新しさと懐かしさを感じさせる近未来特撮
ネットフリックスで配信中の香港映画「未来戦記」を見たので、感想を。
あらすじ
近未来、科学は大きく発展した物の、世界中で戦争と環境破壊が絶えず、地球の大半は人が住めない世界となっていた。
汚染された地上にスカイネットと言うドームを築いて生活していた所に、宇宙からの飛来物が来る。
飛来したのは水によって急速成長し大気を浄化する巨大植物型クリーチャー「パンドラ」と、パンドラを棲み処にする凶暴な虫型宇宙人達。
人類は、パンドラの凶暴性を取り除く遺伝子変換式の品種改良を試みようとするが、薬品の準備が終わる頃、パンドラには巨大な雨雲が近付いてきていた。
大雨によってパンドラが巨大化する前に、遺伝子組み換え薬をパンドラの雌しべに散布するミッションが始動するが、失敗するようなら隊員どころか周辺の住人16万人ごと爆弾で熱処理すると言うBプランがある事を言い渡される。
危険なミッションに挑むのは、主人公が所属する精鋭チーム。
プランB阻止と、パンドラ無力化による地球の大気汚染除去の為、チームが作戦を開始するが、内部に裏切り者の影があり、大半のチームは失われ、残ったチームもパンドラの支配する領域で孤立してしまう。
生き残ったチームだけで、プランB発動前にパンドラを止める事が出来るのか。
新しいのに、懐かしい
なんだろう。
この映画、CGバリバリだし、近未来のディストピアを舞台にしているのに、なんとも懐かしいテイストがある。
個人的に、これは日本の、ちょっと昔の大人向けの特撮に感じた、何かだ。
ゼイラムとか、ガンヘッドとか、そう言うテイストを、なぜか脳がキャッチする。
これは、良い要素。
CGにクセがある
これは、ちょっと目に付く要素。
CGの造形は良いのだが、挙動に作り物感が強く、ニチアサの特撮で見る特殊効果と、金がまあまあかかってるが古い90年代の映画で見るVFXの間みたいな挙動とかリアリティの時がある。
世界が作り物に見える瞬間と言うのかな。
王道ストーリーはマルだが、設定がごちゃつく部分も
本作は、タイムリミットまでに目的地に物を届けると言う至極単純な設定だ。
そこに関わる精鋭部隊の隊員達には、それぞれ、帰りを待つ恋人、救えなかった娘、果たせなかった任務、等の過去があり、今作戦でそれらの過去を乗り越え清算して救われる。
例えば、主人公は実の娘を病気で過去に失い、任務中に出会った孤児の少女に娘を重ね戦い救う事で救われたりだ。
そう言った、隊員達のヒューマンドラマはシンプルだが悪くない。
なのだが、基本設定で、
- 無人兵器
- パワードスーツ
- 大気汚染
- 環境ドーム
と言った近未来ディストピア要素と、
- 超大型植物型クリーチャー「パンドラ」
- パンドラに寄生する虫型宇宙人
と言う、片方だけでもメインを張れそうなSF要素の連続によって、モチーフが微妙に散らばっている。
見ると分かるが、パンドラは基本的に空気浄化装置で、触手と寄生している宇宙人が行く先を邪魔する要素として登場するのだが、取ってつけた様な存在感が否めない。
本作の主軸はディストピア側にあり、本当の敵は内部の裏切り者で、登場する敵も黒幕が制御する無人兵器群だ。
パンドラとか宇宙人の設定をディストピアとか科学設定に統一した方が見やすくなったのは間違いないのだが、多少ゴチャゴチャとしてテーマが散らかっても、恐らく好きなモノを詰め込んだであろう設定は、面白くもあり、本作の独自性になってない事もないので、一長一短と言える。
パワードスーツとロボットとアクションが、すごくすごく良い
CGによる嘘っぽい挙動が気になる時もあるが、アクションシーンは悪くない。
むしろ、日本の特撮作品もこのぐらい頑張って欲しいと言うバリバリのアクション映画に仕上げて来ていて、敵味方入り乱れてのバトルはマーベル映画を彷彿とさせたり、パワードスーツによる長距離スライディングはFPSゲームを彷彿とさせたり、多脚戦車戦は攻殻機動隊を彷彿とさせたり、やたらと出来が良い。
個人的に特にお気に入りなのは、ケルベロスとアイアンマンを足して割った様な量産型パワードスーツとロボット達とのバトルシーンだ。
敵ロボットデザインもカッコイイし、パワードスーツの武器に斧があったり、加速用のジェットパックがあったり。
斧が何気に役立つシーンが多いのも、好み。
メカニカルデザインは、地味目ながら的確にツボを付いてきて、とても気持ち良かった。
ロボットデザインがチャッピー味を感じるのも良い。
終わりに
本作は、まあまあ尖った部分がある映画だ。
日本語吹き替えは無いし、すごい良い所もあれば、「あれっ?」と言う微妙な所もある。
だが、古き良き大人向け特撮の魂を感じつつ、良質なアクションを堪能出来ると言う部分では、個人的には好きな映画である。
ラスボス的な巨大多脚戦車が、対人戦でレールガンっぽい主砲を一方的に使ってくるとか、メタルギアかよって感じで、とっても好き。
それに対してボロボロになりながらもチームワークで勝っちゃうのも含め、ロマン。
好きなキャラは、メインのテイラー、ジョンソン、スカンク、コナーといるけど、特にジョンソンとスカンクが美味しいポジションで良かったかな。



