日常生活、あるいは仕事や趣味、創作活動の場等において。
「それって本当に論理的なの?」
「なんか合理的じゃないよね」
等といった言葉を交わす機会は、人によっては多いでしょう。
しかし、私たちが何気なく使っている言葉が指す「基準」は、なんとなくで使っている人も多くいて、言葉一つ一つの中身がしっかり異なります。
今回は、思考や判断の土台となる概念を比較し、それぞれの性質と「どういう時に使うべきか」を整理します。
客観性
- 性質: 個人の感情や偏見に左右されず、誰が見ても同じように判断できる性質。事実か否か。事実こそ普遍の土台です。
- 問われるポイント: 主観や偏見が排除され、誰が見ても同じと言えるか?
- どういう時は使うべきか: 「私見ですが」といった主観を排し、データや第三者の視点に基づいて議論の公平性や信頼性を担保したいときに使います。
規則性
- 性質: 一定のルールや、繰り返しのパターンの存在。純粋な事実世界上にある繰り返しパターンです。
- 問われるポイント: そこに決まったパターンや法則はあるか?
- どういう時に使うべきか: データ分析、プログラミング、行動の癖、自然現象など、反復されるルールを発見・共有・説明したいとき。物事の流れや業務フローの中で、一定の法則通りにシステムが回っているか確認したいときに使います。
必然性
- 性質: 他のようになってはならず、必ずそうなる性質(不可避性)。パターンが分かっても、いつどこにあるかが分からなければ使えません。
- 問われるポイント: 構造上、他の結末になり得ない不可避性はあるか?
- どういう時に使うべきか: 小説のプロットや歴史の因果関係において、「このキャラクターなら、この状況下でこの絶望からこう動くしかない」という強い説得力や必然の結末を描きたいときに使います。
再現性
- 性質: 同じ条件や手順を繰り返したとき、誰がやっても同じ結果を引き起こせる度合い。いつどこでが分かっても欲しいタイミングで起こせなければ意味がありません。
- 問われるポイント: 同じ条件で同じ結果をもう一度起こせるか?
- どういう時に使うべきか: ノウハウ、マニュアル、実験結果などを他者に共有・展開し、「誰が実行しても同じ成果が出るか」を保証・担保したいときに使います。
整合性
- 性質: 複数の主張やパーツ同士の間に矛盾がなく、綺麗にかみ合っている状態。個別には正しくても、向いている方向が違えば噛み合わない事もあります。
- 問われるポイント: 情報同士が互いに矛盾していないか?
- どういう時に使うべきか: 複数のメンバーが書いた企画書や仕様書を統合するときや、議論の中での発言や証言の食い違い(矛盾)をチェックしたいときに使います。
体系性
- 性質: 個別のバラバラな知識やルールが、一定の原理に基づいて秩序立てられ、一つの巨大な構造を作っている状態。再現が可能でも個別のパターンでは使いづらいです。
- 問われるポイント: 全体が秩序ある一つの全体構造にまとまっているか?
- どういう時に使うべきか: 散らばった知識やノウハウを、学問やマニュアル、データベースとして構造化・整理して提示したいときに使います。
妥当性
- 性質: 前提や条件に照らして、その結論が現実的に「もっともだ」と認められる度合い。現実でパターンを使用した際に、実現出来る事と、する事が正しいかは別物です。
- 問われるポイント: 前提を含めて現実的に通用するか?
- どういう時に使うべきか: 論理や計画の組み立て自体は完璧だが、そもそもの前提となるデータや仮説が現実の文脈に照らして本当に妥当と言えるかを評価したいときに使います。
合理性
- 性質: 目的を達成するために、効率的かつ現実的であること。実現可能かつ妥当だとして、やり方に問題が無いか。
- 問われるポイント: 目的に対して、無駄の少ない最適解か?
- どういう時に使うべきか: コスト削減、スケジュール短縮、リソース配分の見直しなど、実利や成果の最大化を評価・提案したいとき。「筋は通っているが手間がかかりすぎて現実的ではない」等といった方針を修正したいときに使います。
論理性
- 性質: 推論の筋道が通っていること。矛盾がない状態。目的や方法は置いておき、ロジックに問題が無いか。
- 問われるポイント: 思考や関連性に破綻はないか?
- どういう時に使うべきか: 「彼は人である。人は死ぬ。したがって彼は死ぬ」みたいな、因果関係に飛躍や破綻がないかチェックしたいとき、また感情論を排除して議論の土台を公平に整えたいとき等に主に使います。
合目的性
- 性質: ある構造や行動が、特定の目的を達成するために適切に方向づけられている性質。目的の為に手段が役立たないと目的には近づきません。
- 問われるポイント: 手段が目的に向かってまっすぐ役立っているか?
- どういう時に使うべきか: いわゆる「手段の目的化」が起きているとき。一見すると遠回りに見えても、特定の目的に対して正しくベクトルが向いているかを正したいときに使います。
効率性
- 本質: 投入したコストに対して、どれだけの成果が得られたかという無駄のなさ。物事は最終的に、効率を求め洗練されて行きます。
- 問われるポイント: コストに対する成果の割合(コスパ)は高いか?
- どういう時に使うべきか: 「コスパ」「タイパ(タイムパフォーマンス)」を具体的に数値化して評価・改善したいときや、同じ成果を得るためにリソースを最小限に抑えたいときに使います。
まとめ
物事を正しく分析・評価したいときや、自分の思考のモヤモヤを言語化したいときは、いまどの概念の視点に立っているのかを切り分けてみると、クリアな答えが見えてくるはずです。
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