【ネタバレあり感想】『グッド・オーメンズ シーズン2』を見ました。

悪魔と天使の愛の行方は?

【ネタバレあり感想】『グッド・オーメンズ シーズン1』を見ました。に続き、シーズン2を視聴したので感想を。

期待通りの面白さでした。

シーズン2は、こんな話

ハルマゲドン回避に成功し、天国地獄共に追放され、晴れて自由の身となったクロウリーとアジラフェルの二人。

地球での変わらぬ生活を謳歌しているが、クロウリーは後任のシャックスに家を奪われ植木たちと車暮らし。

でもアジラフェルの本屋に通い、奇跡も変わらず使えるしで、二人の日常は悪くないもの。

そんなある日、大天使のガブリエルが何故か全裸でアジラフェルの本屋を訪ねてくる。

手荷物は空っぽの段ボールが一個。

しかも記憶喪失だと言う。

天国と地獄がガブリエルの行方を追う中、ガブリエルを保護してしまった二人は、日常を守る為にガブリエル保護の事実を隠そうと画策する。

しかし、ポンコツな二人は早速失敗し、ガブリエルは奇跡で誰もガブリエルと認識出来なく出来たが、ガブリエルを保護している事が天国と地獄にバレてしまい、事態は混とんとし始める。

なぜガブリエルは記憶を失ったのか、誰が犯人なのか、天国と地獄は何を狙っているのか、どうすれば良いか分からない状態でクロウリーとアジラフェルは自分達の日常を守ろうと奔走する。

やっぱり全員ポンコツ

シーズン1では反キリスト探しが中心だったが、シーズン2ではガブリエルを記憶喪失にした犯人探しが中心で物語が進む。

事件の謎に挑みながらも、天国側に時間稼ぎの為についた嘘から、レコード屋の店主マギーとカフェの店主ニーナの恋をキュービッドの様に応援せざるを得なくなるアジラフェルとクロウリーが、二人を引き合わせる中で自分達の関係についても向き合う事になる。

なのだが、天国も地獄も、シーズン2でもやっぱりポンコツ揃いで、各勢力のグダグダな企みが面白おかしく描かれていく。

シーズン2は、一貫して禁断の愛の話

シーズン1では6000年来の親友として関係を終えていたクロウリーとアジラフェル。

しかし、シーズン2では宇宙創造からの数百万年来の大親友と言う設定になり、天使時代のクラウリーも描かれる。

そんな二人がシーズン2を通して、恋人がいるニーナに片思いするマギーの恋の応援をする中で、天使と悪魔と言う立場を超えた友情に愛情が含まれている事を気付くまでがシーズン2内で描かれていく。

更に、ガブリエルの記憶喪失事件の真相も禁断の愛に繋がり、シーズン1のラストでベルゼブブと組織のトップ同士として知り合った二人が、天国と地獄の行く末を密会の中で相談している内に恋仲となっていた事がクライマックスで判明する。

事件の真相

シーズン2は1の時と違い、アジラフェルとクロウリーの追う謎が視聴者にも謎で、その解明が大きな見所となっている。

ガブリエル記憶喪失事件の真相は、おおよそ、こんなだ。

シーズン1でベルゼブブと出会い、二人は真面目な天国と地獄の行く先を決める為の密談の中で恋仲となってしまい、その中で二人は天国と地獄の関係を現状維持する事を決める。

しかし、天国は地獄との戦争を強く望んでいて、ガブリエルは失脚し、仕立ての良いスーツと大天使時代の記憶を失う事が決まってしまう。

ガブリエルはベルゼブブの記憶を失いたくない為に、ベルゼブブに密会内でプレゼントされていたハエに自分の記憶を移す。

しかし、記憶喪失になったガブリエルの身体は全裸のまま、かつて追放した、似た境遇のアジラフェルを頼り地上に旅立ってしまう。

身体と共に記憶を移されたハエもアジラフェルの本屋に行くが、ハエに記憶を入れた事を誰も気づかぬまま、アジラフェルとクロウリーがガブリエルへの認識阻害の奇跡を起こしてしまい、天国も地獄もベルゼブブも見つけられなくなってしまい、物語の冒頭に至る。

