐい

ルビーの作る嘘のない世界とか、コリント人の犯行とか、結構描写がエグイシーンがある。

その点は注意だろう。

と言うか、1話目でカラスが射殺されたり、最初からそう言う描写が結構ある。

シリアルコンベンションは笑える

7話から10話までのエピソードに登場する、シリアルコンベンション。

なんと、シリアルキラーの集いなのだが、各シリアルキラーが謎にこだわりを解いている独特な世界観は、かなり見ものだ。

ハウツー視点、フェミニスト視点、宗教視点、様々なシリアルキラーが登場して交流を楽しむ謎空間の設定は、ブラックユーモアたっぷりで面白かった。

終わりに

現状シーズン1の11話までだと、ここまでの黒幕が判明しただけで、物語としては全然終わっていない。

エピソードとしては、11話までで原作単行本2巻までの範囲で、全10巻の作品なので、同じペースで行くならシーズン5まで行けば完走である。

個人的には、楽しめた部分も大いにあるが、シーズン1のみで見ると、キャラの処理も事態の処理も、いずれも少なからず消化不良がある。

それは、続き物故もあるが、とにかく濃いキャラクターを使い捨てていく神々の遊びスタイルで進むので、そこでも好き嫌いは分かれるだろう。

ただ、そんなスタンスだからこそ、思わぬ所でキャラクターの再登場があると、それも神々の視点だからこその再会で、そう言う点は非常に良く出来ていると感じた。

話的には、傲慢な部分がある王が、100年の牢獄を経て使命の為に頑張る中で、少し優しくなる様な話である。

最短で2話まで見て合わなければ見ない、合えば見続ける事をおススメする。

気が長い人なら、5話まで見て原作1巻分のエピソードで自分に合うか判断して欲しい。

私は、シーズン2が来たら見ると思う。

キャラ的には、コリント人と、ギルバート(仕込み杖の紳士)が非常に好き。

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