目次
型を学び、型を組み替え、型から卒業するための考え方
前回の記事では、モデルを知ることは、人生の選択肢を増やすこと、という話をした。
- ビジネスにも
- 投資にも
- 物語にも
- 勉強法にも、
- 交渉にも、
- 組織運営にも、
モデルがある。
しかし、ここで一つ勘違いしやすいことがある。
モデルは答えではないと前回書いたが、同時に完成品でもない。
あくまで出発点なのである。
本当に重要なのは、既存のモデルをそのまま使うことではなく、自分や状況に合わせて組み替えることである。
モデルには必ず前提条件がある
どんな優れたモデルでも、万能ではない。
例えば、サブスクリプション型のビジネス。
これは、継続利用される商品、という前提がある。
一度しか買わない商品では成立しにくい。
投資のモデルも同じだ。
長期投資が向いている人もいれば、短期の資金需要がある人には合わないこともある。
物語も同じである。
成長物語が作品に合う場合もあれば、群像劇の方が適している場合もある。
つまり、モデルを見る時は、「何が正しいか」ではなく、「どんな条件なら機能するのか」を見る必要がある。
最初に調べるべきは「共通点」
新しい分野を学ぶ時、多くの人は、つい違いばかりに目が行ってしまう。
しかし、自分用にカスタムするなら、まず共通点を見る方が重要である。
例えば、売れているビジネスを十個調べる。
方法は全部違う。
しかし、
- 顧客の悩みを解決している。
- 利益が継続する仕組みがある。
- 信頼を積み重ねている。
こうした共通項が見えてくる。
物語でも同じだ。
ジャンルは違っても、
- 読者に期待を持たせる。
- 変化を描く。
- 感情を動かす。
みたいな、共通する構造がある。
まずは、何が違うかではなく、何が同じかを見る事だ。
次に「変数」を探す
共通項が見えたら、今度は、何が変えられるのかを調べよう。
例えばビジネスなら、
- 価格。
- 販売方法。
- 対象顧客。
- 収益源。
- 広告。
- 販売地域。
どこが固定で、どこが変更可能なのか。
これが分かると、モデルを組み替えられるようになる。
物語なら、
- 主人公。
- 舞台。
- ジャンル。
- 語り方。
- 時間軸。
- 敵。
- テーマ。
どれが本質で、どれが自由なのか。
この区別が重要になる。
「目的」と「手段」を分離する
モデルを真似して失敗する人の多くは、目的と手段を、時に混同している。
例えば、毎日ブログを書く。
私がやっている事だ。
これは、手段である。
目的は、
- 読者を増やすことかもしれない。
- 信頼を作ることかもしれない。
- 商品を売ることかもしれない。
- 意外に、趣味かもしれない。
もし目的が違うなら、
- 毎日ブログを書く必要はない。
- 動画の方が良いかもしれない。
- 講演かもしれない。
- 本を出す方が効率的かもしれない。
つまり、モデルの形ではなく、モデルが達成している役割を見るのである。
自分の制約条件を書き出す
モデルは現実の制約の中で使われる。
だから、自分には何があるのか、を整理する必要がある。
例えば、
- 使える時間。
- 資金。
- 体力。
- 年齢。
- 経験。
- 人脈。
- 性格。
- 住んでいる場所。
- 得意不得意。
同じモデルでも、条件が違えば最適解は変わる。
他人の成功モデルをそのまま使えない理由は、能力だけでなく、そもそもの前提条件が違うからである。
小さく試して修正する
ここで重要なのは、最初から完成形を作ろうとしないことだ。
簡単な事ならともかく、そうでない場合は、テストが必要だ。
モデルは設計図である。
設計図だけでは、実際に機能するか分からない。
だから、
- 試す。
- 修正する。
- また試す。
これを、上手く行くまで繰り返す。
- ビジネスなら試験販売。
- 創作なら短編。
- 勉強法なら一週間。
- 投資なら少額。
まず実験する。
その結果をモデルへ反映する。
この繰り返しによって、自分専用モデルが、徐々に育っていく。
良いカスタムには「捨てる勇気」がある
モデルを知るほど、全部入れたくなる。
しかし現実には、足し算だけでは完成しない。
引き算も、多くの場合、必要になる。
例えば、
- 収益性を優先する。
- 更新頻度を下げる。
- 読者層を絞る。
- 機能を減らす。
- 登場人物を減らす。
自分に必要なものだけを残す。
これも立派なカスタムである。
自分専用モデルができる瞬間
物事を長く続けている人は、「自分では普通」と思っているやり方を持っている。
しかし他人から見ると、実は、それが、かなり独特だったりする事がある。
それは、数え切れない試行錯誤の結果、既存モデルを自分向けに最適化した姿だからである。
一つのモデルを極めたわけではない。
複数のモデルから、必要な部品だけを集めたのである。
最後に
モデルを知ることは、可能性を増やす第一歩である。
しかし、本当の価値はその先にある。
- 共通する構造を見つける。
- 変えられる部分を探す。
- 目的と手段を分ける。
- 自分の条件を整理する。
- 小さく試す。
- 不要なものを削る。
この繰り返しによって、世の中の「誰かの作ってくれたモデル」は、少しずつ「自分のモデル」へ変わっていく。
本当に優れた人は、ただ沢山の型や、一つの磨かれた型を持っている人ではない。
型を理解し、その意味を知り、自分の現実に合わせて、状況に合わせて組み替え続けられる人である。
モデルとは、答えではない。
自分だけの答えを組み立てるための、あくまでも、設計図の材料なのである。
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