コラム

コツを掴むための最短ルート。「努力している感」より「熱中している状態」を作るには?

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世の中には、努力できる人と努力できない人がいるように見えます。

  • 毎日練習する人。
  • 何時間も勉強する人。
  • 延々と創作する人。

周囲から見ると、

  • ストイック。
  • 根性がある。
  • 意志が強い。

そんな風に見えるタイプ。

しかし、大抵の場合、本人に話を聞くと、こんな答えが返ってきます。

  • 「別に苦じゃない」
  • 「面白いからやっている」
  • 「気付いたら時間が経っている」

つまり、その行動は結果的に未来の為に必要コストを払っているにも関わらず、当人はコストを払っているつもりも努力しているつもりもないのです。

ここに、上達の重要なヒントがあります。

コツを掴むまでには前払いが必要

どんな分野にも、コツを掴む前の期間があります。

  • 絵なら、線が思ったように引けない、観察を分かってない。
  • 小説なら、文章がまとまらない、構成を分かっていない。
  • 語学なら、単語が覚えられない、ルールが分からない。
  • スポーツなら、そもそも身体が動かない。

こんな期間は、すごく苦しい。

なぜなら、コストだけ払って成果が見えないからです。

多くの人はここで離脱します。

嫌になっちゃいます。

なって当然です。

問題は、努力量ではない

ここで誤解が生まれます。

上達する人は、そこを越えられる努力家だ、と。

  • 意志が強い。
  • 根性がある。

そう考えがちです。

しかし実際には、同じ努力量でも苦痛の感じ方が違う場合が、ままあります。

例えば、ゲームを1000時間やる人。

周囲から見ると大変そうです。

しかし本人は、何かしら楽しんでいます。

逆に、興味のない作業を1時間やる方が、苦しいこともあります。

つまり、コストの量だけでなく、コストの感じ方が重要なのです。

これ、マジで大事です。

最短ルートは「苦痛耐性」ではない

よく、成功するには苦しみに耐えろ、とか言われたりします。

まあ、間違いではありません。

ただし、効率は良くありませんし、注釈がつきます。

なぜなら、苦痛に頼る方法は、そもそも継続性が低いからです。

人間は基本的に苦痛から逃げます。

痛いのも苦しいのも怖いのも嫌なことも、みんな避けます。

そして意志力には限界があります。

だから、苦痛に耐える方法より、苦痛そのものを何らかの方法で減らす方が、効果的になります。

コツを掴む人は何をしているのか

観察すると、上達の早い人には共通点があります。

技術そのものだけでなく、上達する過程に興味を持っているのです。

例えば絵の場合。

完成品だけが好きな人がいます。

AIで出力して綺麗な絵が出てくれば、思い通りで無くても満足してしまう様なタイプ。

一方で、

  • 人体構造が面白い。
  • 構図が面白い。
  • 色彩理論が面白い。

等、そう感じる人もいます。

後者は、学習そのものが報酬になり得ます。

だから、苦痛が相当量少なくなり、ずっと続きます。

成果ではなく変化を見よ

初心者が苦しむ理由の一つは、目指す大きな成果ばかり見ていることです。

そうなると、手前の状態は、ずっと辛い。

  • まだ下手。
  • まだ売れない。
  • まだ評価されない。

しかし、上達の初期段階では、成果はほとんど動きません。

一方で、

  • 昨日より少し良い。
  • 先週より少し分かる。
  • 以前より迷わない。

という変化は、確実に起きています。

熱中する人は、成果ではなく変化を、いつも楽しみます。

こうなると、失敗は、ただの失敗にならず、小さな変化の積み重ねが、それだけで楽しい物になっていきます。

大きな成果に到達せずとも、小さな正の変化、ポジティブな差が生まれるだけで、快感を感じられるのです。

「分かった」が報酬になる状態

人間は、理解した瞬間に、大きな快感を感じます。

  • 謎が解ける。
  • 仕組みが分かる。
  • 原因が見える。

だから上達が早い人は、完成品を作ることだけでなく、理解すること自体を報酬化しています。

そして、そう言う人は、失敗こそが、そこに辿り着く為に重要である事も分かっています。

つまり、漠然と上手くなるから楽しい、ではなく、分からなかった事が分かるから楽しいになっています。

コツを掴む最短ルート

では、どうすれば上達に良いのでしょうか。

重要なのは、遠くにある結果への興味を、仕組みへの興味に変換することです。

  • 絵なら、上手い絵を描きたい、だけではなく、なぜ上手く見えるのか知りたい。
  • 小説なら、面白い作品を書きたい、だけではなく、なぜ面白く感じるのか知りたい。

この変化が起きると、学習が苦役から、わくわくする探検に変わり、視界が一気に開ける事もあります。

真似は近道になる

下手な初心者ほど、独創性を求めがちです。

しかし、コツを掴むには、模倣こそ近道です。

なぜなら、上手い人がどこに注目しているかを借りられるからです。

そして、独創的な何かを乗せる土台は、独創的である必要が無い事が多く、そのある程度決まった土台作りのコツは独創性を求めていても永遠に掴めません。

コツの発見とは、必要となる見るべきポイントの発見でもあります。

素直な模倣は、その発見を高速化します。

独創性を求めていると、模倣を避ける事によって、独創性を廃した方が効率的に学べる所に対して、不要な抵抗が生まれるわけです。

ストイックな人の正体

外から見ると、毎日何時間も続ける人はストイックです。

しかし本人の内面は違うことがあります。

努力しているのではなく、

  • 気になるから調べる。
  • 面白いから試す。
  • 分かりたいから続ける。

そういう状態です。

  1. 周囲には修行に見える。
  2. 本人には遊びに見える。

この状態こそ、目指すべきであり、ここに辿り着くと非常に有利となります。

最も遠回りな方法

逆に遠回りなのは、成果だけを見て、ひたすら耐える方法です。

  • 売れるまで我慢。
  • 上手くなるまで我慢。
  • 評価されるまで我慢。

もちろん不可能ではありません。

環境によっては、それしか選択肢が無いみたいな人もいるかもしれません。

しかし、多くの人は途中で燃え尽きたり、諦めます。

大抵の人が望む理想の成果は、自分で制御できない部分があるからです。

一方で、

  • 理解すること
  • 試すこと
  • 発見すること

は、かなりの部分を自分で制御できます。

世の中には、思いもよらぬものが既に体系化されていたり、カリキュラムが存在していたり、ルールが備わっていたりします。

それらを手に入れたり、存在に気付けるだけで、制御可能部分は一気に増えます。

まとめ

コツを掴むためには、コスト前払いが必要です。

これは避けられません。

しかし重要なのは、どうやって苦しみに耐えるかではありません。

どうやって何も無く立ち向かえば苦しみを感じる事を、別のものに変える工夫や向き合い方の変化をするかです。

  • 結果への執着を、仕組みへの興味に変える。
  • 完成品への憧れを、構造への好奇心に変える。

そうすると、周囲にはストイックに見えても、本人は熱中しているだけという状態が、上手くすれば生まれます。

そして多くの場合、コツを掴む最短ルートとは、最も根性がある人の道ではありません。

最も長く深く面白がれた人の道なのです。

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