やっぱりクロウリーの愛の物語

シーズン1から引き続き、やはり一番の見所は、クロウリーの立ち回りだろう。

いつも皮肉を言いながらもアジラフェルを気遣い、アジラフェルとの日常を破壊する全てに苛立ち、かつてアジラフェルを殺そうとしたガブリエルに対して本気で怒りと、ハルマゲドンを乗り越えてからのクロウリーのアジラフェル愛はやっぱり尊い。

文句を言いながらも車も貸すし、本屋の掃除や後片付けも率先して行い、アジラフェルに尽くしていると言って良い。

一方でアジラフェルは、かつてクロウリーに振り回されていたのに、クロウリーが甲斐甲斐しく通い妻の様に尽くしてくれるからクロウリーに甘えっぱなしな感も。

クロウリーの機転でムリエルを使って天国の極秘文書にアクセスし事件の真相に迫り、ガブリエルとベルゼブブをアルファケンタウリに駆け落ちさせて事件を丸く収めたと言うのに、現れたメタトロンからガブリエルのいたポストを用意され、アジラフェルは出世に目がくらんでしまう。

クロウリーから散々誘惑され、度々誘惑に弱い姿を晒してきたアジラフェルが、メタトロンからの天国への大天使待遇での復帰とクロウリーの天使への復帰を打診され、誘惑に負けてしまうオチは、なんとも切ない。

一見すると大出世だが、天国も地獄も組織的には、今までの実態からロクでもない神の計画に振り回されるヤバイ組織なので、そこに戻っても幸せはないと気付いているクロウリーがアジラフェルを止めるのは至極当然だ。

そもそもハルマゲドン中止を実行しようとしたガブリエルが失脚して今回の事件が起きたのに、アジラフェルが似た立場に行ったところで天国をアジラフェル流に運営出来る未来をクロウリーが見えないのは仕方が無い。

真実の愛より盲目的に再起と出世のチャンスに飛びついてしまったアジラフェルだが、シーズン3ではどんな酷い目に遭うのだろうか?

地球が滅ばない限りは、クロウリーの生き方が自由で奇跡も使えて一番幸せそうだが、天国への帰属意識が強かったアジラフェルは、クロウリーの様に天国側の意思で処刑される所も体験していないし、どうにかなると考えている点では見えている物が違うのだろう。

意外なシーズン1からの続投

シーズン2では、アダム・ヤングやアナセマ、ニュートン、シャドウェル軍曹、マダム・トレーシーと言った人間側のメインキャラは出て来ない一方で、戦時中に教会で死んだナチスの将校がまさかの再登場で、ゾンビになって活躍する。

こう言う、意外なキャラクターの掘り下げは面白く、フルフルと共に地味に大暴れする姿はちょっと面白い。

シャックスの85分の1?レギオンは、6000人が1単位のレギオンだから、70人しか集められなかったのでツッコまれていたが、ツッコんだ悪魔もシーズン1でハスターに殺されまくっていた悪魔の続投っぽく、というか何度か死んでも再度現れている様な感じで、あの殺され方では死なない設定なのだろうか、いっぱいいるのだろうか。

天使と悪魔は、肉体が消えても復活するっぽいが(シーズン1でアジラフェルが肉体を一度失い、アダムに復活して貰っていた。ハスターも炎で焼かれた後、地獄で肉体を取り戻していた)、肉体復活は容易なのかどうなのか。

シャックスに電撃で殺されるのと天界行きの魔法陣で消失するなら、シャックスに殺される方がマシな気がしてしまう。

細かい設定は割とガバい?

