魔性の女って、こと?
「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の3話は、もう見られただろうか?
1話でミオリネをトロフィー扱いし、学園1位の実力と親の権力を傘に、嫌な性格の敵として登場したグエルが、スレッタに負けてヒロインと化した衝撃は凄まじく、Twitterでは「グエルくん」がトレンド入りを果たしていた。
今回は、そんなグエルくんがヒロインと化した事案を解説しつつ、未来のグエルくん、もとい主人公に心救われ系ヒロイン誕生の参考になる様に解説していく。
グエルくんは、どうしてスレッタに求婚したのか?
3話を見た人であれば分かっていると思うが、一応。
グエルくんは、スレッタとのモビルスーツを使った決闘で負けた。
負けたから求婚した訳では無いが、負けなければ求婚はしなかった。
ここは重要だ。
モビルスーツの操縦技術に絶対の自信があったグエルくんを、スレッタが操縦技術で上回って、グエルくんが本心でスレッタを上の存在であると認めてしまった事。
これはグエルくんのヒロイン化ポイントとして、一つ重要な点となる。
スレッタが勝ったからこそ、グエルくんに対して個人の実力を認める発言に重みが出たわけだ。
つまりスレッタは、勝利によってグエルにとっての大事な物に対しての発言力が高まった事が、求婚を引き出す事に繋がってしまったわけだ。
だが、それだけでは当然、求婚なんて起きない。
スレッタ登場以前の学園内の勝負で、勝てずともグエルくんに実力を認められる存在ぐらいは、いた筈だ。
そんな相手に褒められた所で、グエルくんは一々求婚するわけでは無い。
乾ききった状態で一気に満たされた体験
グエルくんは、ずっと乾き続けていた事が描写されている。
学園1位を振りかざし、親の権力を振りかざし、子分を連れ、一見すると満たされた素行不良な優等生として登場した。
だが実態は、親からの圧で、何一つ満たされず、受けた圧を周囲に巻き散らしてストレス解消している毒親被害者であった。
1位を取らなければ叱られ、1位をとっても欲しい物は手に入らず親に認めて貰う為に現状の維持が求められ、慕ってくれる子分とは対等な関係では無く上下関係で、弟とも対等では無く、グエルくんはずっと孤独だった。
その様な状態で、スレッタによって1話目で敗北し、必死に維持してきた状況が崩れ去った。
それだけでも辛いのに、認めて欲しかった親には、得意なモビルスーツの操縦で信用されず、親の権力を使って勝負を白紙にされ、唯一自分のモノだったモビルスーツの操縦技術と言う物を汚された。
更に、3話目で新型モビルスーツを与えられ、支援AIを自律AIの様に使われてのモビルスーツに乗っている事だけを求められ、ビーム減衰を目的とした雨の散布まで行われ、唯一自分の誇れたモビルスーツの操縦技術と言うアイデンティティの太い柱が、認めて欲しい父親の手によってバキバキにヒビだらけにされてしまった。
その時点でグエルくんのメンタルはボロボロだが、それでも根性を見せ、スレッタに勝負を挑むも、双方ボロボロで対等と言える状態での勝負にも関わらず、再び負けてしまった。
それも、1話目で完封してきたシールドビットによるフィニッシュでは無く、ビームサーベル等の接近戦での敗北だった。
この敗北でグエルくんは、認めて欲しかった父親からの愛は失ったし、モビルスーツの操縦技術と言うアイデンティティも失われ、学園一位でも無く、何もかもを失った。
カラッカラの状態に乾ききったのだ。
そこに、肩書や役割では無く、グエルくん自身を見て、モビルスーツの操縦技術をスレッタは賞賛したわけだ。
グエルくんにとって、自分自身を個人として認識し、認め、褒めてくれる存在は初めてだ。
ミオリネをトロフィーとして扱ってきた様に、自身もトロフィーに過ぎなかったグエルくんにとって、グエルくんに勝ったスレッタの言葉は砂漠で渇き死にそうな時に水を与えてくれるに等しい行為と言えるだろう。
一貫してグエルくんを個人として見ていたスレッタ
グエルくんがスレッタに惚れるのは、2回目の敗北の前に、1回目の敗北を笑われた事をスレッタが怒った事も大事な要素だ。
ここで、グエルくんは、スレッタがわけのわからない敵では無く、自身と同じプライドを賭けて決闘する戦士だと、自分側の人間だと認識したわけだ。
モビルスーツ乗りとして戦ったグエルをこの時点で肯定しているのがスレッタだけと言う状態だからこそ、2回目の敗北で同志に認められた事がグエルくんの心の氷も溶かすし、乾ききってささくれ立った心に潤いで満たした。
実は、スレッタがグエルくんの尻を叩いたのも大事だったりする。
叩いた事が、では無く、初めて正しく叱って、グエルくんを正しい方向に導こうとしているのが、スレッタなのだ。
1回目の決闘の原因でもあるが、スレッタはグエルくんを最初から自分の道徳・倫理観で正しい方向へと導き、謝罪を要求しているのも、グエルくんに正しい行動を求めているに過ぎない。
グエルくんは、スレッタの提示する正しい行動をとれたからこそ、ご褒美が貰えたとも言え、毒親に苦しめられたグエルくんにとって、スレッタは母とも言える。
親の愛を求めるグエルくんが、母を求めてスレッタに求婚するとな。
まとめると
- 心の渇きを満たしたくて、間違った方法で嫌な奴となっていたグエルくん。
- ミオリネをトロフィー扱いしたり、暴れたり。全部父親のやり方そっくり。
- スレッタに尻を叩かれる。初めてちゃんと叱って貰えた。
- スレッタに負けて、間違った方法のままだと渇きを癒しようがない状況に追い込まれる。
- 父親から呼び出し。子分に掃除を任せ、一応筋を通そうとする。根は良い子。
- 敗北をスレッタに肯定され、心の渇きが少し癒えるが、まだ間違った方法を変えられない。
- スレッタの母親の話を聞き、共感。グエルくんにとって母親が特別なのも察し。
- 間違った方法のまま再戦したら、プライドをズタズタにされてしまう。操縦さえさせて貰えない。
- 自分の心に従ってスレッタと戦うが負ける。トロフィーが自分の意思を持つのは、間違った方法だと、間違った行為。
- 全部を失ったかと思ったら、スレッタが初めて心の渇きを満たしてくれる。
- グエルくん、スレッタが正しい心の渇きを癒す方法だと気付き、求婚してしまう。
と言った感じだろう。
スレッタがコミュ障キャラながら、頭が悪くないし人格的に優秀で、天然で魅了していく様は最高に面白い。
今後も「水星の魔女」から目が離せないね!



