目次
サキュバスと言うモチーフを使った全年齢対象? 作品
「読んでもらって、分析や感想を聞きたい」と本を頂いて読ませて貰いましたので、せっかくだし副産物をば。
※作品作者・出版社とは無関係の方です。念の為。
トータルの感想としては、けっこう面白かったです。
「ロッテのおもちゃ!」とは?
2007年から2014年まで電撃マオウで連載された漫画を原作とした作品。
単行本は全9巻で、2011年には「アスタロッテのおもちゃ!」のタイトルでアニメも放映されている。
事前の個人的なイメージ
本作は、存在は知っていたが、漫画もアニメも断片的な記憶しか無く、最初の方は見てたが最後どうなったか知らないタイプの作品の一つだった。
なんか、ロリなデザインの美少女キャラが沢山いるな、ぐらいの記憶以外は無く、どんな物語だったのかの記憶は無かった。
「ロッテのおもちゃ!」のあらすじ
舞台は北欧神話をベースにした世界樹で繋がった世界。
日本に住む主人公の直哉22歳は、10歳の娘アスハと仲良く暮らしていたが、将来を考えて新しい仕事を探していた。
お人よしの直哉は、謎の女性に仕事を紹介されるまま、妖魔界にあるユグヴァルランド王国の姫、まだ10歳のアスタロッテ(以後ロッテ)の後宮(ハーレム)に入る候補となる。
ロッテの種族はサキュバスで、サキュバスは大人になると男の精を吸血鬼の血の様に吸わないと飢えてしまう。
ロッテの母親は女王で、後宮に3000人の美男子を抱えているが、当のロッテは大の男嫌い。
このまま大人になると命が危ないと言う事で、家臣達がロッテの眼鏡にかなう男を探した結果が、直哉の勧誘であった。
と言っても、直哉が良かったのではなく、無理を言って男を避けようとしたロッテが、世界が断絶して、国にいない筈の人間の男を指定し、世界の断絶がいつの間にか修正されていた事に気付いた家臣が人の中で精が強い男と言う事で直哉を連れてきたのだった。
自分の娘と同じ様な年頃のロッテのハーレムに入る事に、人並みに抵抗があった直哉は、ハーレムの候補と言う立場を活かして、ロッテの事を父親の様な立場で支えようと心に決める。
わがままなロッテに気に入られた直哉は「ロッテのおもちゃ」として、ロッテと共に過ごす事に。
ユグヴァルランド王国での住み込みの仕事が決まった事で、直哉が人間界からアスハを連れてきて、周囲は22歳の直哉が10歳の子持ちだった事に驚きながらも、奇妙な生活が始まっていく。
設定がヤバイ
まず、なんと言っても設定の異色さが際立つ。
主人公が22歳のフリーターで、10歳の娘を育てるシングルファーザーと言う、数字表記がバグったみたいな設定で話が進んでいくのだ。
常識的な人や、こういう突飛な設定に慣れている人ほど、「はいはい、読めました」と、アスハが実は義理の娘とか、年齢設定に仕掛けがあるとか、そんな予想するだろう。
だが、本作はストレートなストロングスタイルで話が進んでいく。
アスハは、直哉の12歳の時に出来た実の娘だ。
直哉は両親が事故死した15歳の時から、3歳のアスハとずっと二人で暮らしてきたと言う、激重なバックグラウンドを抱えている。
それだけでも凄い設定なのだが、ロッテの母親メルチェリーダ(29歳)が、実はアスハの実母なのだ。
つまり、アスハとロッテは異父姉妹で、ヒロインのロッテは義姉の父親である主人公と恋仲になって行くと言う設定なのだ。
年齢設定だけでなく、相関図も少しややこしい。
ヤバイ設定の処理はシッカリ
上記した様な複雑な人間関係なのだが、物語が進むにつれて、そんな事になった根拠や事情が徐々に明かされていく。
種族や環境による価値観の違い、種族の特性、直哉の秘密、その辺が明かされる事で、冒頭で後宮候補として選ばれた理由が偶然では無い様に、後にフォローが行われていて、設定のまとめ方は、上手い。
設定的根拠を持ったエロ
本作は、セクシーだ。
煽情的で、エロい。
だが、それがギャグでもシリアスでも、しっかり物語に寄与していて、良い意味で予想外の伏線となってたりする。
全年齢向け漫画の為、乳首や局部等の表現は無い。