と言うか、シーズン2で天国や地獄を繋ぐエレベータ設定が登場したが、アジラフェルの本屋にある天国行きの魔法陣とか、天使や悪魔の瞬間移動とか、地球とそれ以外の移動方法が結構多彩な様な。

通信でラジオや映画をジャックしたり奇跡も使えるし、シーズン1では天国から地球に地球儀から行けたり、繋がりがルーズな世界である。

6000年前に地球が作られたが、宇宙はもっと過去からあったり、そこの歴史は推測数百万年ぐらいで結局天使が作ってたり。

そもそも、記憶喪失のガブリエルを匿う必要がどれぐらいあったのか、結構フワフワな部分も。

アジラフェルが追放されたままレギオンをヘイローで一網打尽的に焼き殺したのが宣戦布告になる的な話があったが、追放されてるから宣戦布告にならない様な気もするし。

気になる所はチョコチョコあるが、それでもトータルだと凄く面白かったのだから、どこを中心に作品を見ているかのコントロールが上手い。

クロウリーはホント魅力的。

終わりに

シーズン3では、キリスト再臨が天国側の計画らしい。

シーズン1の反キリストの逆バージョン的な話なのか、いずれにしても一筋縄には進まないだろう。

クロウリーとアジラフェルが道を違えた終わり方だったが、シーズン3ではクロウリーの想いが報われる事を期待したい。

シーズン2のレビュー数がシーズン1を倍近く超えている上に★4.9(確認時)って、凄すぎない?

みんなクロウリー大好きって事よな?

余談:追記

ってか、思い出した。

マギー、やらかしたよね。

話の盛り上がり的にはシャックスのレギオンを本屋に入れたいのは分かるけど、シャックスに煽り倒されてあの体たらくは、正直見てて「おいおい」と感じてしまった。

それこそ、レギオンに唯一やられたあの人でも、その役は良かった様な。

それなら、やらかしと清算のバランスも取れるしさ。

マギーの恋は成就したけど、レコード屋の問題は何も解決して無いし、大目に見てくれる大家もいなくなっちゃって、どうなるのか心配。

ニーナと乗り越えて欲しい所だが。

※追記の追記

本屋の中立地帯設定で対ドラキュラ的な悪魔との駆け引きは、マギーのやらかしや他客の退避とか、消火器で撃退可能な悪魔とか、結構グダグダな印象。

消火器ネタはシーズン1の流れを汲んでいて良かったから、入れる入れないで問答後に本屋をまた燃やされそうになった所で消火器を何故か用意していてシャックスが悔しがるぐらいの流れがあってからの乱戦でも良かった気がする。

と言うか、奇跡キャンセラー使えるフルフル連れて行けば数で勝るシャックスが勝負としては余裕だったのに、WW2で利用して関係壊れちゃったから扱い悪くて非協力的になってた的な話な気も。

余談2:ポリコレの気配

シーズン2は、1では友情の範疇だったクロウリーがアジラフェルへの愛に目覚めたり、マギーとニーナの渋めな恋模様が描かれたり、車椅子姿の天使サラカエル(サリエル)役のリズ・カーさんが新キャラで登場していたり、過去編でもヨブが白人で妻のシティスが黒人だったり、エルスペスとモーラグと言う女性二人組が登場したり、ポリコレ的な気配をどうしても感じる部分がある。

ポリコレアレルギーの人からすると、地味にノイズになるが、作品の作風やノリと、シーズン1からの流れを大半では上手に利用している事で、ポリコレ味の大くの事は気にならない作りにまとめられている点は、本来わざわざ評価する様な事では無いが、一応の評価はしたい。

一方で、ベルゼブブ役の女優さんが交代していて、同年代の人を起用しているが、こう言っては語弊があるし問題もある事は理解した上で言うが、顔面偏差値がアップした状態でガブリエルとの恋愛発展と言う設定になってしまっている点は、ポリコレの流れとしては反対を向いているようにも見え、役者交代が仕方が無かった理由が裏にあるとしても何か思惑があって交代したのではと、ルッキズム的な勘繰りをしたくなったりも。

同時に、ベルゼブブの役者交代を劇中で、長年同じ姿だったから顔を変えたと言及している点は、ベルゼブブに一貫性を持たせていて非常に良い対応だった。

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