ヒット作分析から逆算する、面白さの構造
多くの創作者が誤解している。
ヒット作は、その発想やセンスの産物だと思われている。
まあ、実際、そう言う物も沢山あるだろう。
だが、それらが無いからと諦めるのは、勿体ない。
実際には逆も十分ありえる。
売れる物語ほど、偶然ではなく構造設計の結果になっている。
本記事では、近年の有名作品を横断的に分析し、「なぜ面白くなるのか」を技術として分解する。
例とする作品が設計とセンス、どちらで作っているかは不明なので、悪しからず。
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ヒット作は「テーマ」から作らなくていい?
多くの新人が最初に考えるのは、なんだろうか。
キャラクターやジャンルだろうか。
その中の一つにテーマがある。
テーマから考えるのは、悪くはない。
しかし、成功作の設計順序を観察すると、逆でも結構成立する。
例として、
- 推しの子
- 進撃の巨人
- 呪術廻戦
これらに共通しているのは、読者を楽しませる構造を先に提示し、その結果として徐々にテーマが浮かび上がるという風に言える部分がある。
テーマ先行は思想を描くには向くが、エンタメを両立出来ないならエンタメでオブラートに包む必要がある。
ならば、テーマは最初は見えないとか、決まっていなくても、エンタメを描いている内に浮かび上がる様にしても十分間に合う。
密度とインフレ
物語の面白さは事件の数ではなく、衝突の密度が重要となる。
ヒット作では以下が徹底されている。
- 主人公の願いが必ず否定される
- 成功が別の失敗を呼ぶ
- 敵が主人公の正しさを否定する
- 味方が倫理を揺らす
要は、事件の一個一個に重さがある。
そして、その中で、
- 進撃の巨人では勝利が真実を崩壊させ、
- 推しの子では成功が復讐を加速させ、
- 呪術廻戦では成長が犠牲を増やす。
つまりヒット作は前進=解決ではなく、前進=問題のインフレで設計されている。
これが出来ると、作品は盛り上がる。
世界観は後から意味を持つ
世界観を最初に作り込みたいだろうが、最初に語り過ぎる作品は、今時では流行らない。
ヒット作は違う。
世界観は、衝突を成立させるための道具として設計され、最低限が提示される。
例えば、
・進撃の巨人 → 壁は恐怖装置
・呪術廻戦 → 呪力は責任装置
・推しの子 → 芸能界は評価装置
みたいな。
その設定が人間をどう追い詰めるかに価値があり、その中で世界観が露になっていく。
キャラ人気の正体
人気キャラは、設定が魅力的だから人気なのではない。
正確には、物語の役割を熟す中で、圧力を受ける人物が人気になる。
- 推しの子のアクア、
- 進撃の巨人のエレン、
- 呪術廻戦の虎杖。
主人公に共通しているのは、
・立場が何かしら矛盾している
・信念が壊され続ける
・選択が誰かを傷つける
つまり、葛藤の強度が強いから、その向き合い方を見ていて人々は熱狂する。
サブキャラでも、設定だけの時より、強い葛藤が見えてきてからの方が味がするのが分かるだろう。
面白さは偶然ではなく工程管理で生まれる
ヒット作を分解し、真似をする場合には、設計順はこうなる。
- 読者の感情振幅を設計
- 主人公の願いを定義
- 願いを否定する構造を組む
- 衝突を連鎖させる
- その結果としてテーマが浮かぶ
それらを実現する情熱は、別に準備する必要がある人もいるだろう。