だが、やたら少女のノーパンシーンがあり、結構な物量の見えそうで見えない下半身が描かれる。
物語のスタート時には、正直言って引いて見ていた部分もある。
なぜ、この密度でノーパンの少女が登場する必要があるのか、印象付ける必要があるのか、困惑するしかない。
しかし、物語が進んでいくと、まさかのメインストーリーでの伏線で、更にはサイドストーリーでも伏線として利用され、アスハを始めとしたノーパンスタイルの痴少女設定は、主人公の直哉がモテまくりの上に、超巨根設定と共に、必要エロだったと分かってくる。
どのシーンもコメディタッチで処理されるが、まさか真面目な伏線だったとは……
と言う堅実な作話がなされている点で、本作は美少女が沢山登場するだけでエロ以外に中身が無い漫画と読まずに判断するのは愚かな事だろう。
搾乳・搾精まで完備とか、ファンタジー設定を上手く使い過ぎと言うか、攻めすぎと言うか。
エロマンガかエロゲーでしか見た事ないよ。
善人悪人の住み分けがキッチリ
味方は全員気持ちが良いぐらい良い人ばかり。
ちょっとした犯罪者や、クライマックスにはクーデターを目論む悪者等も登場するが、悪者は気持ちが良いぐらいに悪い人ばかり。
この、キャラの分け方が物語を追っていて分かりやすく、物語の大半は善人しか登場しない優しい世界となっている。
悪者が登場しても一線を超える事は無く、味方側の強力なキャラが必ず助けに来てくれて、良い予定調和となっている点で、ストレス無く読める。
女性は勿論だが、男性キャラも魅力的
本作は、登場する男性キャラも魅力的と言って差し支えない。
主人公の直哉、勝手にライバル視しているシグルド、ロッテが唯一心許した従者オラフ、他にも何人か登場する主要な男性キャラは、読み終わった時に嫌いなキャラはいないだろう。
そして、男性よりも圧倒的な物量で登場する女性キャラも、皆魅力的だ。
個人的には、シグルドとドーラのコンビが非常に良かった。
キャラ同士の関係性の描写力が非常に高く、感動系の良い話とかが普通にあるので油断できない。
気になった点
全9巻を読んで気になった点は、ラストの駆け足もだが、所々で出てくる重要そうな設定の曖昧&適当な処理だろう。
面白いシチュエーションを先に組んで、それを実現する状況を考え、ミッシングリンクを埋めていったのか分からないが、結構強引だったりする。
アスハが3歳の時に15歳の直哉に突然預けられたと言う設定は、結構えげつない。
劇中では、駆け落ちで親戚と縁を切っている両親を事故で亡くし、天涯孤独の身となった直哉をアスハが救うと言う展開なのだが、どう考えても絶望してる15歳の高校生に3歳の娘を預けるよりは、妖魔国に招待して生活の保障でもしてアスハと暮らさせた方が、女王の選択としては真面に感じてしまう。
結果的に直哉は3歳まで異世界で暮らしていたアスハを引き取り、高校を中退して働いて育てていたのだ。
直哉が良い人間かつ強かったからどうにかなってるが、冷静に考えるとアスハが施設に預けられるなんて事も十分あり得る。
この「もやっ」は、女王側がアスハを育てられなくなり、直哉を連れていく事も出来ない状況を設定し、二人の事を継続的に密かに守るなり支えるなりをすると、かなりスッキリする。
とは言え、尖りまくった設定を使いこなし、その程度の気になるポイントぐらいで、綺麗にまとめ上げている本作は、とても良い作品だと感じた。
他に気になった点と言えば、タイトル回収が軽かった事ぐらいだろうか。
お仕置きこそされるが、言う程に直哉に対するおもちゃ扱いはハマっていない様に見えた。
まとめ
- 10歳の娘を持つ22歳の主人公が、異世界にある妖魔国の10歳の姫の後宮候補となり、姫が生きる為に男嫌いを治す物語
- モチーフを掘り下げた設定の練り方が色々凄い
- キャラがみんな魅力的
端的にまとめると、こんな感じだろう。
モチーフや設定が人を選ぶだろうが、面白いよ。
漫画は全9巻でサクッと読めるのも良いね。
ああ、あと、アニメのロッテ役声優は釘宮理恵さんなので、そこは、かなりポイントが高い。
Amazonでアニメ1話目が無料なので、気になった人は見てみよう。



