創作論

【レビュー】ファンタジーアイテムの創り方【書評】

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リアリティある創作アイテムの「考え方」と、デジタルでの手取り足取り「塗り」体験

ファンタジーアイテムの創り方

氷守緋羽 (著), 山田 優花 (編集)

ゲーム・イラストを彩るための作例解説とアイデア集

150以上の設定&デザイン
雑貨/装身具/食品/薬品/植物/鉱物

ファンタジーアイテムといえば、回復アイテムのハーブやポーションが王道ですよね。効果やデザインも、作品によって様々なバリエーションがあります。

本書では、ゲームやイラスト、漫画などのファンタジー作品に欠かせない「アイテム」について、名前の付け方から効果、使い方、成分、歴史などの設定の考え方、デザインの仕方を解説しています。

レイヤー付きのPhotoshopデータをダウンロードして読み進められるので、イラストレーターの方にはアイテム制作の指南書として、
また数多くのアイテムを掲載しているので、ファンタジーファンの方にはゲームの攻略本のように、めくるだけでワクワクする設定集として、おすすめの1冊です。

著者について

氷守緋羽
モバイルゲームのアイテムイラストなどを手がけるフリーのイラストレーター。ファンタジーアイテムを中心に、厚塗りで描く道具や武具、光物が得意です。

  • 出版社 ‏ : ‎ ボーンデジタル
  • 発売日 ‏ : ‎ 2023/3/30
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 160ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 486246551X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4862465511
  • 寸法 ‏ : ‎ 25.7 x 18.2 x 1.5 cm

目次

  • はじめに……3
  • アイテムの考え方……5
  • 雑貨(羽根ペン、燭台、本)+アイデア集……13
  • 装身具(ブローチ、バングル)+アイデア集……63
  • 食品/薬品(琥珀糖、薬瓶)+アイデア集……95
  • 植物素材(実と枝木)+アイデア集……121
  • その他の素材(クリスタル)+アイデア集……139

創作アイテムを産み出す為の手引き

本書は、タイトルの通り「ファンタジーアイテムの創り方」を解説した、ニッチな内容の書籍である。

冒頭にある「アイテムの考え方」で6ページでロジカルにアイテムの発想法や、設定の考え方が説明されている。

アイテムの役割、用途、機能、効果、形状、材料、原産地、採取場所、学名、語源、区分、外観、製造法、装飾、等々を更に詳しくした「発想のヒント」があり、発想を広げたり取っ掛かりを見つけるのが苦手な人は、ここだけでもアイテムを創る上で大いに役立つだろう。

各章の最後に、その他のアイディアとして、合計で170種程度(帯の150以上表記は、ルビーとサファイア的な色違い系を一種換算しての物で、そう言う意味で暈増しが無いのは好感が持てる)のオリジナルアイテム例があるので、アイテム一覧を眺めるのが好きな人は、これらだけでも楽しめるだろう。

創作アイテムを描き彩る為の手引きと、体験

そんな本書だが、冒頭の「発想のヒント」以降は、アイテムを「美麗なイラストとして形にする」為の具体的な実践方法が、アイテムのジャンル毎に最後まで記されている。

その中でも最も気合が入っている記述は、アイテム毎の「デジタルツールによる彩色手順」のレクチャーだ。

例えば「下地のベージュローゼ(R:232、G:211、B:202)を図の様に塗る」的な解説が、実際にやってみせた図と共に説明としてあり、本書内の手順を書いてあるままに順番に実行する事で、プロの色塗りを手取り足取り体験できる。

レイヤーやレイヤー効果、ブラシも明確な指示があり、色塗りの練習用にPhotoshopの線画データも用意されているので、プロの作業プロセス体験は、我流で色塗りをしている人にとっては貴重な経験となるだろう。

ちなみに、見本にある「羽ペン(アルキオーニクイルペン)」は43工程で、他のアイテムも18~53工程で各個説明され、真似をすれば、似た感じで色を塗れる様になっている。

各個のアイテムの塗りを体験する事で、羽、火、花、葉、各種形状の宝石、等の塗り方のコツが会得できる。

「塗り」が内容の大半なので、オリジナルの線画が欲しい場合は、自分で用意しなければならず、線画の上手な描き方に関しては完成例を示されているだけで触れていないので、その点は注意しよう。

アイテム制作をしたい人や、ディティールアップを目指す人に

本来価格2,400円、定価2,640円と言う値段だが、本のクオリティ的には、十分適正だ。

色々と魅力的なアイテムを発想したい人や、アイテムの色塗りを通じてプロの彩色プロセスを学びたい人であれば、本書の内容を実践すれば幸せになれるだろう。

表紙や手本にある様な「アイテムの線画の描き方をゼロから学ぼう」と言う人は、本書は良い手本にはなるが、技術や思考的なヒントは書かれていないので、別の本の方が合っているかもしれない。

このレビューが、本書を必要とする人の判断材料になれば幸いです。

本書発行元リンク:株式会社ボーンデジタル

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